監修:松本 誉子 先生(薬膳料理家)
【難易度★☆☆】金針菜は、体の余分な熱を取り除ながら気分もスッキリさせてくれます

金針菜 涼性/甘味 体の余分な熱を取り除く、余分な水を排出、血を補いながら、不眠や耳鳴りの改善 など
金針菜はユリ科の植物の蕾で、日本の新潟地方でもつくだ煮などで昔から食べられてきた高級食材です。金針菜の旬は、春から夏にかけてで、この時期に食べることが最もおいしいく栄養価も高いと言われていますが、日本ではほとんど乾燥した状態で販売されています。中医学的には涼性の食材で体の余分な熱を取る働きや血を補う働きがあるとされています。そのため、全身に熱感があるときや不眠や焦燥感、イライラがある時におススメの食材です。
体も心も内側からスッキリ金針菜スープ
レシピ

梅雨のシーズンがやってきました。この時期は雨が多いだけでなく湿度と気温も高くなり、不快感を感じます。そのため、体温調節が乱れてのぼせや、イライラを感じる等の症状が現れたり、余分な熱のために不眠に悩む人が増えたりします。また湿度の影響を強く受けると体内の水の巡りが乱れてむくみやだるさ等の不調も感じることがあります。不調を感じやすい人にとっは、とっても辛いシーズンです。今回のレシピは、清熱の働きにより体の余分な熱を取る働きがあり、体に熱がこもって起きるイライラや不眠の改善を助けてくれる金針菜とズッキーニを使ったスープにしてみました。湿度の影響で食欲が落ちている人にもおススメのスープです。
調理時間15分
材料
※調理時間に金針菜の戻し時間は含みません。
【2人分】
乾燥金針菜………………………………10g
ズッキーニ………………………………1/2本
ロースハム………………………………2枚
生姜………………………………………少々
クコの実…………………………………適量
昆布ダシ…………………………………400ml
塩…………………………………………適量
サラダ油…………………………………小さじ2
作り方
- 1金針菜は30分程水に浸して戻しておく。戻した金針菜を軽くしぼり、固い部分は切り落としておく。※茶色い金針菜を使用する時には1時間程水に浸した方が良い。
- 2ズッキーニ、ロースハムは太目の線切りに、生姜は細い千切りにする。
- 3鍋にサラダ油をひき、生姜、ズッキーニ、ロースハムを炒める。
- 4③のズッキーニがしんなりしてきたら、金針菜と昆布ダシを加え、沸騰したら火を弱火にして5分程加熱。
- 5仕上げに塩で味を加える。ハムにも塩分がふくまれているため、味を見ながら整える。
- 6器に盛り付けたら、クコの実を散らす。
料理のポイント
- point! レシピでは金針菜を水で戻す工程を1回にしていますが、アクが気になる時には2回水を変えると良いでしょう。ただし何度も水を変えると栄養も流れてしまうことを覚えておきましょう。
- point! 旬の時期には生の金針菜が流通していますが、生の金針菜には毒があるとされ、そのまま食べると嘔吐や下痢などの食中毒の症状を起こすことがあるので、必ず加熱して使用しましょう。
- point! 乾燥金針菜には、つぼみをそのまま乾燥させたオレンジ色のものと、一度蒸してから乾燥させた茶色の物の2種類がありますが、どちらの金針菜も同じ働きがあります。
この記事を監修された先生

薬膳料理家松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
薬膳料理家/発酵食研究家/フードライター
北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。中医薬膳師・中医薬膳茶師・発酵マイスター。薬膳の知恵を日常の食に活かしたカフェを三軒茶屋で運営後、現在は料理教室『ドードーの空キッチン』を主宰。発酵と薬膳を軸に、企業・協会のレシピ監修や講座講師、コラム執筆など幅広く活動している。発酵料理士協会・日本くらし薬膳協会 特別講師。