漢方の知恵袋
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)
暑さに関係なく、ダラダラと汗をかいてしまう「多汗症」。ただの汗っかきと思われることも多い症状ですが、重症になると生活や仕事に支障をきたしてしまうこともあります。“汗が多いな”と感じている人は、自分の体質を見直して不快な症状を改善しましょう。
こうした症状は、汗をコントロールする働きが弱くなる“肺気不足”、潤い不足で体内に熱がこもる“ 陰虚火旺(いんきょかおう)”、過剰なストレスで湿(余分な水分や汚れ)や熱が発生する“肝鬱脾虚(かんうつひきょ)”といった不調が要因で起こると考えます。【汗の基礎知識】
一般的には“日常生活に支障をきたすほどの汗”を多汗症と捉えますが、汗の症状には個人差があります。それほど多量の発汗でなくても、自汗や盗汗が気になる人は体内に不調があるサインと考え、積極的に体質を整えましょう。
自汗(サラサラ汗)、動いていないのに汗が出る、かぜを引きやすい、疲労感、顔色が白い、舌の色が淡い
ページ下部の暮らしのポイント参照
盗汗(ベタベタ汗)、微熱、手のひらや足の裏の熱感、口や喉の渇き、便の乾燥、舌が紅く舌苔が少ない
ページ下部の暮らしのポイント参照
緊張やストレスによる発汗、憂うつ、焦燥感、動悸、不眠、緊張しやすい、口の苦み、口の粘つき、口臭、舌がやや赤い、舌苔が黄色くベタつく
ページ下部の暮らしのポイント参照
【体質を問わず、汗が多い時に摂りたい食材】
潤いと気を養う:小麦、もち米、大豆、黒豆、山芋、麩、なつめ、クコの実、桑の実 など
汗を収れんする:梅、レモン、 銀杏、蓮の実、五味子(ごみし)、酸棗仁(さんそうにん) など
熱を冷まし利水する:すいか、きゅうり、苦瓜、れんこん、とうもろこし、緑茶 など
月刊誌『チャイナビュー』(イスクラ産業発行)より掲載
この記事を監修された先生
中医学講師/菅沼 栄先生
1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
症状一覧
CHECK!
TYPEA
エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?
TYPEB
気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?
TYPEC
カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?
TYPED
全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?
TYPEE
カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?
TYPEF
水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?
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こころとカラダのこと、
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