監修:楊 暁波 先生(中医学講師)
楊暁波先生の中医美容レッスン vol.21(1)
そのためには、まず自分の身体や肌の状態ときちんと向き合うことが大切。若い頃と比べてがっかりするよりも、今の自分がイキイキと輝く。そんな、年齢に応じた“健やか美肌”をめざしましょう!
美肌の秘訣は「腎」
中医学では、身体や肌の老化は「腎」と密接に関わっていると考えます。これは、腎が生命エネルギーの源「精」を蓄えていて、人間の生殖、成長、ホルモンの分泌など、生命活動に関わる根本的な働きを担っているため。
一方、腎が蓄える精は加齢とともに減少し、腎の機能も自然と衰えていきます。これが全身の臓腑や器官に影響し、さまざまな老化の症状につながるのです。
【腎と美肌の関係】
腎は女性ホルモン(エストロゲンや黄体ホルモンなど)の分泌と深く関係しています。
女性ホルモンは、肌の潤いを保つ「セラミド」を増やしたり、肌にハリや弾力を与える「コラーゲン」の生成を促したりするホルモン。そのため、加齢とともに腎の働きが衰えると、ホルモンの分泌が減り、肌の潤いやハリも失われていくのです。
“7の倍数”で見る腎周期とライフサイクル
女性にとって節目となる年齢は“7の倍数”。つまり、生まれてから7年周期で、身体や肌の状態が大きく変わる時期が巡ってくるのです(7年周期はライフサイクルの目安。実際の年齢には個人差があります)。
「35歳」が肌の分かれ道!
○「後天の精」が不足すると、「先天の精」を十分に養うことができなくなる。
↓
○腎に蓄える生命エネルギーの源である「精」が不足し、腎の働きも低下。
↓
○老化が進み、女性ホルモンの分泌量も減って、肌や髪が衰える。
【「先天の精」と「後天の精」】
「精」には、生まれた時から備わっている「先天の精」と、食事の栄養によって養う「後天の精」があります。
「先天の精」は加齢とともに減少していくため、健やかな生命活動を維持するためには、栄養をしっかり取って「後天の精」を充実させて、「先天の精」を養うことが大切です。
では、肌の老化対策のためにどのようなケアをすればいいのでしょうか。
次回のマガジン「肌の「老化対策」でいつまでも素肌イキイキ!~「腎」と「胃腸」のケア~」では「腎」の働きを健やかに保つ日常のケアをお伝えします。
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この記事を監修された先生
中医学講師楊 暁波 先生
楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など