監修:張 成龍(中医学講師)
いつもキレイでいたい、もっとキレイになりたい……。今回は、そんな女性の願いを叶える健やかセルフケアのヒントをご紹介します。いきいきとした美しさは“心と体の健康”から生まれるもの。女性のリズムを五行で捉える中医学のセオリーを生かし、体の中から美しさを育てていきましょう。
女性の体と「五行」の関係
五行理論は、中医学の基本となる考え方。自然界のあらゆるものは、「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り立っていると捉えます。人の体も自然の一部で、臓腑や感情も五行に対応。五臓(肝・心・脾・肺・腎)の特性は、女性の心身にさまざまなかたちで影響し、肌や髪の美しさとも密接に関わっています。

五行の分類は、月経周期や季節にも対応しています。これを意識することで、体や自然のリズムに応じた適切なケアができるように。すると、心身が健やかに整い、肌や髪もいきいきとして、健康的な美しさを保つことにつながります。
月経を整え、気・血・津液のバランスを保つことは、女性の健康と美しさのカギ。ストレスが多く月経も乱れがちな現代だからこそ、ぜひ五行を生かしたセルフケアを取り入れてみてください。
[月経周期]毎月のリズムに合わせた体ケア
女性の体は、月経周期に伴うホルモンの変動によって日々少しずつ変化しています。中医学では、このリズムを体内の気・血・津液のバランスの変化として捉えます。
ここでは、月経周期の4つのフェーズ(⽉経期・卵胞期・排卵期・⻩体期)を五行で捉え、それぞれのタイミングに応じた対処法をご紹介します。自分の体のリズムを知り、体内の変化に合わせたケアをすることで、心身を上手に整えていきましょう。

〜休息が大切〜
⽉経期(1〜5⽇⽬)/ 五行[⽊・肝]
ホルモン分泌が急激に低下し、子宮内膜が剥落・出血する月経期間。中医学では、血を貯蔵し月経を調節する「肝」が活発になる時期と捉えます。体内の血を消耗しやすく、気の巡りが停滞しがちで、イライラ、頭痛、肌荒れなどが起こりやすくなります。
[体の状態]
血の不足、気の停滞を招きやすい。
精神不調、頭痛、月経痛などが起こりやすく、肌も荒れがちに。
[ケアのポイント]
休息をとる:無理に動かず、体を休めることを最優先に。
気を巡らせる:軽いストレッチや呼吸法で気の巡りを促進。
精神をリラックス:アロマテラピーなどで気持ちをほぐして。
おすすめ食材:ほうれん草、春菊、にんじん、レバー、ひじき、黒ごま、クコの実などを。
〜心が落ち着く時期〜
卵胞期(6〜12⽇⽬)/ 五行[火・心]
卵胞が発育・成熟し、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増加していく期間。中医学では、月経が終わり、体内の気血が徐々に充実していく時期と捉えます。血を巡らせ、精神を司る「心」の活動が活発になり、精神が安定しやすくなります。
[体の状態]
気血が徐々に充実していく。
精神が安定し、肌や髪の状態も良くなる。
[ケアのポイント]
心をサポート:ウォーキングなどの有酸素運動で血行を促し、心の働きをサポート。
睡眠を十分に:質の良い睡眠を取り、心を養って。
おすすめ食材:赤い食材(トマト、にんじん、いちごなど)、玉ねぎ、にら、青魚などを。
スキンケアをていねいに:肌の調子が整いやすいので、ていねいにケアを。
☆なにか新しいことに挑戦するなら、この時期が最適!
〜体力が充実して活発に〜
排卵期(13〜16⽇⽬)/ 五行[⽊・肝][土・脾]
エストロゲンの分泌がピークになり、排卵が起こる期間。中医学では、体内のバランスが陰から陽へ移り変わる時期と捉えます。陰に変わって陽気が盛んに生じるため、「肝」を整え気をスムーズに巡らせることが大切。また、陽気で体が活発になり、「脾」の消化吸収力も高まります。
[体の状態]
消化吸収が活発になり、体力も充実。
体も精神状態も充実し、いきいきとした美しさが現れる。
[ケアのポイント]
笑顔で気持ちよく:心を開き、笑顔で気持ちよく過ごすことで気の巡りを整えて。
ポジティブに過ごす:活発な陽気を活かしてポジティブに。創造的な活動もおすすめ。
脾を養う:栄養バランスのよい食事を意識して。胃腸に負担をかけないことも大切です。
〜不調が起こりやすい〜
⻩体期(17〜28⽇⽬)/ 五行[金・肺][水・腎]
プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増える月経前の期間。中医学では陽気が最も盛んになる時期です。また、水分代謝が低下し、むくみ、肌荒れ、イライラ、乳房の張りといったPMS(月経前症候)の症状も起こりやすくなります。
[体の状態]
水分代謝が低下しやすく、体がむくみがちに。
PMSの症状、肌トラブルが起こりやすい。
[ケアのポイント]
気血を巡らせる:軽いストレッチや入浴で、気血の巡りを促す。
精神をリラックス:入浴、十分な睡眠、アロマテラピーなどで精神の安定を。
体を温める:しょうが、にんにく、根菜類など温性の食材を。冷たい飲食は控えめに。
水分代謝を促す:小豆、はと麦、緑豆、とうもろこしのヒゲ茶などを。
[1年周期]自然のリズムに応じた季節の体ケア
五行は季節にも対応していて、それぞれに影響を受けやすい臓腑を知ることができます。女性の体は、この自然の“大きな季節”と、体内の“小さな季節(月経周期)”の巡りを意識することが大切。2つのリズムを日々のケアに取り入れて、健やかな美しさを目指していきましょう。
※五行では夏と秋の間に「長夏」の季節がありますが、ここでは四季の養生としています。
春(3〜5月)/ 五行[木・肝]
「肝」は草木のようにのびのびとした状態を好む臓腑。過度なストレスはダメージとなるので、ストレスを溜め込まず、アクティブに活動して気をスムーズに巡らせましょう。
[ケアのポイント]
青い食材(セロリ、パセリ、春菊など)、緑茶、酸味のある果物(レモン、梅など)で肝の働きを整えて。軽いストレッチや深呼吸もストレス解消におすすめです。
夏(6〜8月)/ 五行[火・心]
多量の発汗によるドロドロ血、厳しい暑さなどで「心」に負担がかかりやすい季節。体内の気も消耗しがちなので、血の巡りを整え、気を養うことを意識して。
[ケアのポイント]
赤い食材(トマト、スイカ、赤パプリカなど)を積極的に。過剰な発汗は体の負担になりますが、冷房による冷えに注意し、適度に汗をかくことが大切です。
秋(9〜11月)/ 五行[金・肺]
「肺」は潤いを好むため、秋の乾燥がダメージに。肺が乾燥すると肌トラブル(乾燥肌やくすみ)も起こりやすいので、体の潤いアップを意識しましょう。
[ケアのポイント]
白い食材(大根、梨、白きくらげ、百合根など)で潤い補給を。腹式呼吸で肺の機能を高め、肌の保湿も忘れずに。
冬(12〜2月)/ 五行[水・腎]
「腎」の働きを守り、春に向けてエネルギーを蓄える季節。腎は冷えに弱いので、体をしっかり温めることを心がけましょう。
[ケアのポイント]
黒い食材(黒豆、黒ごま、黒きくらげ、海藻類など)やナッツ類で腎を養って。温かい食事、ゆっくりとした入浴などで、体を芯から温めましょう。
この記事を監修された先生
中医学講師張 成龍
張 成龍(ちょう せいりゅう)中医学講師。中国・遼寧中医薬大学 国医堂にて、叢法滋、陳以国ら名医・名師のもとで6年間研鑽を積み、鍼灸および内科領域における高度な臨床技術を習得。中国では鍼灸内科を中心に、循環器内科・皮膚科・糖尿病内科・リウマチ内科・腫瘍内科など多岐にわたる診療科にて従事。北京紫禁城国医館では総合診療も経験。2017年に来日後は、「イスクラ産業株式会社」および「イスクラ中医鍼灸院」にて臨床と研究を継続し、日本における中医学の発展に寄与している。
![[漢方医学・中医学情報サイト]こころとカラダの元気をつくる|COCOKARA](https://chuigaku-cocokara.jp/wp-content/themes/chuigaku-cocokara/image/logo.png)




