監修:張 成龍(中医学講師)
毎日ていねいにスキンケアをしているのに、肌のくすみや乾燥が気になる……。そんなときは、体の内側に原因があるのかもしれません。中医学では、美しい肌は「陰陽」のバランスによって保たれると考えます。今回は、陰陽の視点から肌タイプをチェックし、体の中から美肌を育てるケア方法をご紹介します。
人の体の「陰陽」って?
「陰陽」は中医学の基本となる考え方。自然界のあらゆるものは「陰」と「陽」二つの性質で成り立ち、互いに支え合いながらバランスを保っていると考えます。
人の体にも、同じように陰陽があります。この陰陽バランスが整っていることが健康の基本であり、肌の美しさにも深く関わっているのです。
<陰陽にあたる要素と肌の関係>
• 陽:活動、熱、外向き、気(エネルギー)… 肌の新陳代謝、血色の良さ
• 陰:休息、冷、内向き、津液(水分)、血… 肌の潤い、ハリ
ハリと潤い。陰陽バランスが美肌のカギに
肌と陰陽の関係をみてみると、いきいきとした血色の良い肌を支えるのは「陽」の力です。これは、体内の「陽気」(体を温めるエネルギー)が肌の新陳代謝や血流を促すため。一方、みずみずしく潤いのある肌には、「津液」(潤い)や「血」(栄養)などの「陰」の力が欠かせません。この陰陽がバランスよく保たれた状態が、“健やかで美しい肌”の基本となるのです。
ところが、現代の生活では、忙しさや過労で「陽」を消耗しがちに。また、睡眠不足やストレスなどから「陰」も消耗しやすくなっています。こうした陰陽の乱れに気づき、日々のケアでバランスを整えていくことが、健やかな美肌づくりのカギとなるのです。
くすみ肌?カサカサ肌?体質ケアで陰陽バランスを整える
陰陽バランスの崩れでよくみられるのは、「陽」が足りないくすみ肌、「陰」が足りないカサカサ肌。気になる不調があれば積極的に体質を改善し、陰陽バランスの整った健やか美肌を目指しましょう。
エネルギーが足りない「陽虚」タイプ
体内の陽気が不足して、活動を支えるエネルギーや、体を温める力が弱いタイプ。新陳代謝が落ち、血流も悪くなるため、肌がくすんで疲れた印象になりがちです。
[気になる症状]
□ 肌がくすんで透明感がない
□ 血行不良
□ 手足や腰の冷え
□ 顔色が青白い
□ 疲れやすい
□ やる気が出ない
[ケアのポイント 〜温める〜]
● 陽気を補う:陽気の元となる気を養い、体を温める食材を積極的に摂りましょう。山芋、にんじん、ごぼう、かぼちゃ、黒豆、黒ごま、ねぎ、しょうが、にら、山椒、シナモン、桃、ライチ、紅茶などがおすすめです。
● 冷えを防ぐ:冷たいものは控え、温かい飲食を基本に。入浴(湯船につかる)、腹巻きやカイロ、適度な運動、マッサージなども、冷えを防いで陽気を守るポイントです。
潤い不足の「陰虚」タイプ
体の潤いが足りないタイプ。潤い不足で体をうまく冷やせず、のぼせやイライラなども目立つように。肌は乾燥してシワができやすく、ストレスによる肌トラブルも起こりやすくなります。
[気になる症状]
□ 肌の乾燥、シワ
□ のどが渇きやすい
□ ほてり、のぼせ
□ イライラしやすい
□ 寝つきが悪い
□ 便秘気味
[ケアのポイント 〜潤す・静める〜]
● 潤いを養う:体を潤す食材を積極的に。刺激物(辛いもの、コーヒーなど)は潤いを奪うので、摂り過ぎに気をつけましょう。食材は、大根、れんこん、百合根、白きくらげ、梨、りんご、はちみつ、豆乳などがおすすめです。
● 熱を静める:激しい運動は熱を生むので、ヨガや散歩など静かな運動を。イライラを静め、潤いを守るためにも、十分な睡眠を取るよう心がけましょう。
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この記事を監修された先生
中医学講師張 成龍
張 成龍(ちょう せいりゅう)中医学講師。鍼灸師。中国・遼寧中医薬大学 国医堂にて、叢法滋、陳以国ら名医・名師のもとで6年間研鑽を積み、鍼灸および内科領域における高度な臨床技術を習得。中国では鍼灸内科を中心に、循環器内科・皮膚科・糖尿病内科・リウマチ内科・腫瘍内科など多岐にわたる診療科にて従事。北京紫禁城国医館では総合診療も経験。2017年に来日後は、「イスクラ産業株式会社」および「イスクラ中医鍼灸院」にて臨床と研究を継続し、日本における中医学の発展に寄与している。日本にて鍼灸師取得。
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