漢方の知恵袋
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)
身の回りの家族・親戚などで認知症にならないか不安に思ったことはありませんか?もしくは将来自分が認知症になったらどうしよう、と思っている方もいるかもしれません。
できることは何もないのでしょうか?認知症にならないためにできることはあるんです。
この記事では、中国の伝統医学である中医学をもとに、脳の老化を予防する方法を分かりやすく説明します。元気な今から積極的にケアをして、いつまでもイキイキと健やかな毎日を過ごしましょう!
中医学の考えでは、認知症は上で挙げた4つのタイプに分けられます。それぞれ症状には特徴があり、効果的な予防法も異なります。自分があてはまるタイプを考えて、日頃の生活から認知症の予防を心がけましょう。
物忘れ、頭痛、顔色が暗い、手足のしびれ、舌の色が暗い
西洋医学の「脳血管性認知症」にあたるタイプ
黒いもの、辛味のあるものなどを意識して摂るようにしましょう:
昆布、わかめ、黒酢、山査子(さんざし)、小豆、黒きくらげ、ラッキョウ、黒豆、酒(少量)、にんにく、たまねぎ、セロリ
健忘、腰痛、めまい、聴力の減退、脱毛、歯が弱い、夜間の頻尿
西洋医学の「アルツハイマー型認知症」にあたるタイプ
味のしっかりしたもの、動物性のものなど、補腎の効果がある食べ物を:
きのこ類、クコの実、白きくらげ、にら、くるみ、すっぽん、黒ゴマ、松の実、うなぎ、霊芝茶
食欲不振、息切れ、疲労、不眠、健忘、風邪をひきやすい
甘みのあるもの、補う効果のあるものを中心に食材選びを:
栗、米、麦、ライチ、ぶどう、いんげん豆、にんじん、りんご、豆腐、湯葉、大豆製品
情緒の不安定、憂鬱、イライラ、胸脇脹満、不眠、悪夢、集中力の低下
香りの良いものなどでストレスを発散し、気の流れをスムーズに:
しそ、玫瑰花茶(まいかいかちゃ)、菊花茶、びわ、はと麦、どくだみ、冬瓜、トマト、きゅうり、みかん、緑豆
この記事を監修された先生
中医学講師/菅沼 栄先生
1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
症状一覧
CHECK!
TYPEA
エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?
TYPEB
気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?
TYPEC
カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?
TYPED
全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?
TYPEE
カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?
TYPEF
水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?
ABOUT
こころとカラダのこと、
ちゃんと知りたい
中医学はあなたの体調・体質に合わせて、つらい症状に対処し、元気とキレイを提案します。私たちは日々様々なストレスにさらされ、気づかないうちにこころもカラダも疲れています。病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、改善されない不調がある。そんな方に、中医学の考え方をご紹介します。