監修:鈴木 理恵(管理栄養士・国際薬膳師)
【難易度★☆☆】独特の苦味で体の熱を取る、暑い夏におすすめの食材
苦瓜 寒性/苦味 暑さを取り除きのどの渇きを止める、肝(かん)の熱を取り目の不調を改善する
苦瓜は、体にこもった熱を取り除き、熱射病や夏バテ、のどの渇きを解消します。また、体内に熱がこもったことが原因の目の充血や腫れ物を改善する働きもあります。
苦味には、心(しん)の熱を取る、便通をよくする、解毒するなどの働きがあるため、苦味が特徴の苦瓜は、暑熱で不調になりやすい時期におすすめの食材です。
暑い夏を乗り切るのに頼もしい苦瓜ですが、体を冷やす働きが強いため、寒い時期や冷えがある、胃腸が弱いという方は控えめに。妊娠中の方は避けた方がいいでしょう。
苦瓜のふわふわ豆腐詰め
RECIPE
7月下旬は二十四節気の大暑(たいしょ)を迎えます。梅雨が開け、一年でも最も暑さが厳しい頃です。過剰な熱を取り除き、汗により失った、体に必要な潤いを補う食養生を行います。
今回使用している苦瓜と豆腐は寒性の食材で、体内の過剰な熱を取り除き、体に必要な水分を生み出して体を潤します。この料理では、鶏肉を使うことで寒性に偏りすぎないようにしていますが、暑さが厳しい時や体に熱がこもっている、顔や皮膚が赤い、口が渇いて冷たいものがほしいなど、熱により体の水分が足りていないと感じるときは鶏肉を豚肉に換えることで、体を潤す働きが高まります。ひき肉だけでなく、豆腐を加えることで食感がふわふわに柔らかく仕上がります。
調理時間30分(水切り除く)
材料
【材料:3~4人分】
苦瓜……………………………1本
木綿豆腐………………………1/4丁
鶏ひき肉………………………80g
A 酒………………………小さじ1
塩………………………小さじ1/2
片栗粉…………………小さじ1
片栗粉…………………………適量
サラダ油………………………大さじ1/2
B 水………………………1/4カップ
酒………………………大さじ2
しょうゆ………………大さじ2
みりん…………………大さじ2
COOKING
- 1苦瓜は両端を切り落とし、1.5cm幅の輪切りにして種とワタをくり抜き、塩(分量外)を振って5分置く。
- 2ボウルに水切りをした豆腐と鶏ひき肉、Aを入れてよくまぜ合わせる。
- 3①の苦瓜の水気をふき取り、内側に片栗粉を薄くつけ、②を苦瓜の中に詰めて全体に片栗粉を薄くまぶす。
- 4フライパンにサラダ油を中火で熱し、③を並べ入れ、焼き色がついたら裏返し、フタをして弱火で3~4分焼く。フタを取り、Bを加え、途中で裏返しながら弱火で10分煮る。
料理のポイント
- point! 苦瓜の輪切りから種とワタをくり抜くときはスプーンを使うか、または指で押し出します。
- point! ひき肉がつぶれて粘り気が出るくらいまでまぜます。
- point! 両面の焼色がついたらBを加えて弱火で煮ます。
この記事を監修された先生
管理栄養士・国際薬膳師鈴木 理恵
イスクラ産業で製品開発および薬膳関連の仕事に従事。日本食糧新聞社百菜元気新聞への薬膳レシピ掲載、西洋フード・コンパスグループ(株)への薬膳メニュー提供など。身近な食材で簡単に作れる体と心によいレシピを提案している。