冬のパワー不足に「ぶりと五目野菜のピリ辛炒め煮」のレシピご紹介 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学 | 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

薬膳
レシピ

冬のパワー不足に
「ぶりと五目野菜のピリ辛炒め煮」
のレシピご紹介

2025.12.09 UPDATE

ぶりの炒め煮

監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)

【難易度★☆☆】
ぶりは、気血不足による血色の悪さ、疲労、めまい、消化力低下に役立ちます

ぶりの切り身 

ぶり 温性/甘味・酸味  気血を補い、疲労対策、消化力アップ、骨・関節の強化 など

ぶりは中医学において、肝、脾、腎の経絡に働きかける食材とされています。身体を温めて血の巡りを促すほか、消化機能を強化する「健脾」、気を補い血を養う「益気養血」、関節痛を和らげる「祛風止痛」、さらに靭帯やすじ、骨を丈夫にする「強壮筋骨」といった働きがあります。こうした働きにより、脾胃の虚弱による食欲不振や消化不良、下痢、気血不足による疲労感やめまい、顔色の不良、こむら返り、さらには風寒による関節痛や腰痛などに良いとされています。現代栄養学的にも、ぶりは高タンパクで、DHA・EPA、ビタミンD、ビタミンB群を豊富に含み、さまざまな点で健康維持に寄与するとされ、これらは中医学における伝統的認識と一致します。

身体を温める性質があるため、体内に熱がこもりやすい方(のぼせ、顔面の紅潮、口渇が目立つ場合)は、食べすぎに注意しましょう。
参考:『暮らしの薬膳手帖』

ぶりと五目野菜のピリ辛炒め煮
レシピ

ぶりの切り身 

こんにちは。一般社団法人薬膳アカデミア理事長の和田暁です。

12月上旬は二十四節気の「大雪(たいせつ)」を迎え、本格的な冬の訪れを感じる時期です。平地でも雪が降り始め、冬将軍の厳しさが増してくる頃とされています。自然界の「陽気」(温める・活動するエネルギー)が最も少なくなる「冬至」へ向かう時期でもあります。師走の忙しい時期は疲れやすく、体力が低下することに加えて、気温が低く乾燥した環境では、ウイルスの感染リスクが高まり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。寒さに負けない体力をつけるためには、体を温め、「気」や「血」を補うことが大切です。

今回ご紹介する炒め煮は、ぶりの旨味を閉じ込めながら柔らかく仕上げられる煮物の一種です。気と血を補う高たんぱくのぶりに、体を内側から温めて気血の巡りを促すしょうがや唐辛子を組み合わせており、その相性は抜群です。キャベツやにんじん、きのこは胃腸の働きを整え、気血を補います。さらに、玉ねぎは気血を巡らせ、辛味で気血の流れを促進して、芯からぽかぽかに。ご飯が進む本レシピで、寒い冬を、おいしく元気に乗り切りましょう。

編集部からのコメント
ピリ辛で食欲をそそる味付けは、メインのおかずにぴったり!旬のぶりに加え、野菜やきのこもたっぷり摂れるうれしい一品です。冬の煮物レパートリーのひとつにぜひ加えたいレシピです。

調理時間20分

材料

【2人分】
ぶり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2切れ
キャベツ・・・・・・・・・・・・・・・・・200g(大3枚)
にんじん・・・・・・・・・・・・・・・・・60g(1/2本)
マッシュルーム・・・・・・・・・・・4個
玉ねぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/2個

調味料A:
オリーブオイル・・・・・・・・・・・適量
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1つまみ
こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・1つまみ

調味料B:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
塩麹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2
オリーブオイル・・・・・・・・・・・適量

調味料C:
オリーブオイル・・・・・・・・・・・大さじ1
にんにく・・・・・・・・・・・・・・・・・1片
しょうが・・・・・・・・・・・・・・・・・1片
豆板醤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
鶏ガラスープ・・・・・・・・・・・・・200ml

 

唐辛子粉・・・・・・・・・・・・・・・・・お好みで
山椒粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お好みで

作り方

  1. 1キャベツを一口大にちぎる。にんじんとマッシュルームは薄切りにする。玉ねぎは5㎜幅に切る。
  2. 2①を調味料Aのオリーブオイルで炒め、塩とこしょうで薄く味付ける。
  3. 3ぶり2切れをそれぞれ3等分に切り分け、調味料Bの酒と塩麹をまぶし5分ほどおき、少量のオリーブオイルで焼く。
  4. 4調味料Cのオリーブオイルで、みじん切りにしたにんにくとしょうがを炒め、香りが立ったら豆板醤を加えてよく炒める。鶏ガラスープを加え、③のぶりを入れてひと煮立ちさせる。
  5. 5器に②に盛り、上から④を盛り付ける。お好みで唐辛子粉と山椒粉を振る。

料理のポイント

  • point! 冷蔵庫に余っている野菜やきのこ類を加えることも可能です。
  • point! ぶりは、臭みがでやすい魚なので血合いをしっかり洗い流すか、キッチンペーパーでしっかり水分をとりましょう。
  • point! 工程③で、ぶりの表面はしっかり焼き付けたほうが、香りがたっておいしいです。

中医学の情報をLINEでお届け!

季節に合わせた養生法、心身ともに健康になるヒント、専門家監修の薬膳レシピなどをLINE限定で配信中!

この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生

和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。