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花粉症花粉の季節をラクに過ごすには?花粉症の症状を改善する方法

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

あなたは花粉症ですか?花粉症は毎年決まった季節につらい症状が出るので、嫌ですよね。

そして、一方で花粉症は「治らないもの」と諦めていませんか?中国の伝統医学である中医学では、体質を整えることでつらい花粉症の症状を穏やかに改善できます。

 

この記事では、中国の伝統医学である中医学をもとに、花粉症の症状を改善するための方法を分かりやすく説明します。タイプ別にご説明しますので、花粉症のどんな症状が辛いかを念頭におきながら読んでみてくださいね。

春を楽しむためにも、積極的なケアで花粉に負けない体質づくりをめざしましょう。

呼吸器系・消化器系が弱いことが花粉症を招く要因?

花粉症は、自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が花粉を連れて身体に入り込むことで起こる症状と考えます。身体の抵抗力が足りない体質の人(「気虚(ききょ)」体質と呼びます)は、風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、花粉症の症状も強く出やすいので気をつけて。

特に注意したいのは、呼吸器系が弱い「肺気虚(はいききょ)」、消化器系が弱い「脾気虚(ひききょ)」の人。「肺」の働きが弱くなると、邪気の侵入を防ぐ鼻や皮膚の防衛機能が低下します。その結果、風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、花粉症にかかりやすい状態に。また、消化器系(「脾胃」)が弱くなると水分代謝の悪化を招き、多量の鼻水、鼻づまりといった不調が起こりやすくなります。

check!花粉の季節を乗り切るタイプ別養生法

一口に花粉症といっても、中医学の考え方ではその原因によって症状や養生法もさまざま。4つのタイプの花粉症対策で、つらい季節を少しでも楽に過ごしましょう。

1 かぜに似た「寒」の花粉症

気になる症状

かぜの初期と似た症状:身体の冷え、顔色も白く、透明で水っぽい鼻水

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改善ポイント

「風寒(ふうかん)」という邪気の侵入で起こる「寒」の花粉症は、かぜの初期と似た症状が特徴。身体が冷え、顔色も白く、透明で水っぽい鼻水が出るのが特徴です。口が渇くことはありません。

 

冷えを取り除くことが大切なので、身体を温めるようにしましょう。しそ茶やシナモンティー、こぶしの花のつぼみ(辛夷:しんい)をお茶に入れたハーブティーなど、香りの良いお茶を楽しむのがおすすめです。身体を温めながら花粉を洗い流せるお風呂も効果的なので、ゆっくりお湯につかるようにしてみてください。

摂り入れたい食材

しそ茶、シナモンティー、こぶしの花のつぼみのお茶

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2 目の充血「熱」の花粉症

気になる症状

風邪の初期・中期と似た症状:顔色は赤っぽく、黄色く濃い鼻水や痰、口の渇き、目の充血、皮膚の赤み

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改善ポイント

「風熱(ふうねつ)」という邪気の侵入で起こる「熱」の花粉症は、風邪の初期・中期と似た症状が現れます。顔色は赤っぽく、黄色く濃い鼻水や痰、口の渇き、目の充血、皮膚の赤みなどの症状が特徴です。

 

熱をとる働きのあるどくだみ茶や、熱っぽさをすっきりさせるミントティー、菊花茶などを飲むようにしてみましょう。また、中医学では、「石持(いしもち)」という名の魚の頭骨内にある魚脳石※を鼻の薬として使用します。魚の身を食べても効果が期待できるので、塩焼きやムニエル、昆布じめなどをメニューに加えてみてはいかがでしょうか。

 

※魚脳石(ぎょのうせき)・・・石持(いしもち)の耳石のことで、平衡感覚器にある固形物で、聴石、平衡石などともいいます。

摂り入れたい食材

どくだみ茶、ミントティー、菊花茶、石持(いしもち)

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3 まぶたの腫れ「湿(しつ)」の花粉症

気になる症状

多量の鼻水、まぶたの強い腫れ、食欲不振、舌苔が多い

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改善ポイント

栄養分や水分を消化吸収して全身に運ぶのが「脾胃(ひい)」(胃腸)の役割。 「湿」の花粉症は、 脾胃の働きが弱くなり水分をうまく運んで消化することができず 、体内の水分バランスが偏ってしまった状態です。多量の鼻水やまぶたの強い腫れが特徴で、食欲不振や舌苔が多いといった症状も現れます。

 

過剰な水分を取り除くことが大切なので、利水効果があるハトムギ茶や菖蒲(しょうぶ)茶、びわ葉(びわの葉のお茶)を飲んだり、春雨やモヤシ(緑豆)を料理に摂り入れたりと、工夫をしてみてください。

摂り入れたい食材

ハトムギ茶、菖蒲(しょうぶ)茶、春雨、モヤシ

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4 疲れやすい「虚(きょ)」の花粉症

気になる症状

疲れやすい、倦怠感、汗が多い、かぜを引きやすい

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改善ポイント

「虚」の花粉症は、疲れやすい、倦怠感を感じる、汗が多い、かぜを引きやすい、といった症状が特徴。このタイプの花粉症は長期間にわたることが多いので、体力の消耗にも注意が必要です。憂鬱な気分になったり仕事に集中できなかったり、という状態にもなりやすいので、肺や脾胃を強くして体力を補い、なるべく症状を抑えるように心がけましょう。

 

脾胃を補い水分の巡りを良くする大豆製品(豆腐、湯葉なと)、インゲン豆、黒豆、肺を補う白キクラゲや山芋、体を補う杜仲(とちゅう)茶やクコ茶などを毎日の食事にうまく摂り入れてみてください。

摂り入れたい食材

杜仲(とちゅう)茶、大豆製品(豆腐や湯葉)、インゲン豆、山芋

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point!体質改善で花粉症は軽くなる

・症状が強く出る花粉の季節だけではなく、症状のない時も根気よく体質の改善を続けていくことが大切です。中医学の対処法では、一般的に3~4年で体質を改善することができるようです。

・肺を強くする呼吸運動

・陽気を増やす運動療法(ウォーキングなど)

・胃に優しい食事(辛いものや油っこいもの、甘いもの、乳製品を少なめに、野菜を多めにとる)

 

・ツボ療法、花粉症に効くツボ

上迎香(じょうげいこう):迎香(げいこう)から鼻にそって指一本分上。鼻詰まりを緩和します。

迎香(げいこう):小鼻の脇。鼻詰まりを緩和します。

合谷(ごうこく):差し指と親指の骨が合流する所からやや人差し指寄り。気を補う作用があります。

風池(ふうち): 後頭部下、頭を支える太い2本の筋肉のはえぎわ。鼻炎や目の症状を緩和します。

月刊誌『チャイナビュー』(イスクラ産業発行)より掲載

花粉症に効くツボはここ!

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この記事を監修された先生

中医学講師/菅沼 栄先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

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