めざせ!「五行美人」~五行のタイプ別ケア~ - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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めざせ!「五行美人」
~五行のタイプ別ケア~

2018.03.06 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.23(2)

前回の「めざせ!「五行美人」~五行で知る、自分の性質・体質~」で、五行(木・火・土・金・水)で知る人の性質や体質についてご紹介しました。自分の五行タイプを知ることは、体質や体調に合った効果的なケアをする上でとても役立ちます。
今回は、五行タイプそれぞれに応じた中医学の美容・健康法をアドバイスします。日頃のケアに積極的に摂り入れてみましょう。
ご自身の五行タイプは、前回の「めざせ!「五行美人」~五行で知る、自分の性質・体質~」ぜひチェックしてみてください。
五行のタイプ別ケアは、下の図が基本となります。
基本のケアは、それぞれに割り当てられた臓器を中心に。また、細い矢印で示した「相克(そうこく)」の関係にある臓器(例:肝の場合は脾)をサポートすることもポイントです。

【木タイプ】「肝」のケア

【基本のケア】
五行の「木」に当てはまる臓器は「肝(かん)」(肝臓)。肝はストレスに弱く、過剰なストレスを受けると体内の「気」(エネルギー)の巡りが停滞してしまうので気をつけて。
ヨガやストレッチで身体をほぐす、睡眠をしっかり摂る、アロマで気持ちを癒すなど、ストレスを上手に発散しながら、リラックスして過ごすよう心がけてください。食事は炭水化物や油を控え、野菜や果物を多めに摂りましょう。
☆積極的にケアしたい季節は「春」(2月5日〜5月5日頃)
【サポートケア】
「肝」と相克関係にあるのは「脾胃(ひい)」(胃腸)なので、木タイプの人は胃腸トラブルにも注意して。胃腸は冷えに弱いので、飲食は温かいものを摂るよう心がけましょう。胃腸を養う「甘み」のある食材も積極的に。
【おすすめ食材】
・香りのある食材を多く摂り、肝の働きを整える:
セロリ、しその葉、ミント、みかん、グレープフルーツ、酢、菊花茶、ジャスミン茶 など
・脾胃を養う:
山芋、豆腐、豆類、かぼちゃ、にんじん、しょうが など
【こんな不調に気をつけて】
・肌トラブル:
ニキビ、毛穴が目立つ、シミが出やすい、オイリー肌・混合肌、脂漏性皮膚炎
・身体の不調:
目の疲れ・充血、顔ののぼせ、手足の冷え、イライラ・憂うつ、便秘気味、胸や腹部の張り、舌の両側が赤い
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【火タイプ】「心」のケア

【基本のケア】
五行の「火」に当てはまる臓器は「心(しん)」(心臓)。身体に余分な熱がこもりやすく、精神的に不安定になりやすいことが弱点です。また、舌の先端部が赤くなるのも特徴のひとつ。
気持ちが高ぶった時はゆっくりと深呼吸をする、ウオーキングや水泳で身体を動かす、入浴でリラックスするなど、日頃から精神を穏やかに保つよう心がけてください。また、心の働きを守るためには、血流をスムーズに保つことも大切。食生活では、身体の熱を冷ます食材、血液をサラサラにする食材を積極的に摂りましょう。
☆積極的にケアしたい季節は「夏」(5月6日〜8月23日頃)
【サポートケア】
「心」と相克関係にあるのは「肺」なので、火タイプの人は呼吸器系の不調が起こりやすくなることも。肺は乾燥に弱いので、潤いの多い食材も意識して摂りましょう。
【おすすめ食材】
・苦味や赤い食材を多く摂り、心の働きを整える:
柿、トマト、小豆、苦瓜、百合根、小麦、青魚、海藻類、緑茶、どくだみ茶、薔薇茶、ハイビスカス など
・肺を潤す:
白きくらげ、大根、銀杏、梨、バナナ、氷砂糖、はちみつ など
【こんな不調に気をつけて】
・肌トラブル:
肌の赤み、シミ、くすみ、肌荒れしやすい、オイリーと乾燥の混合肌
・身体の不調:
動悸・不整脈、息切れ、不安感・心配性、不眠・多夢、口内炎ができやすい、舌の先が赤い
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【土タイプ】「胃腸」のケア

【基本のケア】
五行の「土」に当てはまる臓器は「脾胃(ひい)」(胃腸)。消化不良や食欲不振といった胃腸トラブルを起こしやすいことが特徴です。
このタイプは体力がなく、慢性的な疲労や倦怠感に悩まされがちに。胃腸は冷えや湿気に弱いので、冷たい飲食物、水分の摂り過ぎなどに注意して、元気な胃腸でしっかり栄養を摂るよう心がけましょう。半身浴で汗をかき、デトックスするのもおすすめです。
☆積極的にケアしたい季節は「夏」(5月6日〜8月7日頃)
【サポートケア】
「脾胃」と相克関係にあるのは「腎」なので、土タイプの人は泌尿器系の不調、むくみなどにも気をつけて。過剰な水分は腎の負担になるので、食事には利水作用のあるものも摂り入れましょう。
【おすすめ食材】
・自然な甘味のある食材を多く摂り、胃腸を元気にする:
米、山芋、じゃがいも、大豆、にんじん、りんご、鶏肉、鮭、麦茶、玄米茶、甘酒、ジンジャーエール、適量の珈琲 など
・腎を養う:
羊肉、豚肉、にら、くるみ、あわび など
【こんな不調に気をつけて】
・肌トラブル:
ハリがない、弾力がない、目の下のたるみ、オイリー肌傾向、赤みのある皮膚炎(ジュクジュクしやすい)
・身体の不調:
疲労感・倦怠感、四肢の筋力不足、疲れると足がむくむ、消化不良・口臭、睡眠が浅い・多夢、舌苔が白く厚い
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【金タイプ】「肺」のケア

【基本のケア】
五行の「金」に当てはまる臓器は「肺」。呼吸器系のトラブルを起こしやすく、免疫力が落ちやすいので注意が必要です。
肺は乾いた状態に弱いので、体内が乾燥しないよう日頃の食事でしっかり潤いを養いましょう。身体の水分が保たれていれば、肌も潤ってバリア機能もアップ。アトピー性皮膚炎や乾燥肌などのトラブル予防にもつながります。食べ物は、スナックやナッツ類など乾燥したものを控えることがポイント。歌を唄うなど、声を出すことも肺の強化につながります。
☆積極的にケアしたい季節は「秋」(8月8日〜11月7日頃)
【サポートケア】
「肺」と相克関係にあるのは「肝」なので、金タイプの人はイライラやストレスに悩まされることも。イライラするときに空咳が出やすい。日常のストレスはこまめに発散して、気持ちをリラックスさせるよう心がけましょう。
【おすすめ食材】
・白い食材や果物を多く摂り、肺を潤す:
白きくらげ、梨、松の実、銀杏、れんこん、百合根、はちみつ、柚子茶、豆乳、牛乳 など
・肝の働きを整える:
みかん、りんご、梅干し、トマト、酢 など
【こんな不調に気をつけて】
・肌トラブル:
シワができやすい、ツヤがない、ニキビ・肌荒れ、乾燥肌・敏感肌、乾燥による肌のかゆみ(乾燥性掻痒症(かんそうせいそうようしょう))
・身体の不調:
呼吸器が弱い、かぜを引きやすい、疲れやすい、のどや口が渇く、空咳が出やすい、舌の色が淡い
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【水タイプ】「腎」のケア

【基本のケア】
五行の「水」に当てはまる臓器は「腎」(腎臓)。泌尿器系のトラブルを招きやすく、むくみやすいことが特徴です。
腎は冷えに弱いので、季節を問わず身体を温めることを意識して。薄着、冷たい飲食などは避け、腎に近い腰回りは特にしっかり温めるようにしましょう。日常生活では、ウオーキングやマラソンなどの有酸素運動を習慣にするのもおすすめ。食事は塩分控えめを心がけ、ミネラル豊富な海藻類や貝類、利水作用のある食材を積極的に摂りましょう。
腎を健やかに保つことはアンチエイジングにもつながるので、美肌を保つためにもぜひ積極的なケアを心がけてください。
☆積極的にケアしたい季節は「冬」(11月8日〜3月4日頃)
【サポートケア】
「腎」と相克関係にあるのは「心」なので、水タイプの人は不安感、臆病・恐怖心を感じることが多く、不眠といった精神的なトラブルを感じることも。身体を温め、血流を良くして心の働きを守ることも意識しましょう。
【おすすめ食材】
・黒い食材を多く摂り、腎を養う:
スイカ、五行草、貝類、海藻類、黒豆、黒ごま、くるみ、えび、ニラ、豆腐、大豆、納豆、プーアール茶、黒茶、黒豆茶 など
・心の働きを整える:
なつめ、玉子、百合根、真珠粉、レタス、らっきょう、いわし など
【こんな不調に気をつけて】
・肌トラブル:
目の下のクマ、肌に色ムラがある、たるみが気になる、オイリーと乾燥の混合肌、湿疹跡(しっしんあと)などのような色素沈着や皮膚が厚く、硬くなる苔癬化(たいせんか)
・身体の不調:
腰痛・関節痛、冷え性、夜間頻尿、生理不順・経血の量が少ない、妊娠しにくい、脱毛・白髪、舌が肥大して黒っぽい
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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など