二日酔いに甘夏とバラのゼリーよせ - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

二日酔いに
甘夏とバラのゼリーよせ

2023.04.11 UPDATE

監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)

【難易度★★☆】
甘夏の果肉は、消化不良や酒酔いによる吐き気を改善します

甘夏 涼性/甘・酸味 体内に水分を補い、口の乾き、消化不良、胸のつかえ、咳や痰の改善

柑橘は、古くから食され4000年前の夏(か)王朝時代には既にあり、献上物としても文献に記録されていました。その果肉は、体内の水分不足を補うだけではなく、排尿を促し体内に滞った余分な水分を取り除くなど、水分代謝が良い状態を保つ働きがあります。さらに、潤う力があり痰や咳の改善にも役立ちます。また、二日酔いや酒酔いによる吐き気などの症状に欠かせない代表的な食材です。栄養学的には、ビタミンCとクエン酸が豊富に含まれているため、美容、疲労回復の効果も図れます。
注:甘夏の詳細は、柑橘の内容を記しています。
参考資料:『本草綱目拾遺』、『日用本草』、『開宝本草』、『医林纂要』

プリント

甘夏とバラのゼリーよせ
RECIPE

新年度も始まり、知らず知らずのうちにストレスを感じたり、イライラしやすくなる春の後半。穀雨(こくう:2023年4月20日)を挟み、春の土用(2023年4月17日~5月5日)の時期は、メンタルケアの他にも胃腸も十分に注意が必要です。
ストレス発散にと飲酒をした結果、酒酔いによる頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、口渇、口内の粘り、イライラなど多くの不調を招くことがあります。今回ご紹介するレシピは、そんな時におすすめのレシピです。主役の甘夏は、胃腸を整えお酒の解毒を促します。ゼリーに入った山楂子は消化を助け、バラのつぼみとトッピングのミントの葉は気の巡りを良くすることでストレス解消になります。中医学では、飲酒は熱と湿を生み、体液不足を伴うと考えますが、普段から胃腸が冷えているタイプの方は、涼性の甘夏ではなく温性の金柑を使うほうがよいでしょう。

調理時間10分

材料
※調理時間は、冷蔵時間を除きます。
【2人分】
水………………………250cc
バラのつぼみ…………4個
蜂蜜……………………20g
ゼラチン………………5g
甘夏……………………1個
山楂子…………………2個
※乾燥を水でゆで戻したもの
ミント…………………少々

COOKING

  1. 1甘夏を適当な大きさにカットする。残った甘夏は果肉を絞り汁をとる。
  2. 2バラのつぼみは、熱湯でさっと湯通しバラバラにする。
  3. 3②に蜂蜜を加え煮る。
  4. 4③に溶かしたゼラチンを加え、混ぜる。
  5. 5④に刻んだ山楂子と①の甘夏の絞り汁を加え混ぜ合わせたら冷蔵庫で固める。
  6. 6⑤に①のカットした甘夏を盛りつける。
  7. 7最後にミントを飾る。

料理のポイント

  • point! 甘夏が手にはいらない場合は、はっさく、文旦などの柑橘系であれば代用できます。
  • point! バラのつぼみは、乾燥したつぼみを水で戻したものでも代用できます。
  • point! ゼリーの固める時間を短縮したい場合は、ボウルに氷水をいれその中へゼリーの容器をいれて冷蔵庫にいれると早く固まります。

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この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生

和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。