監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★★☆】もち米は体を温めてエネルギーを益(ま)し胃腸の調子を整えます。
もち米 温性/甘味 食欲不振、息切れ、めまい、疲労回復
お正月といえば「お餅」ですが、中医学的に糯米(もちごめ)には、胃腸の働きを整えエネルギーを益す力があるとされています。また、栄養学的には炭水化物、脂質、たんぱく質のほかにもビタミンB1とカリウムを含み、疲労回復やむくみ予防にも役立つとされています。そして、糯米には下痢を止める働きがあるとされており、お餅特有の粘りによってゆっくりと消化され腹持ちも良いことから、おなかが緩い時には、糯米で粥を作って胃腸をゆっくり休ませるのがおすすめです。
お腹も体も疲れている時のハーブ餅粥
RECIPE
日本の年末年始は、忘年会や新年会、家族や親戚との集まりなどで、食べて飲む機会が多く、胃腸が疲れるシーズンです。そのため、消化器系に負担がかかり食欲不振や消化不良を起こしやすくなります。また、その症状が進行すると栄養の吸収が悪くなり、疲れが取れないなど、疲労回復が遅くなることもあります。
今回は、胃腸の働きを整えエネルギーを益す「餅」と消化を助ける「大根とフェンネル」を使ってお粥にしてみました。フェンネルはスパイスとして有名ですが別名「小茴香」とも言い、体を温めて気の巡りを整える働きもあるとされているため、一緒に使うことで、消化を促進させます。寒い冬のスパイスとして覚えておくと便利です。
調理時間60分
材料
【2~3人分】
<餅粥>
切り餅………………………1個
米(水6カップ)…………1合
大根…………………………120g
パセリ………………………大さじ4
フェンネルシード…………小さじ1
<餅パン>
切り餅………………………1個
水……………………………60ml
小麦粉………………………50g
砂糖…………………………小さじ1/2
ベーキングパウダー………小さじ1と1/2
塩………………………ひとつまみ
COOKING
- 1洗った米と1㎝角のサイコロ状に切った大根、フェンネルシード、水を鍋に入れ火にかける。沸騰したら火を弱め粥になるまでゆっくり炊く。
- 2炊き上がったら1㎝角に切った餅を加え、餅が柔らかくなるまで加熱する。仕上げに刻んだパセリを加え混ぜ器に盛り付ける。
- 3耐熱容器に5㎜角に切った餅と水を入れラップし、500wで約2分加熱し餅を柔らかくする。
- 4餅が柔らかくなったら、温かいうちに振るった粉類を加え混ぜ、こねてひとまとめにする。
- 5④を綿棒を使って8㎜厚に伸ばしたら2-3㎝幅にカットし形を整えて、160度の油でゆっくり揚げる。炊き上がったお粥と一緒にいただく。
料理のポイント
- point! 餅は冷めると直ぐに固くなってしまうため、お粥を頂く直前に入れて柔らかく煮るのが良いでしょう。
- point! パセリの香りに含まれるピネンやアピオールにも、食欲増進・疲労回復などの働きがあるとされているので、パセリを加えたら長く加熱せずに、香も食べる気持ちで頂きましょう。
- point! 餅揚げパンは食べすぎると、かえってもたれの原因になります。食べすぎにならない様に気をつけてください。
この記事を監修された先生
中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べれる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。