監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★☆☆】よもぎは体の冷えを取って関節痛をやわらげます。
よもぎ 温性/苦・辛味 冷え症の改善、関節痛をやわらげる、老化予防、月経不順・月経痛をやわらげる など
よもぎはキク科の植物で、春になると都会でも道端で見かけることがある薬草です。一般的には草団子の中に使う食材として知られていますが、モグサとしてお灸に使われたり、韓国の美容法で有名な「よもぎ蒸し」にも使われています。
中医学的には、散寒・温経の働き(体の冷えを取って、経絡を温める)があるため、冷えからくる関節痛や月経痛があるときにおすすめの食材です。また、補血の働きもあるため、月経不順や肌のくすみが気になるときにも役立ちます。
生の葉の汁は、切り傷の出血や虫刺されなどに塗ったり、風呂に入れて体を温めることができます。
よもぎのおやき
RECIPE
冬から春に移り変わるこの季節は、寒邪と風邪(ふうじゃ)の影響を受けやすいとされています。冬の寒さでもともと身体が疲れていたり、冷え症がある場合は、体表のバリアも弱っているため風邪の影響も受けやすく、節々の痛みや頭痛・肩こり、筋肉などの症状が現れることがあります。
今回は、冷えを取って体を温めるよもぎを使った2種類のおやきにしてみました。
①シナモン小豆餡
定番の小豆に、体を温めて冷えからの痛みに働くシナモン。
体の余分な水を排出する働きもあるので、むくみからしつこい冷えになっている人にもおすすめ。
②切り干し大根餡
カルシウムや鉄分が豊富で貧血のときにおすすめの切り干し大根の炒め物。
冷えから来る症状への対策は、まず薄着をしないことが第一ですが、体を温めて冷えを追い出してくれる食材を積極的に摂るようにしましょう。
調理時間45分
材料
酒………………………大さじ2
はちみつ………………大さじ1/2
ごま油…………………大さじ1
小麦粉…………………90g
よもぎ粉………………3g
熱湯……………………70ml
塩………………………ひとつまみ
ベーキングパウダー…小さじ1/2
白ごま…………………適量
黒ごま…………………適量
水………………………70ml
サラダ油………………適量
COOKING
- 1(小豆餡を作る)小豆餡にシナモンを混ぜ、2つに分けて丸めておく。
- 2(切り干し大根餡を作る)切り干し大根は水で戻して1㎝幅に切り、豚肉は1㎝幅の細切り、にんじんは千切りにする。
- 3フライパンを温め、ごま油をひいて②を炒め、酒、しょうゆ、はちみつで味を整え、汁気がなくなるまで加熱し冷ましておく。
- 4(皮を作る)ボールに小麦粉、よもぎ粉、塩、ベーキングパウダーを入れよく混ぜる。
- 5④が全体に混ざったらお湯を加えてよくこね、15分程休ませる。最初は熱いので箸などを使って混ぜ合わせると良い。
- 6⑤を4等分にして丸く伸ばしたら、中に餡を包み、小豆餡には黒ごま、切り干し大根には白ごまを皮の上につける。
- 7フライパンにサラダ油をひき、ごまが付いている面を下にして、両面に焼き色がつくまで中火で焼く。水を入れたら蓋をして、水気がなくなるまで、約4分蒸し焼きにする。
料理のポイント
- point! 生の新鮮なよもぎが手に入る場合は、生のよもぎ30gを下茹でした後、みじん切りにして使うこともできます。
- point! 生地は、こねた後に休ませることで伸びやすい生地になり、成型しやすくなります。必ず寝かせてから成型するようにしましょう。
- point! おやきの餡は、前日のおかずの残り物でも作れますが、水気があると生地がダレるので、汁気を飛ばしてから使うと良いでしょう。
この記事を監修された先生
中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べれる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。