漢方の知恵袋

高血圧高血圧の漢方養生

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監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

「高血圧」は、病気を引き起こす可能性が高い「未病(みびょう)」の状態です。放っておくと深刻な病気につながる恐れもあるので油断は禁物。未病を治す中医学の知恵を活かし、積極的に対処しましょう。

食の不摂生やストレスが「高血圧」の要因に

中医学では、高血圧の原因の多くは「瘀血(おけつ)」(ドロドロ血の血行不良)によるものと考えます。また、血液を送り出す「心(しん)」の不調、心の働きと深く関わっている「肝(かん)」「腎(じん)」の機能の低下なども、高血圧を招く要因に。

こうした不調には、ストレスや喫煙、肥満、運動不足、塩分やコレステロールの高い食事といった、生活習慣の不摂生が大きく関係しています。特に食生活は、瘀血や高血圧と密接に関わる大切なポイント。サラサラ血で血流をスムーズに保ち、血圧を安定させるためにも、まずは生活習慣をしっかり見直すことが大切です。

check!タイプ別・高血圧の食養生

高血圧を予防、改善するためにもっとも大切なのが日常の食事。高血圧にも体質によってさまざまなタイプがあるので、それぞれにあった食養生を心がけましょう。

1 「最大血圧」が高い 「ストレス」タイプ

気になる症状
頭痛、めまい、耳鳴り、顔の紅潮、ほてり、イライラ、口が渇く、舌の色が赤く舌苔が黄色い
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改善ポイント

このタイプの高血圧は「肝(かん)」がポイントです。肝は血液の貯蔵庫であり、血液の流れや新陳代謝をコントロールする臓腑。この肝の血(陰)と気(陽)のバランスが保たれていると、新陳代謝もスムーズで情緒も安定します。

しかし、怒りや憂鬱など精神的なストレスが溜まると、肝の血(けつ)を消耗し、陽気が過剰に上昇。陰陽のバランスが崩れ、血圧も上昇するのです。

顔の赤みや熱っぽさが特徴なので、肝の熱を冷ますことで症状を改善しましょう。また、このタイプは怒りやイライラで一時的に血圧が大きく上昇することもあるので、血圧を下げる中成薬を併用すると安心です。

摂り入れたい食材
熱を取る「苦味」、熱を冷ます「涼性」の食べ物を、意識して取り入れるようにしましょう。
菊花茶、セロリ、もやし、春雨、きゅうり、トマト、苦瓜、すいか、羅布麻茶、柿の葉茶、ひまわりの葉と花、はぶ茶、緑茶

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2 「最小血圧」が高い 「血行不良」タイプ

気になる症状
頭痛、頭重、めまい、物忘れ、胸悶・胸痛、顔色が悪い、手足がしびれる、むくみ、舌の色が暗い、瘀斑、瘀点
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改善ポイント

血液が汚れて(例えばコレステロール、中性脂肪が高い)ドロドロになり血液の循環が滞る、血管の内壁に汚れが溜まって血栓ができる、といった血行障害を中医学では「瘀血(おけつ)」といいます。瘀血が主な原因となる高血圧は、慢性的な血管疾患のため血管が徐々に硬くなり、さらに血行が悪くなる心配も。できるだけ血行を良くし、血管の若さを保つことで、動脈硬化や高脂血症、狭心症といった病気を防ぎましょう。

また瘀血が発生すると、血と一緒に流れている「水(すい)」も停滞してしまいます。水が停滞すると、「痰湿(たんしつ)」(体内の余分な脂肪や水分)と呼ばれる病理的な物質が体内に発生し、血行をますます悪くする恐れがあります。

摂り入れたい食材
海藻類は、血液の汚れを掃除して血管をやわらかくする効果があります。
わかめ、昆布、海草、くらげ、ひじき、鰹節、とうもろこしの鬚茶、黒きくらげ

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3 慢性、高齢の人 [エネルギー不足」タイプ

気になる症状
息切れ、疲労感、動悸、耳鳴り、めまい、物忘れ、睡眠障害、腰痛、夜間の頻尿、舌の色が淡い
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改善ポイント

加齢とともに増える高血圧症。高齢の人、慢性化している人の高血圧は、体力不足にも配慮が必要です。血液を運ぶ気(エネルギー)が不足すると血液の流れが滞り、動脈硬化が進み高血圧につながるのです。

このタイプの高血圧は、エネルギーの源を生む「腎(じん)」がポイント。腎の機能が低下してエネルギー不足になってしまうため、腎を補うことが大切です。

摂り入れたい食材
腎を補う食べ物を多く取り入れて、エネルギーを養いましょう。
枸杞の実、なつめ、杜仲茶、バナナ、干し柿、りんご、胡麻、納豆、豆腐

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point!毎日の意識と工夫で生活習慣の改善を

上がった血圧を薬で一時的に下げることはできますが、それでは根本的な高血圧の改善にはつながりません。まずは高血圧を予防・改善するよう、生活習慣を変えていくことが大切です。 

毎日の食事では、塩分はなるべく控え、薄味を心がけましょう。焼き魚や和え物にも酢の酸味を上手に使ってみてください。また、加工食品はあまり使わず、新鮮な食材をとるようにしましょう。毎日のお酒も控え目(1日1合程度)に。 

ラジオ体操やウォーキング、太極拳といった有酸素運動も効果的です。お風呂は「ぬるめのお湯に10分程度」を目安にしてください。またお風呂での事故も多いので、風呂場と脱衣所の温度差には注意しましょう。 

そのほか、ストレス解消のために趣味を持つ、安定した睡眠をとる、食物繊維の多い野菜やヨーグルトなどを食べて排便を良くする、など無理なく実践できる養生法はたくさんあります。毎日の生活から高血圧を予防・改善するよう、ちょっとした意識と工夫を心がけてみてください。

 

〈高血圧予防におすすめのツボ〉

風池(ふうち)=首の付根。後頭骨の下のくぼみのところ

曲池(きょくち)=ひじを曲げた時にできる、シワの終わるところ

大衝(たいしょう)=足の親指と第二指の骨の接合点から足首に向かって約3センチのところ

高血圧予防におすすめのツボ

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PROFILE

中医学講師/監修 菅沼 栄先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)など。

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CHECK!

まずは、自分の体質タイプを
チェックしよう!あなたの体質はどのタイプ?

同じ症状でも体質が違えば
対策は人それぞれ異なります。
まずは中医学の視点から
あなたの体質タイプを知りましょう。

TYPEA

「元気不足」タイプ
気虚(ききょ)

エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?

TYPEB

「イライラ」タイプ
気滞(きたい)

気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?

TYPEC

「血液の不足」タイプ
血虚(けっきょ)

カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?

TYPED

「血液ドロドロ」タイプ
瘀血(おけつ)

全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?

TYPEE

「潤い不足」タイプ
陰虚(いんきょ)

カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?

TYPEF

「ため込み」タイプ
痰湿(たんしつ)

水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?

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