漢方の知恵袋

咳の養生体質改善で「咳」と「喘息」を
やわらげる

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監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

なかなか止まらない咳や喘息は、慢性化すると体力を消耗し、身体全体の不調にもつながります。悪化すると肺炎や喘息などの重い症状を招くこともあるので、初期の段階でしっかり対処しましょう。

早めの対処で悪化、慢性化を防ぐ

中医学では、咳の症状を引き起こす初期の原因を大きく2つに分けて考えます。1つは身体の「冷え」。体質的な冷え性や、気候、冷房などによる寒さから起こる咳で、薄い鼻水や悪寒などを伴います。もう1つは「熱」による咳で、熱がこもりやすい体質の人、かぜやウイルスの影響で体内に熱が発生した人などに起こります。
 このほか、過剰な「ストレス」や身体に溜まった「痰湿(余分な水分や汚れ)」、体力の消耗による「虚弱」なども、症状の悪化や長期化を招く原因に。
 咳や喘息は繰り返しやすい症状です。再発を防ぐためにも原因をしっかり見極めて、根本から体質を整えましょう。

check!タイプ別・咳と喘息の養生法

咳や喘息の養生は、「肺」を健やかに保つことが基本。身体の冷えや熱、ストレスといった原因を取り除きながら、肺の機能を高めるよう心がけましょう。また、「脾胃」や「腎」の不調も肺の機能低下につながるため、自分の体質や症状を見極めながら適切に対応することが大切です。

1 早めの対処で身体の冷えを
追い払う 悪寒や頭痛を伴う
「冷えタイプ」

気になる症状
〈咳・喘息以外の主な症状〉痰の色が白または透明、悪寒、発熱、頭痛、汗は少ない、顔色が白っぽい、舌の苔が薄く白い
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改善ポイント
気候や冷房による寒さ、体質的な冷え性などで身体が冷えたときに起こる咳・喘息の初期症状。薄い鼻水や痰、悪寒、発熱などを伴います。かぜの初期に起こる咳もこのタイプで、身体が冷えると症状が悪化してしまうことも。
 初期の段階で早めに改善できるよう、まず身体をしっかり温めて冷えを追い払い、「肺」の機能を高めるよう心がけましょう。
摂り入れたい食材
体内の冷えを発散する食材を:ねぎ、しょうが、シナモン、しそ

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2 こもった熱を冷まし、
肺の機能を健やかに 発熱や発汗を伴う
「熱タイプ」

気になる症状
〈咳・喘息以外の主な症状〉呼吸が速くて荒い、汗をかく、痰の色は黄色く濃い、胸痛、口の渇き、発熱、顔色が紅い、尿の色が濃い、便秘気味、舌が紅い、舌の苔が黄色い
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改善ポイント
かぜやウイルスなどの影響で身体に熱が発生すると、「肺」が炎症を起こして咳・喘息の症状が現れます。濃い鼻水や痰、発熱、口の渇きなど熱っぽい症状を伴うことが特徴で、体質的に熱がこもりやすい人も要注意。
 養生の基本は、体内にこもった熱を冷ますこと。肺の炎症を鎮め、咳や喘息の症状をやわらげましょう。
摂り入れたい食材
体内の熱を冷ます食材を:葛、菊花、桑葉、竹の葉、ごぼう、枇杷の葉、梨、大根

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3 気分を穏やかに保ち、
気の流れをスムーズに 気の巡りが悪い
「ストレスタイプ」

気になる症状
〈咳・喘息以外の主な症状〉胸が苦しい、強いストレスを受けると発作が起こる、イライラしやすい、怒りっぽい
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改善ポイント

強いストレスなどを受けて精神が不安定になると、全身を巡る「気」の流れが悪くなって咳や喘息の症状が悪化しやすくなります。ストレスで症状が強く出る人、普段からイライラしやすい人などは、気分を穏やかに保つよう心がけることが大切。ストレスを上手に発散して、気の流れをスムーズに保ちましょう。

摂り入れたい食材
気の巡りをよくする香りの良いものを:チンピ(みかんの皮)、ハッカ、紫蘇子、ゆずの皮、花茶

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4 「脾胃」の機能を整え、
汚れの溜まらない身体に 食事の不摂生に注意
「痰湿(たんしつ)タイプ」

気になる症状
痰が多い、胸苦しい、悪心、食欲不振、舌の苔が厚い、のどがゼーゼーヒューヒューといった音がする
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改善ポイント
身体に溜まった「痰湿(体内の余分な水分や汚れ)」は、「肺」にトラブルを引き起こす原因の一つ。食事の不摂生などが原因で「脾胃(ひい)」(胃腸)の機能が低下すると、痰湿が溜まりやすくなり、咳や喘息の原因となります。
 太り気味の人、暴飲暴食などで脾胃が弱っている人などは、まず身体に溜まった痰湿を取り除き、脾胃の機能を高めるよう心がけましょう。
摂り入れたい食材
余分な水分や汚れを取り除き、気の流れをスムーズに:桔梗の根、杏仁、銀杏、くらげ、海苔

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5 「脾胃」「腎」の元気を保ち、
根本的な体力を 体力不足の
「虚弱タイプ」

気になる症状
〈咳・喘息以外の主な症状〉長期化した咳、夜間の咳が強い、息切れ、疲労感、汗が出る(自汗)、かぜを引きやすい、食欲不振、舌の色が淡い
もっと見る
改善ポイント
咳や喘息の症状が慢性化すると、身体全体が消耗してしまいます。生命エネルギーの源である「腎」や、食べ物を消化吸収する「脾胃」の機能も弱くなるため、「肺」の栄養や潤いも不足しがちになり、症状もなかなか改善できません。
 高齢者、虚弱体質の人などは、基本的な体力を養うために脾胃、腎の機能を高めることも大切。しっかり栄養を摂ることで肺にも栄養と潤いを与え、健やかな状態に整えましょう。
摂り入れたい食材
肺・脾胃・腎を補い、身体を養う食材を:白きくらげ、蜂蜜、五味子、くるみ、百合根、山芋、かぼちゃ、クコの実

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point!生活習慣の改善で“繰り返さない”カラダに

咳や喘息は繰り返しやすい症状です。一時の症状緩和だけでなく、再発しないよう体質を根本から整えることがとても大切。ストレスを溜めない、食生活を見直す、睡眠を十分とるなどして体力をつけ、健康な身体をつくるよう、生活習慣の改善を心がけましょう。

 

暮らしの養生

・空気のきれいな場所で、ゆっくりと呼吸。
・たばこの煙や排気ガスはなるべく避けて。
・こまめな掃除でほこりやカビを除去。
・ウオーキングなどの有酸素運動を続け、肺のチカラを。
・体調の良いときは、乾布摩擦も効果的。
・食事は野菜や大豆製品を積極的に。
・塩分や糖分、油っこいものの摂り過ぎには要注意。

あなたの体質タイプをチェック

PROFILE

中医学講師/監修 菅沼 栄先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)など。

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CHECK!

まずは、自分の体質タイプを
チェックしよう!あなたの体質はどのタイプ?

同じ症状でも体質が違えば
対策は人それぞれ異なります。
まずは中医学の視点から
あなたの体質タイプを知りましょう。

TYPEA

「元気不足」タイプ
気虚(ききょ)

エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?

TYPEB

「イライラ」タイプ
気滞(きたい)

気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?

TYPEC

「血液の不足」タイプ
血虚(けっきょ)

カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?

TYPED

「血液ドロドロ」タイプ
瘀血(おけつ)

全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?

TYPEE

「潤い不足」タイプ
陰虚(いんきょ)

カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?

TYPEF

「ため込み」タイプ
痰湿(たんしつ)

水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?

あなたの体質タイプをチェック

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中医学はあなたの体調・体質に合わせて、つらい症状に対処し、元気とキレイを提案します。私たちは日々様々なストレスにさらされ、気づかないうちにこころもカラダも疲れています。病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、改善されない不調がある。そんな方に、中医学の考え方をご紹介します。

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