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経血量月経不順や不調など知っておきたい月経のこと

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

病院に行くほどではないけれど…。そんな月経の不安や悩みを抱える人は多いのではないでしょうか?
健やかな月経は女性のキレイと元気の基本です。

そのためにこの記事では、中国の伝統医学である中医学をもとに、「経血の量」から身体の不調を知るポイントを分かりやすく説明します。

経血量の異常も「月経不順」の一つ

「月経不順」は周期の乱れのことと考えがちですが、「経血量」が多すぎる、少なすぎるといった状態も、月経不順の一つです。
正常とされる経血量は、1回の月経で50〜100cc程度(日数は5〜7日)。一般的には2〜3日目に量が多く、4日目以降は少なくなります。
また、年齢的に見ると、初潮を迎えた頃の経血は少なく、身体の成熟とともに量も十分に。その後、40歳を過ぎる頃から減っていく傾向にあります。
個人差はありますが、こうした正常範囲の目安、年齢的な変化などを大きく超えて量が多い・少ないといった場合は、月経に異常があると考えてしっかり対処しましょう。

中医学では、経血量の異常は、主に体内の「気」(エネルギー)「血(けつ)」が不足したり、巡りが悪くなったりすることで起こると考えます。また、月経と関係の深い五臓の「腎(じん)」や「肝(かん)」の機能低下が原因となることも。

女性にとって、月経は身体の状態を知るための大切なサインです。不調がある人はまず自分の体調をしっかり見直して、体質を整えるよう心がけましょう。

check!タイプ別・経血量から不調をチェック!

月経を健やかに保つ基本は、体内の「気」「血」を養い、巡りを良くすること。生理痛やPMS(月経前症候群)などの改善にもつながるので、気になる人は積極的な対策を心がけて。

1 量が多い[月経過多]1「気の不足」タイプ

気になる症状

・月経過多:経血量が顕著に多い、月経が7日以上続くこともある
・月経の状態:経血の色が淡く、さらっと薄い
・その他の症状:疲労感、倦怠感、めまい、食欲不振、お腹の張り、軟便、舌の色が淡い

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改善ポイント

経血量が多い人は、月経周期が早くなる(21日以下)ことも多いので要注意。改善せずに放っておくと、月経期間外に「不正出血」を起こしてしまうこともあります。
以前と比べて量が極端に増えたときは、子宮筋腫などの可能性もあるので早めに婦人科を受診しましょう。

体内の「気」には、「血(けつ)」を体内に留め、異常な出血を防ぐ働きがあります。そのため、気が不足すると経血を止める力も弱くなり、量が増えてしまうのです。
このタイプは、まず「脾胃(ひい)」(胃腸)つまり消化吸収の機能を元気に保つこと。栄養をしっかり摂って気を養いましょう。

摂り入れたい食材

気を養う食材:よもぎ、豆腐、卵、いんげん豆、山芋、じゃがいも、かぼちゃ など

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2 量が多い[月経過多]2「熱こもり」タイプ

気になる症状

・月経過多:経血量が顕著に多い、月経が7日以上続くこともある
・月経の状態:経血の色が濃く、粘りがある
・その他の症状:顔色が赤い、口の渇き、イライラ、便秘気味、尿が黄色い、舌の色が紅い

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改善ポイント

経血量が多い人は、月経周期が早くなる(21日以下)ことも多いので要注意。改善せずに放っておくと、月経期間外に「不正出血」を起こしてしまうこともあります。
以前と比べて量が極端に増えたときは、子宮筋腫などの可能性もあるので早めに婦人科を受診しましょう。

体内に余分な熱がこもると、「血」に熱がこもり血流が早くなります。すると、経血も流出しやすくなり、量が増えてしまうのです。イライラや怒り、脂っこい食事の摂り過ぎなどは、熱の原因となるので要注意です。

摂り入れたい食材

身体の熱を冷ます食材:苦瓜、冬瓜、たけのこ、れんこん、竹の葉、クチナシ茶 など

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3 量が多い[月経過多]3 血行不良タイプ

気になる症状

・月経過多:経血量が顕著に多い、月経が7日以上続くこともある
・月経の状態:経血に塊が多く月経痛がある、塊を排出すると月経痛が軽くなる
・その他の症状:頭痛、肩こり、しびれ、顔色の黒ずみ、舌の色が暗く斑点がある

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改善ポイント

経血量が多い人は、月経周期が早くなる(21日以下)ことも多いので要注意。改善せずに放っておくと、月経期間外に「不正出血」を起こしてしまうこともあります。
以前と比べて量が極端に増えたときは、子宮筋腫などの可能性もあるので早めに婦人科を受診しましょう。

中医学で「瘀血(おけつ)」といわれる血行不良は「月経過少」の原因にもなりますが、血流が悪化して子宮内膜などに古い「血」が停滞すると、滞った血が月経時に排出されて経血量が増えてしまうことも。
子宮筋腫などによる「月経過多」もこのタイプにあたるので、不安がある人は早めの受診を。

摂り入れたい食材

血流を良くする食材:フェンネル、よもぎ、シナモン、サフラン、にら、ねぎ など

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4 量が少ない[月経過少]1「血不足」タイプ

気になる症状

・月経過少:経血量が顕著に少ない、月経が2~3日で終わる
・月経の状態:経血の色が淡く、さらっと薄い
・その他の症状:めまい、不眠、動悸、眼精疲労、脱毛、顔色が白い、舌の色が淡い

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改善ポイント

経血量が少ない人は、月経周期も長くなる(35日以上)場合が少なくありません。こうした状態を放っておくと、「無月経」や「閉経」につながることも。
また、少ない経血がダラダラと続く場合は「無排卵月経」の可能性もあるので、早めに対処しましょう。

月経の基本となる「血」が不足していると、経血量も少なくなってしまいます。貧血、慢性的な病気、過度なダイエットなどは血不足につながるので要注意。
食事や睡眠を十分に取って、血をしっかり養いましょう。

摂り入れたい食材

血を養う食材:黒ごま、レバー、かつお、ほうれん草、なつめ、クコの実、黒糖 など

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5 量が少ない[月経過少]2「血(けつ)の冷え」タイプ

気になる症状

・月経過少:経血量が顕著に少ない、月経が2~3日で終わる
・月経の状態:経血の色が黒っぽく塊が多い、生理痛がある
・その他の症状:頭痛、肩こり、冷え、手足のしびれ、顔色の黒ずみ、舌の色が暗い

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改善ポイント

経血量が少ない人は、月経周期も長くなる(35日以上)場合が少なくありません。こうした状態を放っておくと、「無月経」や「閉経」につながることも。
また、少ない経血がダラダラと続く場合は「無排卵月経」の可能性もあるので、早めに対処しましょう。

寒さや冷房などで「血」が冷えると、血行不良を起こして経血がスムーズに排泄されず、経血量が減る、月経周期が長くなるといった不調につながります。
温かい食事や毎日の入浴などを心がけ、日頃から身体を温める習慣を。

摂り入れたい食材

温めて血行をよくする食材:紅花、よもぎ、シナモン、黒糖、しょうが、玉ねぎ など

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6 量が少ない[月経過少]3「ストレス」タイプ

気になる症状

・月経過少:経血量が顕著に少ない、月経が2~3日で終わる
・月経の状態:塊が出やすい、生理痛がある、PMS(月経前症候群)の症状が強い
・その他の症状:ため息が多い、緊張しやすい、イライラしやすい、舌に暗い斑点がある

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改善ポイント

経血量が少ない人は、月経周期も長くなる(35日以上)場合が少なくありません。こうした状態を放っておくと、「無月経」や「閉経」につながることも。
また、少ない経血がダラダラと続く場合は「無排卵月経」の可能性もあるので、早めに対処しましょう。

「肝(かん)」は「血(けつ)」を蓄え、身体に送る血量を調節しています。そのため、ストレスで肝の機能が低下すると、経血量に影響してしまうことも。
また、過度なストレスは気・血の流れを悪くするため、血行不良から経血量が減少することもあります。

摂り入れたい食材

ストレスの発散をたすける食材:ミント、ジャスミン茶、菊花茶、金針菜、黒きくらげ など

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7 量が少ない[月経過少]4「腎の虚弱」タイプ

気になる症状

・月経過少:経血量が顕著に少ない、月経が2~3日で終わる
・月経の状態:経血がさらっと薄い
・その他の症:腰痛、足腰の脱力感、かかとの痛み、めまい、物忘れ、頻尿、舌の色が淡い

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改善ポイント

経血量が少ない人は、月経周期も長くなる(35日以上)場合が少なくありません。こうした状態を放っておくと、「無月経」や「閉経」につながることも。
また、少ない経血がダラダラと続く場合は「無排卵月経」の可能性もあるので、早めに対処しましょう。

「腎」は生命エネルギーの源「精」を蓄え、生殖(月経や排卵)と深く関わる臓器。
また、腎が蓄える精は、「血」を生む源にもなります。そのため、加齢や婦人科の病気などで腎の精が不足すると、経血にも影響して量が減少してしまいます。

摂り入れたい食材

温めて血行をよくする食材:黒豆、くるみ、スッポン、山芋、えび、なまこ など

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point!暮らしの養生

●なるべく温かい飲み物・食事を摂り、冷えない工夫を。

●レバーやひじき、黒ごまなど、食材は血を養う「黒」を意識して。

●月経時は身体を冷やさない服装を。裸足は避け、腰まわりは特に温かく。

●おしゃべりを楽しんで、よく笑って!ストレス発散も大切です。

月刊誌『チャイナビュー』(イスクラ産業発行)より掲載

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この記事を監修された先生

中医学講師/菅沼 栄先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

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