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インフルエンザ対策体質改善でインフルエンザに負けない体質に!予防方法と対策

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

冬の時期で気になるものとして、インフルエンザが挙げられますよね。

インフルエンザにかかって数日ダウンした経験のある方もいるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、中国の伝統医学である中医学をもとに、インフルエンザの予防と対策について分かりやすく説明します。

肺・脾胃(ひい)・腎を健康に保つことで、身体の抵抗力アップ

急な高熱に加え、筋肉痛、関節痛などの強い全身症状が現れるインフルエンザ。
こうした症状は、中医学では邪気である「外邪(がいじゃ)」の侵入によるものと考えます。外邪とは自然界から入ってくる病因で、インフルエンザウイルスもその一つ。ウイルスから身体を守るためには、病気を寄せ付けない体質づくりが何より大切です。

インフルエンザを予防するポイントは、「肺」「脾胃(ひい)」(消化器系)「腎」(腎臓)の健康を保つこと。
中でも肺は重要な器官で、身体の防衛力となる「気」(エネルギー)や、外邪が入り込む皮膚、鼻、喉などと深い関わりがあるため、その機能を整えておくことで外邪の侵入を防ぐことができます。
脾胃は栄養分や水分を飲食物から吸収し、全身に運ぶ臓腑。インフルエンザに負けないよう、脾胃を健やかに保ち、十分な体力を養いましょう。
また、”生命の源”といわれる腎の機能を高めることは、病気を寄せ付けない根本的な抵抗力アップにつながります。

インフルエンザが始まってくる秋は、憂鬱な気分になりやすいため、ストレスにも注意が必要です。ストレスの調節機能を持つ「肝(かん)」(肝臓)にも気を配り、心身ともに健康な身体作りを心がけてください。
万一インフルエンザにかかってしまった場合は、とにかく早めの対応が肝心です。初期の段階で、できるだけ早く追い払ってしまいましょう。

check!タイプ別・インフルエンザの予防と対応

インフルエンザの症状は、発熱や頭痛、胃の不調などさまざま。ここでは主な症状や体質から、それぞれに合った予防と対応のポイントをご紹介します。

1 発熱・のどの痛み「肺」の弱いタイプ

気になる症状

<インフルエンザの症状>悪寒、発熱、頭痛、喉の痛み、汗が少ない、口が渇く
<普段の症状>息切れ、汗をかきやすい、かぜを引きやすい、顔色が白っぽい、気管支が弱い

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改善ポイント

【肺の養生で防衛力を高める】

中医学では、「体内の気(エネルギー)が十分にあれば、邪気は入りにくい」と考えます。肺は、この「気」の生成と深い関わり持つ臓器です。また、中医学でいう肺には呼吸器系の機能だけでなく、身体表面(皮膚や体毛)の防衛力を高める機能があることも特長。こうした機能が身体をウイルスから守っているため、肺の機能が低下するとウイルスが体内に入り込みやすくなってしまうのです。

悪寒や発熱が現れたら、とにかく早めの対応が肝心です。軽い発汗で熱をとりながら、肺の機能を高めてウイルスを撃退してしまいましょう。
また、普段からかぜを引きやすい、息切れする、といった症状を感じる人は、肺の養生で防衛力を高め、インフルエンザを寄せ付けない身体づくりを心がけてください。

摂り入れたい食材

ねぎ、生姜、しそ、白菜、大根、スイカズラ、杏仁、びわ、梨、ぎんなん、白ごま、蜂蜜、皮つきの豚肉

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2 胃腸からくる「脾胃(ひい)」の弱いタイプ

気になる症状

<インフルエンザの症状>頭重、身体が重い、だるい、胃の膨満感、吐き気、軟便、食欲がない
<普段の症状>疲労感、食欲不振、むくみやすい、軟便、胃弱、舌のコケが厚い

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改善ポイント

【日頃から脾胃(ひい)の働きを整える】

「脾胃」(消化器系)は飲食物を消化吸収して、その栄養分や水分を全身に運ぶ働きを担っています。この機能が低下すると体内に「湿(しつ)」(余分な水分、汚れ)が溜まり、吐き気や胃の膨満感などの症状が現れます。

インフルエンザでこのような胃腸症状を感じる場合は、溜まった湿を取り除き、脾の機能を整えることが大切。また、脾胃が弱っていると、体力が落ちて抵抗力も低下してしまいます。夏の胃の疲れは早めに回復させ、日頃からしっかり栄養を摂るよう心がけましょう。

摂り入れたい食材

生姜、しそ、山椒の実、もやし、八角、春雨、苦瓜、イチジク、バナナ、大豆、豚肉、かぼちゃ、山芋

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3 高齢者・慢性疾患のある「腎(じん)」の弱いタイプ

気になる症状

<普段の症状>めまい、耳鳴り、聴力の低下、健忘、脱毛、若白髪、腰痛、足腰の弱り、精力の減退、頻尿

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改善ポイント

【高齢者は体力と免疫力不足に注意】

生命のエネルギー源「精」を貯える「腎」は、広く生殖、免疫、造血などの機能を併せ持つ生命の源。慢性疾患を持つ人や高齢者は、こうした機能が衰え、抵抗力が落ちてさまざまな病気にかかりやすくなります。

インフルエンザでも重症化や合併症を招くことが多く、インフルエンザで亡くなる人の多くは65歳以上の高齢者が占めているというデータ(厚生労働省調べ)もあるので十分注意が必要です。腎を養い根本的な抵抗力を高めるよう、日頃から心がけましょう。

摂り入れたい食材

山芋、黒ごま、くるみ、松の実、クコの実、羊肉、海老、なまこ

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point!毎日の生活習慣で、インフルエンザを防ぐ

インフルエンザは、とにかく「かからない」ようにすることが大切です。
バランスの取れた食事を取る、手洗い・うがいを心がける、外出時にはマスクをするなど、日頃の生活から予防する習慣を身に付けてください。身体を冷やさないよう服装にも気を配りましょう。

<予防のポイント>
・外出後は手洗い、うがいを忘れずに。洗顔や洗髪も効果があります。
・体力をつけるよう、食事、睡眠はしっかり摂りましょう。
・新鮮な野菜をたっぷり摂ることで、ビタミンを十分にとりましょう。
・人ごみをできるだけ避け、外出時はマスクの着用を。
・ストレスは病気の元。溜めない工夫をしましょう。
・板藍根(ばんらんこん)を活用しましょう。
(板藍根は「ホソバタイセイ」というアブラナ科の植物の根。お茶として飲んだり、インフルエンザやかぜの流行る季節にうがいに使用したり、中国では風邪対策にとてもポピュラーです)

月刊誌『チャイナビュー』(イスクラ産業発行)より掲載

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この記事を監修された先生

中医学講師/菅沼 栄先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

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同じ症状でも体質が違えば
対策は人それぞれ異なります。
まずは中医学の視点から
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TYPEA

「元気不足」タイプ
気虚(ききょ)

エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?

TYPEB

「イライラ」タイプ
気滞(きたい)

気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?

TYPEC

「血液の不足」タイプ
血虚(けっきょ)

カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?

TYPED

「血液ドロドロ」タイプ
瘀血(おけつ)

全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?

TYPEE

「潤い不足」タイプ
陰虚(いんきょ)

カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?

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「ため込み」タイプ
痰湿(たんしつ)

水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?

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