漢方の知恵袋
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)
痙攣対策の基本となる「肝(かん)」(肝臓)のケアや「血虚(けっきょ)」、「瘀血(おけつ)」(血行不良)の改善は、心身を健やかに整え、脳血管疾患を予防することにもつながります。痙攣の症状が気になる人は、積極的な養生で体質を改善していきましょう。
痙攣の症状:まぶたや口角の痙攣、顔面の痙攣、ストレスで痙攣の症状が重くなる
その他の症状:憂うつ、情緒不安定、イライラしやすい、怒りっぽい
気の巡りを良くして、肝の働きを整える:
金針菜、ミント、キンモクセイの花、たけのこ、玫瑰花茶(まいかいかちゃ)、パクチー、菊花、ジャスミン茶、セロリ など
痙攣の症状:体の疲れ・精神的疲労がある時に痙攣が起こる
その他の症状:疲労、食欲不振、動悸、不眠、不安、多夢、めまい、脱毛、顔色が白い、舌の色が淡い
甘味・温性の食材で「気」「血」を養う:
大豆製品、松の実、なつめ、鶏レバー、ほうれん草、卵、百合根、竜眼肉、鶏ハツ、にんじん、黒ごま、小麦、クコの実、小松菜、黒糖 など
痙攣の症状:痙攣の慢性化、頭痛を伴う、温めると症状が緩和する
その他の症状:冷え、痛みが起きやすい(頭痛、生理痛、関節痛など)、顔色が暗い、舌の色が暗い、舌に瘀点・瘀斑がある(黒い点やあざ)
血行を改善し、血管を柔らかく:
紅花、よもぎ、アジ、少量のアルコール、玉ねぎ、へちま、酢、らっきょう、サバ、海藻類(昆布、わかめなど) など
・睡眠を十分とって疲れを取り心身を元気に保ちましょう
・ストレスを溜めないよう上手に気分転換を
・適度な運動は筋肉の緊張を和らげてくれます
・入浴で体全体を温め血行を良く、蒸しタオルで顔や首まわりを温めるのもおすすめ
・ビタミンやミネラルを多く含む食材(大豆、緑黄色野菜、貝類など)を積極的に取りましょう
月刊誌『チャイナビュー』(イスクラ産業発行)より掲載
PROFILE
中医学講師/菅沼 栄先生
1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
症状一覧
CHECK!
TYPEA
エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?
TYPEB
気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?
TYPEC
カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?
TYPED
全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?
TYPEE
カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?
TYPEF
水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?
ABOUT
こころとカラダのこと、
ちゃんと知りたい
中医学はあなたの体調・体質に合わせて、つらい症状に対処し、元気とキレイを提案します。私たちは日々様々なストレスにさらされ、気づかないうちにこころもカラダも疲れています。病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、改善されない不調がある。そんな方に、中医学の考え方をご紹介します。