監修:矢留 江里子 先生(国際中医薬膳師)
【難易度★★☆】百合根は心を落ちつかせてイライラや不安を取りのぞきます。
百合根 平性/甘味・微苦 精神安定、不眠・動悸の改善、咳の緩和 など
百合根は10月頃から早春まで手に入る秋冬が旬の食材で、そのほとんどは北海道が産地だそうです。
「心」(しん)を元気にする百合根は、心を落ちつかせ、リラックス作用に優れ、精神疲労からくるイライラや不安感、動悸などの解消に役立ちます。ほのかな苦みは高ぶった心の熱を鎮め安眠に導きます。
また、「肺」に潤いを与えるので、喉の渇きや咳を抑えるほか、肌の乾燥を改善し、ニキビや吹き出物を防いで美肌効果も期待できます。
また、「肺」に潤いを与えるので、喉の渇きや咳を抑えるほか、肌の乾燥を改善し、ニキビや吹き出物を防いで美肌効果も期待できます。
百合根は鱗片がしっかりしていて白く、傷がないものを選びましょう。
カリカリくるみの百合根茶巾
RECIPE
中国の古典医学書「金匱要略」の中に、「心」の乾燥によって現れるとされる「百合病(びゃくごうびょう)」に関する記載があります。
その症状は寡黙でしゃべりたがらない、眠りたいけど眠れない、動きたいが歩けない、寒気や熱感がはっきりしない、独り言、口苦、尿が濃いなどで、百合のある処方で治療できる病気であることから、「百合病」と名付けられたとされています。
その症状は寡黙でしゃべりたがらない、眠りたいけど眠れない、動きたいが歩けない、寒気や熱感がはっきりしない、独り言、口苦、尿が濃いなどで、百合のある処方で治療できる病気であることから、「百合病」と名付けられたとされています。
秋になると、どんどん日照時間が短くなります。中医学的に言えば陽から陰へ転換していく時期です。季節の変わり目は人も体力を消耗しますので、睡眠時間を確保し、日中は陽の光をしっかり浴びてリズムよく生活していきましょう。
今回使う百合根は、潤いを補いながら精神を支えていく、秋冬にぴったりの食材です。
中に入れるくるみも脳の老化防止、腎を補いアンチエイジングとして役立ちます。くるみは殻を外すと酸化しやすいので早めに食べ切るか、小分けのものを使いましょう。
調理時間50分
材料
【7〜8個分】
百合根……………1個
砂糖………………15g
塩…………………ひとつまみ
くるみ……………7個
グラニュー糖……大さじ3
溶かしたバター…大さじ1
COOKING
- 1百合根を一枚ずつはがして綺麗に洗う。黒いところは包丁などで取り除く。
- 2①を蒸し器で20分蒸し、柔らかくなったら温かいうちに、少量ずつザルでこすかフォークでつぶす。
- 3鍋にグラニュー糖と5滴くらいの水を入れ、弱火でカラメルを作り、熱いうちにくるみを絡め、皿に取り出す。粗熱がとれたら、溶かしたバターにくぐらせ冷蔵庫に10~15分入れておく。
- 4ラップに②を15〜20gと③をのせ、茶巾の形にする。全て成形したら、冷蔵庫で10~15分冷やす。
料理のポイント
- point! 乾燥百合根を使うときは水で戻してから使います。スープ、お粥、茶碗蒸しにも使うことができます。
- point! 百合根をこす工程はブレンダーがあれば簡単です。いずれも温かいうちにこすのがポイント。
- point! 包んだときにくるみのカラメルが溶け出さないようにするため、バターでコーティングしています。 食べる直前に百合根の中に入れるときはバターの工程が省けます。
この記事を監修された先生
国際中医薬膳師矢留 江里子 先生
矢留 江里子(やとめ えりこ)国際中医薬膳師。登録販売者。フードコーディネーター。食空間コーディネーター。NPO日本食育インストラクター。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)卒業。自然療法の料理教室の課程を修了。企業のイベントなどで薬膳講師を務める。イスクラ薬局勤務を経て2023年11月より、吉祥寺にて漢方薬店「薬食同源totonou漢方」 主宰。