監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★☆☆】鯖は血の巡りを良くし、記憶力・視力の低下や疲労回復に役立ちます
さば 温性/甘味 活血補血、体力回復、老化防止 など
鯖は泳ぐ速度が速く、その様子をイメージしたかのように活血(血の巡り)作用が強い温性の食材です。鯖は中医学的に補気(エネルギー不足を養う)、補血(血を補う)、活血、明目(視力を高める)働きを持っています。栄養学的には鯖に含まれるEPAは血管を拡張し、血液凝固予防におすすめです。また、DHAは脳細胞、特に脳の神経伝導とシナプスの成長と発達には非常に重要で、認知症予防に役立ちます。
参考:《中国薬用動物誌》
しめ鯖とたまねぎのサンド
RECIPE
健康でしなやかな血管は血液をスムーズに流し、全身に酸素と栄養をめぐらせます。血管が老化するとメタボリック症候群をはじめ、心脳血管疾患、頭痛、関節痛、認知症や癌のリスクが高くなったり、万病の引き金となります。
この時期、夏の暑さから体内の水分不足で血がドロドロになったり(津燥血瘀)、夏疲れ(気虚)を招きやすくなります。更に、9月白露の頃になると昼は暑く、夜は涼しく気温差で自律神経が乱れ気血の巡りが滞り(気滞血瘀)やすくなります。そんな時におすすめなのが、しめ鯖と玉ねぎのサンドイッチです。しめ鯖は栄養学的に高たんぱく質、低脂肪で、EPAやDHA、オメガ3、ビタミンDが豊富です。酢でしめると一層血行をよくし、酸化防止にもなります。玉ねぎと組み合わせることでさらに血行を促し、一緒に紫蘇をサンドすれば消化促進、風邪対策も図れます。鯖は鮮度が落ちやすいので保存状態に気をつけましょう。古くなったものはアレルギー物質を多く含むのでアレルギー体質の方は食さないようにしてください。
調理時間20分
材料
※調理時間にたまねぎの漬け置き時間、ギーの作成時間は含みません。
しめ鯖・・・・・・・・・・・・大1尾
食パン・・・・・・・・・・・・4枚(8枚切り)
赤たまねぎ・・・・・・・・100g
酢・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
ギー・・・・・・・・・・・・・・大匙2
(※バター 大さじ2強で作る)
紫蘇・・・・・・・・・・・・・・8枚
マスタード・・・・・・・・小さじ1/2
塩・・・・・・・・・・・・・・・・少々
胡椒・・・・・・・・・・・・・・少々
COOKING
- 1玉ねぎを千切りにして酢に1時間ほど漬けておく。
- 2①を軽く絞り、塩、胡椒、マスタードを混ぜ合わせる。
- 3鯖を食べやすい大きさに4等分に分ける。
- 4トースターでパンを軽く焼き、裏面にギーを塗る。
- 5④ラップを敷き、パン、紫蘇、玉ねぎ、しめ鯖、たまねぎ、紫蘇、パンを重ねて、軽く押して、サンドイッチを作り縦半分に切る。
料理のポイント
- point! 血行促進と消化促進の両方の働きを生かすため、ギー(インドのバターオイル)、もしくはMCTオイルを使うことをお勧めします。(血行促進のみはオリーブオイルでも可)
- point! 【ギーの簡単レシピ】無塩バターを鍋に入れ少しずつ弱火で溶かすと泡が出始めます。かき混ぜず、泡が大きくなり、バチバチと音が出て、鍋底が茶色に見えてきたら火を止めて漉します。
- point! マスタードの代わりに練りからしを使っても美味しく作れます。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。