“美白ケア”はカラダの中から! 〜体質改善で健やか美肌に〜 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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“美白ケア”はカラダの中から!
〜体質改善で健やか美肌に〜

2023.09.05 UPDATE

監修:楊 紅娜(中医学講師)

楊紅娜先生のBeauty & Relax Vol.10

透明感のある色白肌は多くの女性の憧れ。日々のスキンケアに、美白効果のある化粧品などを愛用する人も多いのではないでしょうか。そんな人にぜひ知ってほしいのが、体の中から“健康美肌”を目指す中医学の美白ケア。夏の紫外線ダメージが残る秋は、美白ケアのがんばりどきです。この機会にしっかり体質を整えて、明るく健やかな肌づくりを目指しましょう。

くすみやシミのない“健やか美白肌”に

中医学では、“肌は内臓の鏡”といわれます。これは、体内の臓器が正常に働き、「気(エネルギー)」「血」「津液(潤い)」がバランス良く保たれることで、肌も健やかに整うということ。反対に、臓器の働きが悪くなったり、気・血・津液(しんえき)のバランスが乱れたりすると、シミやシワ、乾燥、くすみなどの肌トラブルが現れるようになります。こうした基本から、中医学では単に“色の白さ”を目指すことを美白とはしていません。血色が良く、潤いとハリ・ツヤのある肌、くすみやシミ、過剰なシワのない肌を“健やか美白肌”と考え、体質からケアすることを大切にしています。

肌質別の美白ケア 〜美白が必要な肌と体質改善法〜

潤いがなく黄色い肌色(萎黄)→ 原因「脾胃の虚弱」
「脾胃(胃腸)」の働きが弱く、肌の栄養や潤いとなる気・血・津液を十分に生み出せない状態。乾燥しがちでハリも失われ、元気のない肌になります。養生の基本は、弱った脾胃を回復させ、気・血・津液を養うこと。脾胃の負担になる冷たい飲食、食べ過ぎなどは控え、栄養をしっかり取るよう心がけましょう。
【気になる症状】
食欲不振、食後の膨満感、疲労感、倦怠感、やせ気味、軟便、下痢
【おすすめ食材】
山芋、きのこ類、大豆製品、キャベツ、はと麦、竜眼肉、棗 など
【薬膳レシピ】:蓮子竜眼湯
水500mlに蓮子30g、芡実30g、薏苡仁50g、竜眼肉8gを加え、火にかける。沸騰したら弱火で1時間ほど煮込み、仕上げに蜂蜜を。
【おすすめのツボ】
足三里、膻中、気海、中脘
●艶がなく暗い肌色(晦暗)→ 原因「腎の虚弱」
「腎」は生命活動の根源となる臓器で、体の老化とも深く関わっています。また、体全体の潤いの根も、腎が支えています。そのため、腎の働きが弱くなると肌も老化や乾燥が進み、艶のない暗い肌質に。腎は加齢とともに自然と衰えていくため、40代を目安に積極的なケアを心がけることが大切です。
【気になる症状】
白髪や抜け毛が多い、疲れやすい、冷えやすい、めまい、足腰のだるさ・痛み
【おすすめ食材】
にら、えび、羊肉、シナモン、ごぼう など
【薬膳レシピ】:胡桃仁豌豆泥
豌豆750gを茹でて潰し、蓮根粉、砂糖、熱湯を加えてペースト状に。そこに、粉末状にした無塩のローストくるみ60gを振りかける。
【おすすめのツボ】
命門、腎兪、関元、神闕
●シミ(肝斑)→ 原因1「気の停滞」が原因
過剰なストレスなどで「肝」がダメージを受けると、「気(エネルギー)」の巡りが停滞します。気は「血」と一緒に体を巡っているため、気が滞ると血の巡りも悪化しがちに。その結果、肌にシミが現れるようになります。このタイプは、日頃のストレスをこまめに解消して、肝に負担をかけないことが大切。気持ちをリラックスさせて、気・血の巡りをスムーズに保ちましょう。
【気になる症状】
イライラ、怒りっぽい、脇腹や肋骨部の張り・痛み、月経不順
【おすすめ食材】
柑橘類、玫瑰花、仏手柑、大根、パクチー、玉ねぎ、生麦芽 など
【薬膳メニュー】:玫瑰花茶
【おすすめのツボ】
太衝、期門、肝兪
●シミ(肝斑)→ 原因2「湿の停滞」が原因
「脾胃(胃腸)」の働きが弱っていると、水分代謝も落ちて体内に「湿(余分な水分や汚れ)」が溜まりがちに。湿はベタベタとして停滞しやすいため、これが肌にも影響してシミが現れるようになります。このタイプは食べ過ぎ飲み過ぎで脾胃に負担をかけていることも多いので、食生活を整えることを意識して。バランスの良い食事、温かい飲食などを心がけ、脾胃の働きを良くしましょう。
【気になる症状】
体がだる重い、むくみ、食欲不振、軟便・下痢、おりものが多い
【おすすめ食材】
はと麦、粟、玄米、緑豆、小豆、荷葉、山査子 など
【薬膳メニュー】:はと麦といんげん豆のお粥
【おすすめのツボ】
足三里、豊隆、水分、陰陵泉
●シミ(肝斑)→ 原因3「腎精の不足」が原因
「腎」は生命エネルギーの源「精」を蓄えています。精は加齢とともに自然と減少していくため、その影響で体にはさまざまな老化症状が現れるように。その一つとして、肌に現れるようになります。不足した腎精を補うためには、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることが大切。元気な体を維持することで、老化症状を緩やかにしましょう。
【気になる症状】
顔色に艶がない、白髪や抜け毛が多い、疲れやすい、めまい、足腰のだるさ・痛み
【おすすめ食材】
枸杞の実、黒ごま、黒きくらげ、昆布、根菜類、マルベリー など
【薬膳メニュー】:すっぽんのスープ
【おすすめのツボ】
太谿、志室、腎兪

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 紅娜

楊紅娜(よう こうな)中医学講師。 登録販売者。鍼灸師。 2006年遼寧中医薬大学修士号取得。 2006年~2016年、大連市にて精神科臨床医として10年間勤務。 「中国摂食障害の防治指南」の編集委員担当。 2016年来日。日本にて登録販売者、鍼灸師取得。