漢方の知恵袋
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)
放っておくと要介護につながる可能性もあるフレイル。予防・改善には、日頃の養生で体質を整えることがとても大切です。「気になる症状」を参考に自分の身体を見直し、弱っている臓器があれば積極的にケアしましょう。
疲れやすい、息切れ、咳、喘息、痰、かぜを引きやすい、汗をかきやすい、喉の乾燥、皮膚の乾燥、便の乾燥、声が細い、顔色が白い、舌苔が白く薄い
肺を養い潤いを与える:白きくらげ、百合根、きのこ類、梨、ねぎ、しょうが など
体重が減った、筋力が落ちた、疲労感、倦怠感、手足に力が入りにくい、食欲不振、胃もたれ、お腹の張り、下痢、軟便、痩せ、顔色が黄色い、舌の色が淡い、舌苔が白くネバネバする
脾胃を養い体力をつける:米、大豆製品、アジ、鶏肉、豚ヒレ肉、牛乳、じゃがいも、なつめ、りんご、しそ など※脾胃は冷えに弱いので冷たい飲食は控えめに
歩く速度が落ちた、腰痛、腰の冷え、腰が重い、足腰が弱い、めまい、物忘れ、耳鳴り、むくみ、頻尿、冷え性、舌苔が白く少ない
腎を養い老化症状を和らげる:えび、くるみ、黒豆、黒ごま、山芋、にら、松の実、栗、なまこ など
動悸、不整脈、胸苦しい、不安感、不眠、顔色が白いまたは暗い、舌の色が淡く暗い
気・血を養い血流を良く:小麦、ハツ、卵、らっきょう、玉ねぎ、ぶどう、納豆 など
活動量が減った(あまり出かけなくなった)、憂うつ、イライラ、落ち込み、不眠、めまい、目の乾燥、眼精疲労、月経不順、月経量が少ない、足がつりやすい、手足のしびれ、爪が薄い、舌の色が淡い
血を養い肝の働きを整える:そば、レバー、しじみ、うなぎ、クコの実、黒きくらげ、酢、うこん、小豆、ブルーベリー など
【食事】
・1日3食、肉、魚、野菜、海藻などをバランスよく取るよう心がけて。
・高齢者の食事はたんぱく質が不足しがち。肉、大豆製品、卵などを意識して取りましょう。
・食事はよく噛む習慣を。上手にのみ込む力をつけるトレーニングにもつながります。
【運動】
・「歩く」ことはとても簡単な運動になります。目標は1日8,000歩。普段歩かない人は無理をせず、少しずつ歩数を増やしていきましょう。
・衰えた筋肉を鍛えるには、適度に負荷のかかる運動を。早歩き、足踏み(5分程度)、腰を軽く下ろすスクワットなど、無理のない範囲で取り組みましょう。
【その他】
・地域活動や趣味のサークルなどに参加して、積極的に社会と関わりを。脳の老化予防、心身の健康維持につながります。
・ストレスはこまめに発散を。ブラシや指の腹で頭皮を刺激するのもおすすめです。
月刊誌『チャイナビュー』(イスクラ産業発行)より掲載
この記事を監修された先生
中医学講師/菅沼 栄先生
1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
症状一覧
CHECK!
TYPEA
エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?
TYPEB
気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?
TYPEC
カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?
TYPED
全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?
TYPEE
カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?
TYPEF
水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?
ABOUT
こころとカラダのこと、
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中医学はあなたの体調・体質に合わせて、つらい症状に対処し、元気とキレイを提案します。私たちは日々様々なストレスにさらされ、気づかないうちにこころもカラダも疲れています。病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、改善されない不調がある。そんな方に、中医学の考え方をご紹介します。