監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★★☆】
あなごは、気力と血を補う滋養食材です
あなご 平性・温性/甘味 気血を補う、筋力・視力維持のサポート など
あなごは、中国の本草書『日華子諸家本草』(10世紀頃)において、海にすむ鰻類として『海鰻』の名で記載が見られます。「河鰻」(うなぎ)に対し、同様の効能を持ちながらも脂が少なく、滋養作用は穏やかで、胃腸にやさしく吸収されやすい特徴があります。中医学においては、脾、肝、腎の経絡に働きかけるとされています。気血を補って体力低下や疲労感をサポートする「補虚損」の働きがあり、病後・産後の血の不足、母乳不足、ふらつきなどの症状にも適するとされます。また、風邪(ふうじゃ)を除き、経絡を通じ、湿を取り除く「祛風通絡除湿」の働きにより、骨や関節の痛みや顔面の違和感などにも役立つと考えられています。さらに、「強筋健骨」の働きによって筋や骨を強め、腰や膝のだるさをやわらげることも期待されます。
江戸中期の百科事典『和漢三才図会』には、あなご(阿名呉)について「脂も少なく、あまり良くない」とする記述も見られます。しかし現代においては、そのあっさりとした味わいと消化のよさから、体をサポートする優れた食材として見直されています。
参考:『中華本草(国家中医薬管理局編)』『全国中草薬彙編』
あなごのサンドイッチ
レシピ
こんにちは。一般社団法人薬膳アカデミア理事長の和田暁です。
入梅を迎えるこの時期は、「湿邪(しつじゃ)」という余分な水分が体内に溜まりやすくなります。すると、胃腸を司る(管理する)「脾」の働きが弱まりやすく、体の重だるさや食欲の低下、関節の重だるい痛みなどの不調に悩まされる方も少なくありません。
本レシピは、滋養に優れるあなごを主役に、食べやすいサンドイッチに仕立てました。そら豆、にんじん、とうもろこし、紫蘇は、胃腸を健やかにしながら、湿邪を取り除きます。山芋は弱った「脾」を補い、元気にしてくれます。さらに、紫蘇のさわやかな香りは胃腸の「気」の巡りを促し、溜まった湿気を発散させてくれます。また、しょうがやマスタード、発酵食品である味噌といった薬味も、この時期の胃腸の働きを助けてくれるため、梅雨どきの養生にぴったりの一品です。ぜひ、あっさりとして消化にやさしいあなごを取り入れて、湿邪から胃腸や関節を守り、健やかにお過ごしください。
調理時間20分
材料
【2人分】
食パン・・・・・・・・・・・・・・・4枚(8枚切り)
山芋・・・・・・・・・・・・・・・・・80g
焼きあなご・・・・・・・・・・・80g
にんじん・・・・・・・・・・・・・1/3本
紫蘇・・・・・・・・・・・・・・・・・8枚
そら豆・・・・・・・・・・・・・・・8粒
とうもろこし(粒)・・・大さじ1
マヨネーズ・・・・・・・・・・・大さじ1
味噌・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2
しょうが汁・・・・・・・・・・・小さじ1/2
レモン汁・・・・・・・・・・・・・少々
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
こしょう・・・・・・・・・・・・・少々
マスタード・・・・・・・・・・・適量
作り方
- 1山芋は皮をむいて適当な大きさに切り、柔らかくなるまで蒸して、フォークで粗くつぶす。そら豆は茹でて薄皮をむき、粗く刻む。
- 2とうもろこしは茹でて実を外す。にんじんは千切りにし、油少々(分量外)を加えた熱湯でさっと茹でて水気を切る。焼きあなごは食べやすい大きさに切る。
- 3ボウルに山芋、マヨネーズ、味噌、しょうが汁、レモン汁を入れて混ぜる。さらに、そら豆、とうもろこしを加え、塩、こしょうで味をととのえる。
- 4パンの片面にマスタードを薄く塗り、紫蘇、にんじん、焼きあなごの順に乗せる。
- 5④の上に③を広げて、もう一枚のパンで挟む。
- 6⑤をラップで包み、少し置いてなじませる。食べやすい大きさに切り、器に盛る。
料理のポイント
- point! 山芋は、さっと湯通ししてから皮をむくと、手のかゆみを感じにくくなります。
- point! にんじんは湯通ししてから使うと、ほどよくしんなりしてパンになじみやすくなり、食べたときの一体感が増します。
- point! 工程⑥では、ラップでしっかり包み、そのまま切ると形がくずれにくく、きれいな断面に仕上がります。具材がなじんで味もまとまり、見た目もおいしく仕上がります。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。
![[漢方医学・中医学情報サイト]こころとカラダの元気をつくる|COCOKARA](https://chuigaku-cocokara.jp/wp-content/themes/chuigaku-cocokara/image/logo.png)




