監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★★☆】 大根は痰や咳を鎮め、消化促進の働きに優れています。
大根 涼性/辛・甘味 のどの痛みや腫れ、黄色く粘りのある痰や咳、げっぷ、呑酸、口臭、お腹が張って苦しい、食欲低下、二日酔い、便秘、などの改善
秋を迎える今頃は、美しい収穫の季節になります。一方、秋雨前線や度重なる台風の影響で呼吸気道と消化系がダメージを受けやすくなる季節でもあります。痰や湿などの余分な水分が体にたまると、下に降りるべき気が上逆し、げっぷや嘔吐などの症状が目立つようになります。大根は、そんな症状を緩和してくれる作用に優れるほか、胃もたれ、呑酸(どんさん)、二日酔い、便秘、口臭、尿少も解消してくれます。
大根のファルシー
RECIPE
秋雨が去った後の乾燥による咳、のどの痛み、黄色く乾燥した痰がある場合には大根の解毒と潤い作用で症状の改善が期待できます。今回は、大根に解毒、のどの痛みを解消する菊花、余分な水分を取り除くひじき、胃に優しい豆腐と白身魚ベースのはんぺんをプラスしました。脾胃をいたわりながら、乾燥や湿対策もできる一品です。
調理時間20分(※冷凍時間は除く)
材料
【4人分】
大根………………………1/2本
コンソメスープ…………3~5カップ
菊花(乾燥)……………3g
※生なら花4個(約15g)
[餡]
材料A
戻した乾燥ひじき………5g
木綿豆腐…………………100g
はんぺん…………………1枚(約100g)
調味料B
味噌………………………小さじ2
醤油………………………小さじ2
酒…………………………小さじ2
生姜………………………小さじ1
塩…………………………少々
作り方④で使用分
片栗粉……………………小さじ1
COOKING
- 1大根の皮をむき、3~4cm幅に切り。コンソメスープと一緒に保存容器に入れ、平らな状態で冷凍庫で1時間ほど寝かせる。
- 2豆腐は水切りし、AとBと一緒に練り合わせる。
- 3冷凍庫から出した②の大根を解凍せずにスプーンなどでくり抜き、その部分に片栗粉をちらし②の餡を詰める。
- 4大根をひたひたのコンソメスープで落とし蓋をし20分ほど大根が柔らかくなるまで煮る。注:くり抜いた大根もスープにいれ一緒に煮て食す。
- 5大根を器に盛り付ける。
- 6残った煮汁に菊花をいれ、さっとひと煮立ちしたのち大根の上に散らす。
料理のポイント
- point! 今回は、辛味が強く、痰切り、消化促進がより優れている大根の下部を使用しました。
- point! 大根を一度冷凍することで、短時間で煮ることができます。
- point! 菊花は酢をいれた熱湯で湯通しさせるときれいな色を保てます。
この記事を監修された先生
一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。