監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★☆☆】
きびは、食欲不振や下痢、疲れが気になるときにおすすめです
きび 平性/甘味 消化吸収機能をととのえる、気力を補う、のどの渇きを癒す など
中医学においてきび(黍・黄米)は、脾と肺の経絡に働きかけるとされ、『神農本草経』には「主益気補中」(脾胃の中気を補い全身の元気を高める)と記されています。また、『中華本草』によれば、きびは「補中益気」、「除煩止渇」(煩わしさを鎮め、のどの渇きを癒す) 、「解毒」の働きがあるとされ、脾胃虚弱による食欲不振や胃の不快感、下痢、疲労などの症状に適するとされる食材です。肺の経絡にも作用するため、のどの渇きや口臭の緩和にも役立ちます。脾胃をいたわり気を補う優れた雑穀として、古代より薬膳で重宝されてきました。
出典:『神農本草経』、『中華本草』
きび入り八宝茶風ほうじ茶ラテ
レシピ
こんにちは。一般社団法人薬膳アカデミア理事長の和田暁です。
5月は、立夏(りっか)から小満(しょうまん)へと移り変わる季節です。この時期は陽気が盛んになる一方、気温の上昇と湿度の高まりにより脾胃のはたらきが低下しやすくなります。そのため、五月病にみられるような気分の落ち込みや疲労感、食欲不振、下痢などの不調が現れやすい時期でもあります。今回ご紹介する「きび入り八宝茶風ほうじ茶ラテ」は、脾胃を健やかに整えるきびを主役に、補中益気・養血安神(胃腸機能を整え、気分を安定させる)に用いられる、なつめ(大棗)と龍眼肉を加えました。
さらに、潤いを補うクコの実もバランスよく配合し、豆乳のまろやかな甘みが全体を包み込みます。ほうじ茶のほのかな香ばしさと陳皮が相まって、胃腸の消化吸収機能をスムーズにしてくれます。この一杯は、初夏に向けて弱りがちな脾胃をいたわり、気と血を補う食材を組み合わせた、やさしい味わいの薬膳ラテです。おやすみ前のくつろぎ時間や、ほっとひと息つきたいときにもおすすめです。環境の変化が大きい5月に、内側からじっくり体と心を整える薬膳として、ぜひお役立てください。
調理時間15分
材料
【2人分】
きび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
水(きびを煮る用)・・・・・・・・150ml
豆乳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200ml
ほうじ茶・・・・・・・・・・・・・・・・・・5g
水(ほうじ茶抽出用)・・・・・・200ml
なつめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4個
陳皮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/3
龍眼肉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4個
クコの実・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
黒砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お好みで
作り方
- 1きびを沸騰させた湯で10分ほど煮る。煮たきびと豆乳を合わせ、ミキサーにかける。
- 2なつめは種を取り、スライスする。陳皮はひたひたの湯で戻す。
- 3お湯でほうじ茶を抽出し、②と龍眼肉、クコの実を入れ、さっと煮る。
- 4③に①を混ぜ、最後に黒砂糖で好みの甘さにととのえる。
料理のポイント
- point! ほうじ茶は、コーヒーや紅茶よりカフェインが少なく、薬膳的な効能に影響はないと考えます。
- point! なつめの甘みが引き立つドリンクです。工程④の黒砂糖は省いても構いません。
- point! 滑らかな食感がお好みの方は、工程①できびの粒がはじけるまでしっかり煮るのがポイントです。ラテ全体に自然なとろみが出ます。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。
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