監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★★★】スイカは余分な水分を排出し体の熱を冷まします。
スイカ 寒性/甘味 体の熱を取る、暑気あたり・のぼせの改善、利尿作用、体を潤す、喉の渇きを止める、二日酔い改善、口内炎の緩和 など
スイカはウリ科の植物で、古くはアフリカで水がわりに食されていたように、水分率が高く喉の渇きに働きます。
スイカから発見されたアミノ酸の一種「シトルリン」を多く含んでいることでも注目されています。疲労回復や血行不良からの冷えの改善にも役立ちます。
スイカの皮の白い部分はとくに利尿作用が強いです。むくみを解消したい時には、皮の白い部分もサラダや浅漬けなどに使って食べましょう。
スイカとぶどうの酵素ジュース
RECIPE
夏は気温が高く、自然のエネルギーの活動が最も活発なシーズンと中医学では考えられています。そのため、人間の体も影響を受け活発になりますが、その分消耗も激しいシーズンです。また、今年の夏は新型コロナウイルス感染症予防のマスク着用により、体温コントロールが難しくなることが予想され、いつも以上に熱中症対策が必要です。
だからといって、冷たい食事や飲み物はかえって胃を冷やし、夏バテやむくみを招きます。「清熱(せいねつ)」(体の中の余分な熱を取る)作用の食材や、「解暑(げしょ)」(暑気払い)作用のある食材を使って、体温調節を助けましょう。
今回は、体の余分な熱を取りながら、むくみ解消にも役立つスイカと、元気を補うぶどう、気のめぐりを調えるレモン、胃もたれや疲労に働く米麹を使って、酵素ジュースを作りました。ほんのり甘いドリンクです。
ジュースは希釈して飲むだけでなく、ドレッシングなどにもおすすめです。また、酵素は熱に弱いですが、肉を漬け込むと旨味が増すなど、甘味料として使うこともできます。
酵素ジュースを作るときに余るフルーツの実(発酵フルーツ)は、そのままヨーグルトやシリアルと一緒に食べたり、クッキーやパウンドケーキに混ぜ込んで焼いてもおいしいです。
今回のレシピをわかりやすく解説した動画をYoutubeにUPしています。
【Youtubeレシピ動画】
ぜひチャレンジしてみてください!
調理時間約14日間
材料
ぶどう…………………………150g
※漬物等に使った容器は使用不可
目が細かいメッシュ生地
COOKING
- 1フルーツは水で綺麗に洗う。発酵ジュースはフルーツの皮に常在している酵母を使って発酵させるので、洗剤は使わず水洗いする。
- 2洗った食材を皮ごと約3mmの厚さにカットしたら、容器に入れ砂糖800gと米麹を一緒に優しく混ぜ合わせる。この時、フルーツの実がつぶれないようにする。
- 3全体に混ざったら、上に残り200gの砂糖で蓋をして24時間はそのまま直射日光の当たらない屋内に、布巾などをかぶせて置く。
- 4朝晩1日2回手で混ぜて発酵させる。発酵には手の常在菌も働くので、石鹸で洗わず流水のみで綺麗に手を洗ってから混ぜる。
- 52~3日すると混ぜたときに泡が出始め、約1週間で発酵ピーク。ザルを使って実とジュースに分けたら、実は丸1日かけてザルの上でしっかり水気をきり、冷蔵庫で保存する。
- 6ジュースは目の細かいメッシュで綺麗に濾し、同じく直射日光の当たらない屋内で更に1週間熟成させる。途中でアクが出たら綺麗にすくい取る。
- 7ジュースを綺麗な容器に移し、蓋は必ず緩めて保存する。常温でも保存できるが冷蔵保存がおすすめ。1日大さじ1~2杯を1000mlの水で希釈して飲む。
料理のポイント
- point! 手をアルコール消毒した直後等は、殺菌成分が手に残っていることがあり、酵母や発酵菌が痛むので手で混ぜる際は注意しましょう。
- point! 【発酵ピークの見分け方】①細かい泡が出てきた②材料がしおれてきた③香りに青臭さがなくなった
- point! ④甘さがまろやかになった⑤材料がそれまでよりも浮いている⑥混ぜた時、いつもよりほんのり温かい
この記事を監修された先生
中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べれる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。