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検査で異常なし…でもつらい。原因のはっきりしない不調に寄り添う「中医学」の考え方

2026.08.04 UPDATE

不安そうにスマートフォンを見る女性

監修:佐々木 絵理子(薬剤師)

漢方薬剤師の無理しない養生ラボVol.4

なんとなく不調が続いている。頭が重い、体がだるい、眠りが浅い、食欲不振……。気になって検査を受けて、「特に異常はありませんね」と言われると、少し安心する一方で、「では、このつらさは何なのだろう」と戸惑ってしまう方も少なくありません。

今回は、中医学の根幹にある考え方をご紹介しながら、原因のはっきりしない不調をどう捉え、どう向き合えばよいのか、薬剤師の佐々木がお伝えします。

不安な女性

検査結果と日々の体調、どちらにも目を向けて

検査で明らかな異常が見つからなかったことは、ひとつの安心材料になります。検査は、疑われる病気や体の異常を調べ、必要な治療につなげるために大切なものです。
一方、今の心身の状態は、眠りや食欲、便通、疲れやすさ、冷え、気分の変化など、日常のさまざまなところにも現れます。中医学では、こうした一つひとつの変化を、自分の状態を知るための大切な手がかりとして捉えます。これは、心身の変化に早めに目を向け、健やかな状態を保つために日々の過ごし方を整える「未病(みびょう)」の考え方にもつながります。
もちろん、症状が強い場合や急に悪化した場合、これまでにない症状が現れた場合には、医療機関を受診することが大切です。そのうえで、日々の体調を見つめ、心身を整えるヒントとして中医学の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

心身と自然をひとつながりに見る「整体観」

中医学には、体の各部分や心と体、さらに人と自然は、互いに影響し合っているという「整体観(せいたいかん)」の考え方があります。

たとえば、「胃の不調は胃だけの問題」「眠れないのは睡眠だけの問題」と切り分けるのではなく、食欲や便通、疲れやすさ、冷えやほてり、感情などにも目を向け、心身全体のつながりから不調の背景を考えます。

また、私たちの体は、季節や気候など、自然環境の変化からも影響を受けています。「雨の日は頭が痛くなりやすい」「湿度が高いと、むくみやだるさを感じやすい」などの体調の変化を感じたことのある方も、多いのではないでしょうか。

このように、心身全体を見ることや、人と自然環境とのつながりから不調を捉えることは、原因のはっきりしないつらさを整理する手がかりになるのです。

心と体は互いに影響し合っている

また中医学では、心と体はひとつであるという「形神合一(けいしんごういつ)」の考え方も大切にしています。心配事や緊張、ストレスが続くと、食欲が落ちたり、胃が重くなったり、眠れなくなったりすることがありませんか。反対に、体調不良が長引くことで、気持ちが沈んだり、不安が強くなったりすることもあるでしょう。中医学では、こうした状態を「心の問題」「体の問題」と別々に捉えるのではなく、同じ心身に起きている変化として捉えます。

中医学の知恵を知ることが、不安をやわらげる助けに

検査で異常が見つからないまま不調が続くと、「このつらさを分かってもらえない」「自分が気にしすぎているだけなのでは」と、不安を感じることもあるでしょう。

そんな方にはぜひ、「中医学」の世界を少しのぞいてみてほしいと思うのです。不調を心と体からのサインとして受け止め、「今の私はどんな状態なのだろう」と見つめてみること。それは、自分をいたわり、心身を整えるセルフケアの大切な一歩になるはずです。

スマートフォンを片手に前向きな表情の女性

一人で迷ったときは、中医学の専門家へ

ただ、自分自身のことは、意外と分かりにくいものです。情報を集めれば集めるほど、「私の不調の原因は何なのだろう」と迷ってしまうこともあるでしょう。そんなときは、中医学に詳しい専門家を頼ってみてください。漢方薬局・薬店では、現在の症状だけでなく、睡眠、食欲、便通、冷えやほてり、生活習慣などについてもお話を伺い、体の状態を一緒に整理していきます。「相談するほどのことではないかも」と思うような小さな不調でも構いません。気軽に専門家の力を借りながら、自分に合った心身の整え方を見つけていきましょう。

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この記事を監修された先生

薬剤師佐々木 絵理子

薬剤師。国際中医薬膳師。
富山医科薬科大学(現・富山大学)薬学部卒業。調剤薬局や大学病院で薬剤師として勤務する中で、養生の重要性を広く伝えたいという想いがうまれ、イスクラ中医薬研修塾に入塾。現在はイスクラ産業株式会社 中成薬事業本部広報課に所属し、中医学情報サイト「COCOKARA中医学」の運営やSNSを通じて、健康維持に役立つ養生法などを発信している。