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「ほうれい線」を薄くしたい!気になる老け見え

2020.01.07 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.45

口元に伸びる「ほうれい線」は、目立ってくるとそれだけでぐっと老けた印象に。メイクでごまかそうにも、深く刻まれたシワはなかなか隠れてくれません。そこで大切なのは、日頃のお手入れ。スキンケアはもちろん、体の中からしっかり対策をして、ほうれい線のできにくい“潤いハリ肌”をキープしましょう。

ほうれい線の正体は“皮膚のたるみ”

ほうれい線は、鼻の脇から口にかけて伸びる深いシワ。乾燥が主な要因となる目元の小ジワと違い、ほほ全体の「皮膚のたるみ」によって現れます。
【ほうれい線の主な原因】
(1)コラーゲンやエラスチンの減少・劣化
肌のハリや弾力は、肌内部のコラーゲンやエラスチンなどによって保たれています。
ところが、これらの成分は紫外線や乾燥、加齢などのダメージによって減少・劣化していくため、30代に入るとその影響が現れるように。40代になると量も急激に減少し、皮膚がたるんでほうれい線が目立つようになります。
(2)筋力の衰え
表情筋(顔の筋肉)は、肌のハリを保つ大切な要素。中でも、口元を囲む口輪筋、口角からこめかみに伸びるほほ骨筋が衰えると、皮膚がたるみやすくなります。表情筋は加齢とともに衰えますが、生まれつきの筋肉の質、無表情なども筋力低下の要因となります。
(3)骨密度の低下
骨密度が減少すると、下顎の骨「下顎骨(げがくこつ)」が縮んで小さくなります。すると、骨と皮膚の間に隙間ができ、皮膚がたるんで、シワやほうれい線ができやすくなります。
その他、噛みぐせや睡眠姿勢などによる骨格のゆがみ、表情のくせ、歯並び、急激なダイエットなども、ほうれい線ができる原因となります。

「腎」「脾胃」の不調も「たるみ」の原因に

中医学では、女性は「7の倍数」の年齢で体に変化が訪れると考えます。美容の面で気になるのは、35歳と42歳の節目。35歳を過ぎると容姿に衰えが見え始め、42歳を迎える頃には、シワやたるみ、白髪などが目立つようになります。
こうした変化は、「腎」の状態の変化でもあります。腎は生命エネルギーの源「精」を蓄え、体の老化や骨の状態と密接に関わる臓器。そのため、加齢とともに腎が衰えると、皮膚の老化、骨密度の低下(骨粗鬆症)などにつながり、皮膚がたるんでほうれい線が目立つようになるのです。
また、35歳は“陽明経絡(ようめいけいらく)が衰え始める時期”ともされています。陽明経絡は「脾胃(ひい)」(胃腸)につながる気・血の通り道。この経絡が衰えると、脾胃の働きが弱くなり、体の栄養が不足しがちになります。すると、肌のハリを保つ「気」(エネルギー)や筋力を十分に養うことができず、皮膚のたるみやほうれい線が現れやすくなるのです。

ほうれい線を薄くする基本のケア

ツボ押し、筋力アップ体操、マッサージ。3つの中医式美肌術で、ほほのたるみとほうれい線をケアしましょう。どこでも気軽にできるので、気づいたらこまめなケアを心がけて。
(1)たるみ対策のツボ押し
ほほのたるみを緩和するツボ
・聴宮(ちょうきゅう)…耳の前の出っ張った骨上部分
・迎香(げいこう)…小鼻の脇
口まわりのたるみを緩和するツボ
・地倉(ちそう)…唇を閉じたとき、口角の外側にあるくぼみ
・聴会(ちょうえ)…耳の前の出っ張った骨の上、口を開いたときにできるくぼみ
それぞれのツボを10回ずつ押しましょう。
(2)筋力アップ体操
・ほほの筋肉引き締め体操
口を大きく「え」の形に開けて、30秒〜1分ほどキープ。
・あごのたるみ予防体操
口を大きく「あ」の形に開けて、30秒〜1分ほどキープ。
(3)リフトアップマッサージ
両手の親指と人差し指であごを挟み、フェイスラインに沿って耳たぶまで引き上げます。10回程度繰り返して。

ほうれい線知らず!体質を整えて体の中からハリ肌に

皮膚は内臓の鏡。肌のハリ・弾力と密接に関わる「腎」と「脾胃」を整えて、体の中からたるみとほうれい線を予防しましょう。
(1)肌の乾燥、老化を防ぐ「腎」のケア
腎の働きは加齢とともに自然と衰えるため、積極的にケアをして肌の老化を予防しましょう。腎は冷えに弱いので、冬は体を温める心がけを。【腎の衰えサイン】
皮膚の乾燥、髪のパサつき、白髪、抜け毛、めまい、足腰がだるい、冷え、不眠 など
【おすすめ食材・生薬】
鹿肉、手羽先、スッポン、えび、牛乳、小魚、大豆類(豆腐、納豆など)、にら、長芋、サージ、刺五加(シゴカ) など
(2)気と筋力を養い、ハリをアップ「脾胃」のケア
冷たい飲食、油っこい料理の食べ過ぎ、暴飲暴食などに注意して、胃腸に負担をかけない食生活を心がけましょう。元気な胃腸でしっかり栄養を取ることが大切です。【脾胃の衰えサイン】
疲労感、食欲不振、消化不良、胃もたれ、むくみ など
【おすすめ食材・生薬】
里芋、かぼちゃ、米、玄米、もち米、豚肉、甘酒、緑豆、魚類、ヨクイニン、薬用人参 など
(3)「光毒」のダメージ対策
中医学では、紫外線などのダメージを「光毒(こうどく)」と言います。皮膚は日常生活の中で光毒にさらされているため、日々のケアでしっかり解毒し、紫外線のダメージを溜めないことが大切です。
【おすすめ食材・生薬】
りんご、白菜、小松菜、大根、れんこん、トマト、もやし、真珠、サンザシ など
もちろん、潤いを保つ日々のスキンケアも大切。コラーゲンを増やす作用のある美容液やクリームなどをしっかり塗って、皮膚のたるみ予防を心がけましょう。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など