監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★☆☆】
パイナップルは暑熱による消化力低下、疲れ、口の渇きを改善します
パイナップル 平性/甘・微酸味 熱を冷まし、口の渇き、消化不良の解消、水分の停滞(湿)の改善 など
明時代の古典書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』には、パイナップルについて「消化吸収を助け、元気を保ち、陽熱を沈め、お腹のつかえを緩和し、痰を切り、酒の解毒、口の渇きを解消し、頭と目をすっきりさせ、気分を落ち着かせる働きを持っている」と記載されています。
栄養学的には、パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素であるブロメラインが特に注目されています。豊富な栄養素に加え、パイナップル酵素により消化を助けたり、むくみ予防におすすめです。
豚肉と白木耳のパイナップル煮
RECIPE
暦の上では立秋を迎えましたが、一年で最も高温多湿な「三伏の日」は8月中旬まで続きます。猛暑で汗をたくさんかくことにより、体液が消耗し、体がだるくなり、夏バテや食欲不振、消化力の低下が起こります。この時期は、そうめんに紫蘇や茗荷などさっぱりとした食事を好む方が多いでしょう。しかし、そればかりでは栄養不足になり、夏疲れを引き起こしやすく、秋になると呼吸器のトラブルを引き起こす恐れがあります。猛暑でも栄養をたっぷり摂ることが重要です。
消化を助ける強力な味方であるパイナップルは、気力を補い、体を潤す豚肉と組み合わせると消化吸収が良くなります。さらに、消化促進効果のあるトマトを加えれば、肉の消化がスムーズに進みます。水で戻した白木耳やオクラも入れることで体液の消耗を防ぎます。夏バテや食欲低下の方にぴったりの簡単なレシピです。ぜひお試しください。
調理時間15分
材料
【2人分】
パイナップル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300g
豚肉の薄切り(ロース)・・・・・・・・・・・・・・100g
白木耳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4g
オクラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2本
トマトの缶詰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1缶
料理酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
塩麹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
オクラを茹でる用:
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
COOKING
- 1豚肉は酒と塩麹で約5分ほど下味を付ける。
- 2白木耳は水で戻し、石づきは切り落とす。
- 3パイナップルを短冊切りにする。
- 4オクラは塩と一緒に茹で、冷水にさらし、斜めに切る。
- 5➀の豚肉で③のパイナップルを巻き、白木耳、トマト缶と一緒に鍋に入れ、10分ほど煮る。
- 6器に⑤を盛りつけ、オクラを飾る。
料理のポイント
- point! トマトの缶詰ではなく、フレッシュトマト中4個でもよいでしょう。
- point! 作り方④で、オクラを茹でた後すぐに冷水にくぐらせることで色をきれいにとどめます。
- point! 豚ロースは塩麹を使うことで、柔らかくしあがります。
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この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。