漢方の知恵袋
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)
中医学には「上燥(じょうそう)」(肺)、「中燥(ちゅうそう)」(脾胃)、「下燥(げそう)」(肝・腎)という考え方があり、それぞれに合った乾燥対策を考えます。まずは症状から自分のタイプを知り、冬の乾燥に負けない身体をつくりましょう。
皮膚の乾燥・しわ・かゆみ、かかとのひび割れ、のど・鼻の乾燥、空咳、痰が出しにくい、喘息、かぜを引きやすい、舌の苔が薄く乾燥している
呼吸を司る「肺」は、乾燥の影響を最も受けやすい臓器。また“潤いを好み、乾燥を嫌う”という特徴があり、肺の潤いが不足するとさまざまな不調につながります。注意したいのは、肺の状態と密接に関係する皮膚や呼吸器系のトラブル。皮膚の乾燥やかゆみ、空咳、のどや鼻の乾燥といった不調を感じたら、肺が乾燥しているサインと考えて積極的な養生を。
肺の潤いを養う食材やお茶を:
白きくらげ、百合根、梨、大根、れんこん、はちみつ、みかん、枇杷の葉茶、菊花茶、鶏がらスープ、豚足 など
口の乾燥(唾液の減少)、食欲不振、味覚の低下、便秘気味、疲労感、倦怠感、舌の色が淡い
脾胃に潤いを与え、働きを良く:
豆、大豆、バナナ、いちじく、りんご、キウイ、マンゴー、白菜、かぼちゃ、オリーブ油、豆乳、ヨーグルト など
目の乾燥・疲労、髪のパサつき、皮膚のしわ、腰痛、めまい、物忘れ、月経量の減少、陰部のかゆみ、尿量の減少
血を養い、肝・腎を健やかに:
くるみ、黒ごま、黒豆、山芋、なつめ、クコの実、ブルーベリー、桑の実、人参、ほうれん草、なまこ、スッポン など
この記事を監修された先生
中医学講師/菅沼 栄先生
1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
症状一覧
CHECK!
TYPEA
エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?
TYPEB
気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?
TYPEC
カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?
TYPED
全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?
TYPEE
カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?
TYPEF
水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?
ABOUT
こころとカラダのこと、
ちゃんと知りたい
中医学はあなたの体調・体質に合わせて、つらい症状に対処し、元気とキレイを提案します。私たちは日々様々なストレスにさらされ、気づかないうちにこころもカラダも疲れています。病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、改善されない不調がある。そんな方に、中医学の考え方をご紹介します。