監修:矢留 江里子 先生(国際中医薬膳師)
【難易度★☆☆】鶏肉は元気と血を補い体力をつけます。
鶏肉 平性/甘味 滋養強壮、胃腸を温める、気血を補う、胃腸虚弱の改善 など
鶏肉は消化吸収が良く、お腹を温め「気・血」を補います。疲れやすい、お腹がゆるいなどの虚弱体質、産後の体力回復に良いでしょう。体に潤いを与える働きもあるので、喉の渇きや空咳、肌の乾燥、髪の毛のパサつき、便秘の緩和にもおすすめの食材です。
モモ、ムネ、手羽、レバー、軟骨など鶏は余すところなくいただくことができ、部位によって味わいや栄養が少しずつ変わってきます。
かんたん参鶏湯(サムゲタン)
RECIPE
「疲労」といっても、やる気が出ない、身体が重だるい、かぜをひきやすい、胃腸が弱い、声が小さい、など色々な症状があります。
これらの症状が続く人は「気虚」体質かもしれません。質の良い睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動と前向きな気持ちを心がけて気を養いましょう。
中医学の「気」は、毎日気持ちよく生き生きと生活していく上で大切なキーワードです。特に、消化吸収して「気」を作る「脾」、「精気」を貯蔵する「腎」、「気」の巡りを調整する「肝」の機能が低下すると「疲労」を感じやすくなると考えます。
今回はこれらの臓腑を元気にする参鶏湯を作りました。
鶏もも肉、手羽類を使い鶏1羽丸ごと使っています。もも肉の中には、滋養強壮のもち米・山芋・栗、消化を助ける大根を詰め、にんにく・しょうがを入れた土鍋でコトコト煮込むだけです。
もち米でとろみのついたやさしいスープは、胃腸の疲れた時でも負担なく、元気になります。
参鶏湯は夏によく飲まれるスープです。夏バテや冷房病の改善に活躍するでしょう。
調理時間90分
材料
しいたけ…1枚
COOKING
- 1もち米は洗ってザルにあげる。しいたけ、山芋、大根は1cm弱の角切りにしてもち米と合わせ、ごま油をひと回しかける。
- 2鶏もも肉は厚みのある部分をそぎ切りにして平らにする。キッチンペーパーなどで余分な水分をとり、塩、こしょうをふる。
- 3①と甘栗を②の真ん中にのせ、両端の皮を合わせて楊枝などでとめ、表面にも軽く塩、こしょうをする。手羽類は表面の水分を軽くとってから、全体に塩、こしょうをする。
- 4しょうがは千切り、にんにくはみじん切り、長ねぎは青い部分を食べやすい大きさに切る。
- 5土鍋に③、④を入れ、ひたひたの水を注ぎ強火にかける。沸騰したら弱火でコトコト約1時間、灰汁が出たら丁寧に取り除く。鶏肉の頭がスープから出ていたら水を足す。
- 6長ねぎの白い部分を使った白髪ねぎ、わけぎ、糸唐辛子をのせ、お好みの味付けでいただく。
料理のポイント
- point! ②でもも肉を平らにする時は、穴があかないようにすると、巻いた時に米がこぼれません。上からラップをかけて綿棒でたたいてもよいでしょう。
- point! 鶏肉がスープから出ないように煮込むとほろほろと柔らかくなります。
- point! それぞれのお好みの味付けにするときは、取り分けてから、塩、こしょうやラー油、七味、柚子こしょう、ごま油などで調味すると良いでしょう。
この記事を監修された先生
国際中医薬膳師矢留 江里子 先生
矢留 江里子(やとめ えりこ)国際中医薬膳師。登録販売者。フードコーディネーター。食空間コーディネーター。NPO日本食育インストラクター。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)卒業。自然療法の料理教室の課程を修了。企業のイベントなどで薬膳講師を務める。イスクラ薬局勤務を経て2023年11月より、吉祥寺にて漢方薬店「薬食同源totonou漢方」 主宰。