監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★★☆】冬瓜は水分代謝を調整し、乾燥と湿気から肺と胃腸を守ります
冬瓜 涼性/甘淡味 体内の水分を整える、体内の熱を冷ます、口の渇きを止める、乾燥による咳、むくみの対策 など
冬瓜は、古代からインドや東南アジアで栽培され、平安時代に中国から日本に伝わりました。夏に収穫してから冬まで保存できる野菜として、重宝されてきました。中医学では、冬瓜は肺、大腸、小腸、膀胱経に働き、尿の量を増やす、体の熱を冷ます、痰を取り除く、体内の潤いを生み出す、解毒の働きを持つとされています。ゆえに、むくみや排尿困難、咳痰、呼吸が苦しい、暑熱、イライラ、喉の渇き、皮膚の腫れ、痔、魚介類や酒の毒消しに使われてきました。冬⽠は⽢淡味であり、デトックス効果に優れています。苦寒の⾷材に⽐べ穏やかで、体⼒を消耗せずにデトックスができるので使いやすい食材と言えます。穏やかとはいえ、冷え性の方は控えましょう。
参考:『中薬大辞典』
冬瓜の変わりみそ田楽
RECIPE
暦上は白露を迎えたとはいえ、日中は依然として暑い日が続きます。乾燥の空気がいよいよ到来するこの季節、乾燥から呼吸器や皮膚を守る食事を摂ることは、とても大切です。また台風、豪雨、秋雨前線の影響で、外界の湿気が体内に入り込みやすくなり、むくみも気になる時期です。そのような時に、「冬瓜の変わりみそ田楽」をお勧めします。冬瓜は、体内の水分代謝を促し、痰湿(体の余分な水分や汚れ)解消の味方であると同時に、乾燥した空気による呼吸器の乾燥、口の渇き、咳痰対策も期待できます。ピーナッツは乾いた痰を取り除き、体を潤す胡麻と一緒に摂ることで、肌荒れ、乾燥便秘にもおすすめです。乾燥にも雨にも負けない体作りに、ぜひお試しください。
調理時間20分
材料
【2人分】
冬瓜・・・・・・・・・・・・・・・・200g
こんにゃく・・・・・・・・・・100g
にんじん・・・・・・・・・・・・3cm
合わせだし・・・・・・・・・・2カップ
たれ:
甜面醤・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
練りごま・・・・・・・・・・・・30g
味噌・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1~2
黒酢・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
塩麹・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
烏龍茶・・・・・・・・・・・・・・15ml
ピーナッツ・・・・・・・・・・10粒
COOKING
- 1冬瓜は一口大に切り、面取りする。こんにゃくはあく抜きし、4等分に切る。にんじんは輪切りにする。
- 2①の冬瓜とこんにゃくを合わせだしで火が通るまで煮た後、にんじんを加え、さっと煮る。
- 3麺棒などでピーナッツを砕く。
- 4たれの調味料は加熱しながらよく練り、③のピーナッツと混ぜる。
- 5②の冬瓜とこんにゃくをそれぞれ竹串にさし、④のたれをかけ、にんじんを乗せる。
料理のポイント
- point! 烏龍茶をたれに加えることで、調味料の分離を防ぎ、よく馴染むようになります。
- point! 冬瓜は皮と実の間にも栄養があるので、皮を少し残しながらむくと良いでしょう。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。