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春の肌ケアは「デトックス+保湿」

2018.04.03 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.24

ようやく寒さから解放され、ポカポカ陽気に恵まれる春。なんだか気持ちもワクワクする季節ですが、この時期は季節の変わり目で、肌トラブルも起こりやすくなります。特に気をつけたいのは、蕁麻疹(じんましん)やアレルギー性皮膚炎、ウイルス感染症、アトピー性皮膚炎の悪化など。
春の気候や身体の状態に合わせた適切なケアを心がけ、敏感になりがちな春の肌を健やかに保ちましょう。

春の肌はバリア機能の低下でトラブルに

春は万物が伸びやかに成長する季節。木々は芽吹き、虫や動物もいきいきと動き始めます。
同じように、暖かくなるとウイルスや細菌の活動も活発に。肌にも感染しやすくなり、感染性の皮膚疾患が起こりやすくなります。
春は肌の状態が不安定になりがち。冬の乾燥ダメージに加え、春の強い風にさらされて乾燥がさらに進み、また、寒暖差の影響やストレスなども重なって、肌のバリア機能が低下してしまうのです。
さらに、バリア機能が落ちた肌に、花粉やPM2.5(微小粒子状物質)といった外部の刺激が加わったり、花粉症用マスクの摩擦が加わったりすることなどによって、肌荒れなどの炎症やアレルギー症状を引き起こすこともあります。
こうした春の肌トラブルを予防・緩和するキーワードが「デトックス」
冬に溜め込んだ汚れや老廃物を発散させ、新陳代謝を上げて肌を健やかに整えることが大切です。また、デトックスですっきりさせた肌は、きちんと保湿することも忘れずに。
“デトックス + 適度な保湿”。春のケアはこの2つを意識して、肌のバリア機能を強化するよう心がけましょう。

原因はアレルギーや乾燥、ストレスなど…春の主な肌トラブル

【蕁麻疹(じんましん)】
赤みのある皮膚の盛り上がり「膨疹(ぼうしん)」が現れ、強いかゆみを伴う症状。膨疹は次々と現れますが、短時間で跡形もなく消えてしまいます。また、場所を固定せず、あちこちに繰り返し現れることも特徴です。
蕁麻疹にはアレルギー性・非アレルギー性のものがあり、発症の原因は多岐にわたります。
多く見られるのは原因を特定できない急性蕁麻疹ですが、繰り返し現れる症状を放置していると慢性化してしまうことも多いので要注意。疲労やストレスとの関係も指摘されているので、生活習慣や体質を整えるなど、症状が現れたら早めの対処で改善するよう心がけましょう。
【アレルギー性皮膚炎】
体内に入った外敵(細菌やウイルスなど)を攻撃し、身体を守る免疫システム。この仕組みが、食べ物や花粉といった無害なものにも過剰に反応して起こるのがアレルギー反応で、反応が皮膚に現れたものがアレルギー性皮膚炎です。
すぐに消えてしまう蕁麻疹と異なり、アレルギー性皮膚炎は発疹やかゆみが数日間続くのが一般的。症状が現れたら早めに医師の診察を受け、原因となる物質(アレルゲン)を特定することが大切です。
【花粉皮膚炎】
花粉によってアレルギー症状が起こる花粉症とは別に、花粉が皮膚に直接付着することで起こる皮膚疾患。肌に炎症が起こり、赤みやかゆみ、乾燥などの不調が現れます。
花粉症を発症していない人にも現れるので、花粉の飛散が多い春や秋にだけこうした症状が現れる場合は、花粉皮膚炎の可能性が考えられます。
対処法は、とにかく花粉の付着を減らすこと。マスクやサングラス、帽子、長袖の服などで、肌の露出をなるべく控えましょう。
【アトピー性皮膚炎】
もともと肌のバリア機能が弱い人、アレルギーを起こしやすい人に多く見られる皮膚疾患。湿疹やかゆみの症状が繰り返し起こり、慢性化しやすいことが特徴です。
肌が不安定になりやすい春は、バリア機能の低下や乾燥から症状が悪化しやすくなります。花粉やホコリなどの外部刺激にも敏感に反応してしまうので、適切なスキンケアで肌の状態を安定させることが大切です。
その他、ウイルス感染性の皮膚疾患、にきびなども春に起こりやすい症状です。
いずれも重症化しないように、病院や漢方薬局・薬店で適切な対処法を確認して摂り入れましょう。

日々の暮らしにデトックス!心がけるべきポイント

春は身体の働きも活発になる季節。新陳代謝を上げて、冬に溜め込んだ老廃物などをすっきり発散させましょう。
【デトックスケアのポイント】
●発汗
汗をしっかりかくことで汗孔や毛穴を開き、汚れや老廃物を排出。余分な皮脂なども詰まらないようにしましょう。
適度な運動で身体を動かしたり、サウナ(月1〜2回程度)に入って汗をかいたりするのもおすすめです。
※乾燥肌やアトピー性皮膚炎の人はサウナは控えて。
●洗顔&パック
ウイルスや細菌による肌トラブル、ニキビの炎症などを防ぐためには、肌の余分な熱を冷まして雑菌の繁殖を抑える「清熱解毒(せいねつげどく)」のケアを。
抗菌・抗炎症作用のあるスベリヒユ、タンポポ茶、緑茶などを、洗顔やパックに摂り入れるのもおすすめです。低刺激性植物由来の「瑞花露薬用ソープ」も洗顔用石鹸におすすめ。肌をいたわりながらみずみずしく洗い上げ、肌荒れを防ぎます。
●通便
すっきり排便を心がけ、腸をデトックス。身体に不要な老廃物、肌トラブルの原因物質などを早めに排出することで、症状の悪化や慢性化を防ぎましょう。腸の働きを整えることは、免疫力アップにもつながります。
●排尿
尿をしっかり出して、身体に余分な水分や老廃物が溜まらないように。水分代謝が悪化して体内に余分な水分が溜まると、肌トラブルも起こりやすくなります。
この時期は水分(白湯やはと麦茶)を多めに摂るよう心がけ、しっかり排尿する習慣をつけましょう。
※日頃からむくみがちな人は、水分は控えめに!
●「肝」のケア
春は「肝(かん)」(肝臓)の不調を起こしやすい季節。肝の働きが低下するとストレスを上手く発散できず、イライラなどが影響して肌トラブルを起こしやすくなります。
肝をすっきりさせるポイントは、まず負担をかけないこと。「休肝日をしっかりとる」「食べ過ぎ飲み過ぎに注意する」「ストレスを溜めない」「酸味のものは控える」などをポイントに、日頃の養生を心がけましょう。【マッサージのポイント】

足の内側には、肝の経絡(気の通り道)が通っています。内側の付け根からふくらはぎくらいまでをトントン叩いて刺激して、肝の働きを促しましょう(2〜3分を目安に)。
【デトックスした肌には、適切な保湿を】
保湿ケアとして、天然由来の成分が肌に潤いを与え、肌荒れを防ぐ「瑞花露薬用保湿ローション」「瑞花露薬用保湿クリーム」や、肌に潤いを与えるサージ、ハリとツヤを与えるエゾウコギなどを配合した「セ・サージクリーム」がおすすめ。
春は風にさらされて乾燥も進みがちに。肌をすっきりさせたら潤いもきちんと補給して、肌のバリア機能を高めましょう。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など