監修:矢留 江里子 先生(国際中医薬膳師)
【難易度★☆☆】蓮の実は動悸や精神不安を解消し、気持ちの高ぶりや不眠を解消します。
蓮の実 平性/甘味・渋味 不眠・動悸・慢性の下痢・尿失禁の改善など
日本ではあまり馴染みのない蓮の実(はすのみ)ですが、根は野菜のれんこんで、蓮の花が咲いた後にできる種のことです。食用としては乾燥した状態でインターネットなどで購入できます。漢方薬での名前は蓮子(れんし)、蓮肉(れんにく)です。
「脾(ひ)」(胃腸)、「腎」、「心(しん)」(心臓)の働きを整え、動悸、不眠に良く、精神を安定させます。また、慢性の下痢やおりもの、尿失禁を改善します。
「脾(ひ)」(胃腸)、「腎」、「心(しん)」(心臓)の働きを整え、動悸、不眠に良く、精神を安定させます。また、慢性の下痢やおりもの、尿失禁を改善します。
蓮の実の芯は蓮心(れんしん)といって、苦味があり、清熱の作用が強いです。気持ちの高ぶりがあり、寝つけないときに茹で汁を取っておいて飲むのもよいでしょう。強壮作用もあるので、過労で気力が出ないときにも助けになります。
蓮の実と百合根の炊き込みご飯
RECIPE
5月のゴールデンウィークが明けると、暦の上では夏になり、万物が成長し、陽気が旺盛になる季節になります。中医学で夏は、五臓でいう「心」に属し、炎上、火熱の性質を持ちます。「心」は精神、意識、思考を主り、その栄養や潤いの不足、またバランスが崩れると不眠や多夢、焦燥感など、精神をかき乱す症状が起こりやすくなります。
ストレスを溜め込まず、こころを充分に開放し、体内の陽気を外に向かって解放させるようにすることが夏に適応する養生です。今回は蓮の実と同じく、精神安定や安眠に良いとされる百合根を一緒に炊き込みご飯にしました。胃腸が弱く、疲れているときはお粥にしても良いでしょう。この2つの食材のお粥は心の不安定な時の代表的薬膳です。
調理時間60分
材料
【3~4人分】
米…………2合
蓮の実……15粒くらい
百合根……1株
にんじん…5センチくらい
油揚げ……1枚
水…………2合炊飯の量
水…………2合炊飯の量
酒…………大さじ1
しょうゆ…大さじ1
COOKING
- 1米を洗いザルに上げておく。
- 2ひたひたのお水を鍋に入れて沸騰させ、よく洗った蓮の実を約10分弱火で硬めに茹でる。
- 3百合根を一片ずつはがし、泥を落としながら洗う。にんじんを千切りにする。
- 4油揚げは湯にさっと通し、軽く手で挟んで湯と余分な油を取る。 米粒と同じになるくらい細かいみじん切りにする。
- 5炊飯器に①、水、酒、しょうゆを加えて軽く混ぜる。 ②~④を入れ炊飯器で炊く。
料理のポイント
- point! 蓮の実を茹でた茹で汁は炊飯の時に一緒に加えても、 お茶(煎じ液)として飲んでも良いです。
この記事を監修された先生
国際中医薬膳師矢留 江里子 先生
矢留 江里子(やとめ えりこ)国際中医薬膳師。登録販売者。フードコーディネーター。食空間コーディネーター。NPO日本食育インストラクター。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)卒業。自然療法の料理教室の課程を修了。企業のイベントなどで薬膳講師を務める。イスクラ薬局勤務を経て2023年11月より、吉祥寺にて漢方薬店「薬食同源totonou漢方」 主宰。