監修:楊 暁波 先生(中医学講師)
楊暁波先生の中医美容レッスン vol.33
何かとイベントが多い年末年始。この時期は食べ過ぎ飲み過ぎが続き、気づくと“顔が丸くなった!?”なんていうことも多いものです。過剰な飲食は、ぽっちゃり体型だけでなく、肌や体の不調にもつながるので要注意。中医式デトックスで食べ過ぎ飲み過ぎをリセットして、スッキリ体型をキープしましょう。
暴飲暴食は肌荒れや病気の要因に
年末年始こそ「脾胃」と「肝」のケアを心がけて
食べ過ぎリセット術〜「脾胃」のケア〜
過剰な飲食は体にとっては「毒」と捉え、中医学では「消導(しょうどう)」という方法を用いて、毒を押し出すように腸を掃除します。思いっきり食べて、飲んで…。そんな食事の後は、リセット期間を設けて摂取カロリーを抑え、脾胃をいたわる食事を心がけて。
・「デトックス消導」の食材、生薬、漢方などを多く取り入れる
食材:こんにゃく、ごぼう、フキ、フキの葉、大根の葉、白菜、寒天、海藻、豆腐、甘酒、砂肝 など
生薬:サンザシ、五行草、麦芽、穀芽 など
・リセット食のポイント
朝食:温野菜スープor温かいコーンスープor温かい甘酒など。卵などのタンパク質も必要です。軽めの食事をこころがけましょう。冷たい飲食は禁物!
昼食:普段より量を少なく。炭水化物(ごはん、パンなど)はいつもの半分程度、肉や魚は脂の少ないものを。
夕食:野菜たっぷりの温かいスープや味噌汁に野菜を多くいれる。お豆腐、納豆、脂の少ない肉類も摂り入れ、炭水化物は減らしましょう。おでんが一番おすすめです。
ちょっと食べ過ぎたなと感じた日の翌日、また、暴飲暴食が続いている時は2〜3日程度、リセット食を心がけてみてください。
※宴会の時の気をつけたい食べる順番
(1)食事の最初もしくは食事前に、まず温かいお湯や味噌汁、スープを。
脾胃を温めて働きを整え、塩味や辛味、油などの刺激を和らげます。脾胃は冷えに弱い臓器なので、冷たいものはなるべく控え、“温かい飲食”を心がけて。冷えたサラダ、刺身なども食べ過ぎには注意しましょう。
おすすめドリンク:ホットレモネード、はちみつ入りのしょうが湯、りんご酢のお湯割り など
(2)野菜や豆類、肉や魚を交互にバランスよく食べましょう。
油っこい料理、味の濃いもの、辛いもの、甘いものなどは、脾胃の負担になるのでほどほどに。意識して“野菜たっぷり”の食事を心がけましょう。
(3)ごはん、パン、麺類などの炭水化物は遅めのタイミングで。
量も抑えられ、血糖値の上昇も穏やかになります。
飲み過ぎリセット術〜「肝」のケア〜
飲む前に、お湯や温かいお茶を1杯飲む(特に麦茶、プーアール茶)。飲んでいる時は、酒毒の排出を早める食材を一緒に摂るのがおすすめです。
酒毒を排出する“解毒食材”を積極的に摂り、早めに体調を回復させましょう。
※日本で、鬱金は「姜黄(きょうおう)」のことを指す場合がありますが、ここでの鬱金は姜黄ではありません。
二日酔い解消のツボマッサージ
内関(ないかん):手首から肘に向かって指3本分置いたところ。指をツボに当て押す。
・嘔吐、胃痛、お腹の張り などに
中脘(ちゅうかん):へそから指5本分上
・むくみ、嘔吐、胃腸の症状 などに
足三里(あしさんり):膝頭の外側の下にできるくぼみから指4本下
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この記事を監修された先生
中医学講師楊 暁波 先生
楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など