監修:楊 暁波 先生(中医学講師)
楊暁波先生の中医美容レッスン vol.19
カサカサ、小ジワ、粉ふき、痒い……。乾燥は美肌の大敵!
秋の空は、高くすっきりと晴れ渡り、過ごしやすい季節です。中医学では秋は「燥(そう)」の気がつかさどると考えます。この時期は空気が乾燥し、肌の潤いも失われがちです。乾燥肌を防ぐためには、スキンケアはもちろん、体の中から潤いケアをすることがとても大切。秋冬の乾燥シーズンをトラブル知らずで乗り切るためにも、しっかり保湿対策をして“潤い美肌”を保ちましょう。
体質チェック 〜見逃さないで! 体の乾燥サイン〜
秋の乾燥肌には、夏のダメージが影響していることも。
大量にかいた汗、睡眠不足、食欲不振などが原因で体内の「血」や「津液」が不足していると、肌に十分な潤いが行き渡らず、乾燥しやすくなるのです。
【乾燥体質チェック】
□口やのどがよく渇く
□唇が乾きやすい
□目が乾燥する(ドライアイ)
□眠りが浅く、よく夢を見る
□髪の毛にツヤがなく、パサパサする
□乾燥肌でシワができやすい
□から咳をする、痰の中に血が混じる
□尿量が少なく色が濃い
□便秘気味
□舌の色が赤く、苔が少ない
乾燥に負けない!「潤いアップ」は体の中と外からのダブルケアが基本
乾燥の季節にケアを怠ると、肌のハリが失われ、小ジワも増えて老け顔に悩まされてしまうことも。 体の中と外、両面からしっかり乾燥対策をして、“潤い美肌”をキープしましょう。
【 中からのケア:体の潤いを養う 】
中医学では「燥勝則乾」と「乾則潤之」の原則があります。 意味は、燥がつよいと乾く、乾いた場合は、潤わせる方法を取り入れます。 潤いのもとになる「血」と「津液」をしっかり養うよう心がけて。 潤いが十分に保たれていれば、肌の状態と関わりの深い「肺」の働きも良くなるので、肌を健やかに保つことができます。
<潤いアップの食養生>
ハシマ油、うなぎ、卵、レバー、にんじん、ほうれん草、鴨肉、手羽先、豚足、白きくらげ、海藻類、梨、りんご、れんこん、百合根、かぼちゃ など
☆煎餅などの乾燥したお菓子、炒ったナッツ類、辛いものなどは食べ過ぎないように。
〜乾燥対策の生薬〜
沙棘(サージ)、当帰(とうき)、霊芝(れいし)、黄精(おうせい)、西洋人参 など
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潤い食材たっぷり! おいしく食べて、乾いた体がぐんぐん潤います。
◎材料
・白きくらげ:20g
・乾燥百合根:15g
・皂角米(そうかくべい):15g ※なくてもOK
・クコの実:10g
◎つくり方
1.白きくらげをぬるま湯で20分もどし、他の材料は軽く洗う。
2.鍋に材料、水1リットルを入れ、適量の甘味(氷砂糖、黒砂糖、はちみつなど)を加える。
3.[2]の鍋を火にかけ、とろみがつくまで煮詰める。
4.冷やして器に盛りつける。お好みで季節のフルーツなどを添えて食べる。
【 外からのケア:スキンケアで潤いを守る 】
潤い肌を守るために欠かせないのが、毎日のスキンケア。 乾燥した空気に肌が負けないよう、パックやローション、クリームなどで潤いをたっぷり補給しましょう。
<パックで潤い補給>
乾燥の季節はこまめにパックを。 パックの後はローションをたっぷりつけ、油分多めのクリームを塗って潤いを逃がさないように。
〜楊 暁波先生のワンポイントアドバイス〜
・オイリー肌と混合肌には…「冷パック」を。シートパックを冷蔵庫で冷やすのもオススメ。
・ノーマル肌とくすみ肌には…「温パック」を。パックの上から蒸しタオルで温めてみてください。
<入浴のポイント 〜潤いバスタイム〜>
◎ぬるめのお湯にゆっくり入浴
熱いお湯は皮膚表面の皮脂膜を傷つけ、乾燥の要因になります。
◎肌にやさしい石けんを
石けんやボディソープは、弱酸性や乾燥肌用などを選んで。洗顔料は、保湿成分の入っているものを使いましょう。また、洗い過ぎないことも大切です。
◎入浴後はすぐに全身を保湿
お風呂上がりは、ローションやクリームなどですぐに保湿を。潤いの少ない肘や脛、首、肩などは多めに塗りましょう。
☆沙棘(サージ)、当帰(とうき)などの生薬を配合したローションやクリームもオススメです。
〜潤い美肌の手作り入浴剤〜
当帰5g、五行草(ごぎょうそう)5g、乾燥したバラ3gをティーバッグに入れ、15分ほど煮出したものを入浴剤に。
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この記事を監修された先生
中医学講師楊 暁波 先生
楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など