監修:楊 暁波 先生(中医学講師)
楊暁波先生の中医美容レッスン Vol.57
冬の「かゆみ」はどうして起こる?
かゆみやヒリヒリ感(炎症)といった症状は、冬の代表的な肌トラブル。その主な要因は肌の「乾燥」で、乾いた空気はもちろん、冬の「寒さ」も大きく関係しています。
寒くなると、人の体は体温を逃がさないために皮膚表面の血管を収縮させます。すると、血流が悪化し、血液によって運ばれる栄養や潤いが肌に十分行き届かず、乾燥が起こるようになります。加えて、カラカラの空気が肌の潤いを奪っていくため、乾燥が一層進んでしまうのです。
こうした状態が続くと、潤い成分の不足で角質層の細胞間に隙間ができ、バリア機能が低下した状態に。すると、 “かゆみを感じる神経”に外部の刺激が届きやすくなり、「かゆみ」が引き起こされるのです。
さらに、肌を掻くとヒスタミン(かゆみを引き起こす物質)の分泌が促され、かゆみが増すという悪循環が起こります。これが、冬の“かゆみのスパイラル”の正体です。
二十四節気でみる肌トラブル
[冬のかゆみ・炎症を招く中医学の要因]
体の内と外から!冬のかゆみ肌を防ぐ中医美容ケア
肌の潤いを守りながら、体内の乾燥と冷えを改善する。これが、冬のかゆみ・炎症対策の基本です。
<おすすめ食材>
冬の食事は「温補」「滋潤」すなわち「温潤活」が基本。淡甘(自然な旨味)を中心に塩味を抑え、苦味を取ることもポイントです。
●潤いアップ食材:栗、牡蠣、卵、黒ごま、もち米、亀、フカヒレ、スッポン、牛筋、蜂蜜、白きくらげ、果物、松の実 など
●体を温める食材:にら、黒豆、里芋、かぼちゃ、くるみ、シナモン、しょうが、八角、うなぎ、鹿肉、羊肉 など
<スキンケア>
●全身の保湿
肌は全身つながっているため、潤いが逃げないよう体全体の保湿を。スキンケア製品は、“肌に必要な成分”が配合されているものを選んで。
[保湿力 + バリア機能を高める成分]
●皮脂膜を補う:ローズオイル、沙棘オイル、ホホバオイル、オリーブオイル など
●角質層細胞間脂質を保つ:セラミド、コレステロール、リン脂質 など
●天然保湿因子(NMF)を守る:アミノ酸、尿素、ヒアルロン酸 など
[肌を整える中医美容成分]
当帰、薬用人参、地黄、ヨクイニン、紫根、沙棘オイル、珍珠、シルク、はちみつ など
おすすめ:「瑞花露薬用保湿ローション」「瑞花露薬用保湿クリーム」「セ・サージクリーム」など
<暮らしのポイント>
●冬の“早寝遅起き”を心がけ、太陽とともに活動を。
●足から下腹部の保温をしっかり。寒さは足元から侵入します。
●入浴は「長湯や洗い過ぎに気をつけ、ぬるめの湯・肌にやさしい液体の入浴剤選び・入浴後すぐ保湿」を守って!
おすすめ:「瑞花露ボディケア入浴液」「瑞花露薬用ソープ」など
タイプ別養生法 〜体質改善で冬の肌を健やかに〜
この記事を監修された先生
中医学講師楊 暁波 先生
楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など