監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★★☆】うなぎはエネルギー不足、血の滋養不足、関節の痛みを改善します
うなぎ 平性/甘味 気と血を補い、筋肉を強くし、骨を丈夫にする、肝臓の健康維持 など
中医学ではうなぎは、五臓の虚弱改善に優れた滋養食材です。スタミナ食品として、体力低下、小児の栄養不良、神経衰弱などの体調不良に古くから用いられてきました。また、腎(じん)の働きを養う力があるとされ、インポテンツや女性の不正出血、おりものが多いなどの改善にも優れいています。栄養学的にはビタミン類が豊富なため、視力の改善や美容にもおすすめです。
うなぎと蓮の実の炊き込みご飯
RECIPE
日本では夏の土用の丑の日に、台湾では重陽節にうなぎを食べる風習があり、古くから栄養価の高い食べ物として親しまれてきました。8月は夏の中でもっとも陽気旺盛な“三伏”(一年でもっとも暑い時期)にあたります。猛暑日が続くと、たくさん汗をかいてしまいます。その結果、体力が落ちてしまったり、血が足りなくなることもあります。また一方では、過剰に冷房にさらされたり、急な大雨の影響で、関節が痛んだり、足がむくんだり、下痢になったりすることがあります。このような症状がある時には、「うなぎと蓮の実の炊き込みご飯」がおすすめです。栄養たっぷりのうなぎは、体力や血が不足しがちな体に必要なエネルギーを補います。蓮の実や雑穀を加えることで、更に体力を高め、よい睡眠を促します。一緒に生姜や紫蘇を使えば、うなぎの脂っこさを和らげ、消化をスムーズにするので暑い日に最適です。
調理時間50分
材料
※漬け置き時間は含まない。
【2人分】
COOKING
- 1蓮の実を10分程熱湯で茹で、冷ましておく。
- 2生姜をみじん切りにする。
- 3米と雑穀を洗う。
- 4③に調味料、①と②を入れ炊飯器の1.5カップの目盛りまで水を入れ、酒、塩を加える。
- 5④にうなぎのタレをかけたうなぎをのせ炊飯する。
- 6うなぎを取り出し、ご飯を4等分にしてラップを使って丸める。
- 7⑥に適当なサイズに切ったしそとうなぎをのせて、再度丸める。
料理のポイント
- point! 蓮の実は、10分程茹で冷ましてから炊飯にすると、食感を楽しめます。柔らかめの方がお好みの場合は、水で4~6時間ほど戻すとよいでしょう。
- point! うなぎのタレを自家製する場合は、「醤油2:みりん2:料理酒1:三温糖1」の割合の調味料を中火で焦げないよう、トロリとなるまで煮詰めるとよいでしょう。
- point! 味が薄い場合は、完成品にお好みでうなぎのタレを少しかけても美味しくいただけます。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。