監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★★☆】
パパイヤは、胃腸をいたわりながら食欲を支えます
パパイヤ 平性/甘味 消化不良、お腹の張り、便通不良 など
パパイヤの原産地は、中南米の熱帯地域です。明代末期から清代初期にかけて、海上貿易を通じて東南アジアや中国の広東・福建、台湾などに伝わりました。生薬として用いられる「木瓜」(ボケの実)に似ていることから、「番木瓜」と名付けられたといわれています。「番」には、外来のものという意味があります。その後、栄養が豊富で、母乳の分泌を促す食材と考えられたことから、「万寿果」や「乳瓜」とも呼ばれるようになりました。中医学においては、脾と肝の経絡に作用すると考えられ、消化不良や産後の母乳不足、風湿痺痛(リウマチなどによる関節の痛み)、湿疹などに用いられてきました。現代では、パパイヤに含まれる酵素や食物繊維などが注目され、消化や腸内環境を健やかに保つのに役立つ食材として親しまれています。
参考:『中華本草』『中薬大辞典』『現代実用中薬』
パパイヤコンポートのトロピカルパフェ
レシピ
こんにちは。一般社団法人薬膳アカデミア理事長の和田暁です。
立秋を迎え、暦の上では秋となりましたが、まだまだ厳しい暑さが続きます。高温多湿のこの時期は、汗をたくさんかくことで津液(体を潤す水分)が消耗し、体のだるさや口の渇き、肌の乾燥、便秘などが気になります。また、湿気によって胃腸の消化吸収機能が弱まり、夏バテや食欲不振、体の重だるさを感じることも。さらに、中医学では「心(しん)の火」が盛んになって熱がこもりやすく、イライラしたり、ぐっすり眠れなかったりすることも、この時期特有の悩みと考えます。
そこでおすすめしたいのが、「パパイヤコンポートのトロピカルパフェ」です。アイスクリームや氷を使わず、体を冷やしすぎないように仕上げました。パパイヤは、胃腸の消化吸収を助け、食欲を健やかに保ちます。白きくらげは体に潤いを与え、汗による水分不足や肌の乾燥、便秘が気になるときにおすすめです。ハイビスカスは、体にこもった熱を冷まし、津液を補って、夏のイライラを和らげる働きが期待できます。ココナッツは、体にこもった熱を和らげながら脾を補う、夏にぴったりの食材です。「理気温脾」の金木犀を少々添えた、甘さ控えめで体を冷やしすぎない薬膳パフェで、厳しい夏を元気に乗り切りましょう。
調理時間60~90分
材料
(調理時間にゼリーを固める時間を含む)
【2人分】
パパイヤのコンポート:
パパイヤ・・・・・・・・・・・・・・・100g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60ml
オリゴ糖・・・・・・・・・・・・・・・少々
レモン汁・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
白きくらげのシロップ煮:
白きくらげ・・・・・・・・・・・・・5g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150ml
オリゴ糖・・・・・・・・・・・・・・・10g
ハイビスカスゼリー:
ハイビスカス・・・・・・・・・・・・5g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150ml
オリゴ糖・・・・・・・・・・・・・・・・8g
粉ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・3g
ココナッツゼリー:
ココナッツファイン・・・・・・20g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150ml
粉ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・3g
トッピング:
金木犀・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
水、レモン汁・・・・・・・・・・・・各少々
作り方
- 1白きくらげのシロップ煮を作る。白きくらげを水(分量外)で戻し、石づきを除いてから小さくちぎる。鍋に白きくらげと水150mlを入れ、やわらかくなるまで弱火で煮る。オリゴ糖を加えて混ぜ、火を止めて冷ましておく。
- 2ハイビスカスゼリーを作る。鍋に水150mlを入れて沸かし、火を止めてハイビスカスを加える。5~10分蒸らしたら茶こしなどでこし、オリゴ糖を加える。熱いうちに粉ゼラチンを加え、よく混ぜて溶かす。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固め、フォークなどで粗く崩しておく。
- 3パパイヤのコンポートを作る。パパイヤは皮と種を取り除き、角切りにする。鍋にパパイヤ、水60ml、オリゴ糖、レモン汁を入れ、弱火で3~5分煮る。火を止めて、そのまま冷ましておく。
- 4ココナッツゼリーを作る。鍋にココナッツファインと水150mlを入れて温め、お好みの量のオリゴ糖を加える。沸騰直前で火を止め、粉ゼラチンを加えてよく混ぜる。粗熱が取れたら容器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。固まったら角切りにする。
- 5①~④を器に重ね入れる。水とレモン汁に浸した金木犀を飾る。(画像では赤芍薬の花もトッピングしています)
料理のポイント
- point! 白きくらげは、少量の重曹と一緒に煮ると、早く柔らかくなります。
- point! ゼラチンは沸騰させると固まりにくくなるため、必ず火を止めてから加え、溶け残りがないようによく混ぜます。使用方法は商品の表示に従ってください。
- point! パパイヤは加熱しすぎると食感が損なわれるため、弱火でさっと煮るのがポイントです。粗熱を取ったあと、シロップごと冷やすと味がなじみ、みずみずしいおいしさが楽しめます。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。
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