「不眠」はキレイの大敵! 体ケアで”ぐっすり体質”に - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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「不眠」はキレイの大敵!
体ケアで”ぐっすり体質”に

2023.04.04 UPDATE

監修:楊 紅娜(中医学講師)

楊紅娜先生のBeauty & Relax Vol.6

“美肌は夜つくられる”“寝ないと老ける”……。女性なら、一度はそんな言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。こうした説にはきちんと理由があって、キレイをキープするためには睡眠はとても大切なもの。寝つきが悪い、眠りが浅い、といった「不眠」の症状を感じている人は、しっかりケアをして睡眠の質を高めましょう。

精神トラブルが「不眠」を招く

睡眠と美容に深い関係がある理由は、美肌を保つ上で欠かせない2つのホルモン(成長ホルモン、睡眠ホルモン)が、夜の睡眠中に分泌されているから。成長ホルモンは肌のターンオーバーを促し、日中に受けた紫外線などのダメージを修復してくれます。また、睡眠ホルモン(主にメラトニン)には強い抗酸化作用があり、肌の老化を緩やかにする働きも。そのため「不眠」で十分に睡眠が取れないと、ターンオーバーが乱れ、老化も進みやすくなり、肌荒れやシミ、くすみといった不調が起こりやすくなるのです不眠を招く主な要因は、ストレスや過労、精神的な刺激など。中医学でも、不眠は精神の乱れから起こる症状とされ、次のような体内の不調が精神状態の悪化につながると考えます。
【精神トラブルを招く体内の不調】
・陽虚(体のエネルギー不足)
・陰虚(体の潤い不足)
・血虚(体の栄養不足)
・肝うつ(気の巡りの停滞)
・痰熱(余分な水分・汚れの停滞による熱)
こうした体質は、精神活動やストレスをコントロールする「心」「肝」の機能低下につながります。その結果、不安感、憂うつ、イライラといった精神トラブルを起こし、不眠を招きやすくなるのです。また、質の良い睡眠を取るためには、体内の「陰陽」バランスが保たれていることが大切。そのため、上記のような陰陽バランスの崩れた体質になると、睡眠の質が落ちてしまうのです。
「不眠」の主な症状
・寝つきが悪い
・眠りが浅く、夢が多い
・夜中に何度も目が覚める
・早朝に目が覚める

簡単! 不眠対策の“つぼ押しケア”

ツボ押しのポイントは、“いた気持ちいい”と感じるくらいの強さでゆっくり押すこと(3〜5回程度)。強すぎず・多すぎず、“ちょうどいい”と感じる程度のケアを心がけましょう。
【不眠に効くツボ】
神門(手首のしわの小指側端、手首をそらすとくぼむところ)
四神聰(頭頂部の前後左右指1本外側)
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【タイプ別・体質改善のツボ】
下記のタイプ別症状から、自分の体質をチェックしてみて。
〈陽虚タイプ〉
①大椎(だいつい):うつむいた時、首のつけ根でいちばんでてている骨のすぐ下
②命門(めいもん):左右の腎兪の中間、背骨の上、
③腎兪(じんゆ):ウエスト位置、背骨から指2本分外側
④関元(かんげん):へそから指4本分下
⑤神闕(しんけつ):へそ
〈陰虚タイプ〉
⑥印堂(いんどう):陥没している眉間の中央
⑦陰交(いんこう):へそから親指1本分下
⑧志室(ししつ):ウエストの一番細いくびれラインの上
⑨太谿(たいけい):内くるぶしとアキレス腱の間の窪み
⑩復溜(ふくりゅう):内くるぶしから指3本分上
〈血虚タイプ〉
⑪血海(けっかい):ひざの内側、皿から指3本分上
⑫肝兪(かんゆ):肝の背部
⑬脾兪(ひゆ):肝兪から指3本分下
⑭足三里あしさんり):膝の皿の下・外側の窪みから指4本分下
〈肝うつタイプ〉
⑮太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の骨が交わるところの窪み
⑯風池(ふうち):首の付根。後頭骨の下のくぼみ
⑰行間(ぎょうかん):足の甲にある親指と人差し指の間
⑱侠渓(きょうけい):足の甲の薬指と小指の間
⑫肝兪(かんゆ):肝の背部
〈痰熱タイプ〉
⑲豊隆(ほうりゅう):すねのやや外側、足首と膝の中間
⑳上脘(じょうかん):へその指幅5本分上
㉑曲池(きょくち):ひじを曲げた時にできる、シワの終わるところ
㉒内関(ないかん):腕の内側、手首から指3本分上

体質ケアで睡眠の質をアップ

“ぐっすり快眠”は美容と健康のカギ。日々の食事から体内の不調を改善して、不眠や精神トラブルを起こしにくい体質をめざしましょう。
陽虚タイプ
冷え、むくみ、腹痛、生理痛などの症状が現れます。
[おすすめ食材]
しょうが、にら、ねぎ、羊肉、シナモン、フェンネル、クローブ、くるみ、紅茶 など
陰虚タイプ
冷のぼせ、寝汗、目の乾燥、のどや口の渇き、コロコロ便などの症状が現れます。
[おすすめ食材]
白きくらげ、ゆり根、山芋、セロリ、黒ごま、すっぽん、梨、枸杞の実、マルベリー など
血虚タイプ
女性に多く、精神疲労、動悸、めまい、肌や髪のカサつき、抜け毛などの症状が現れます。
[おすすめ食材]
レバー、烏骨鶏、プルーン、にんじん、ほうれん草、龍眼肉、棗、枸杞の実、紅茶、玄米茶 など
肝うつタイプ
イライラ、怒りっぽい、目の充血、口の乾き、尿の色が濃い、便秘気味などの症状が現れます。
[おすすめ食材]
冬瓜、苦瓜、緑豆、あずき、たけのこ、セロリ、菊花、スベリヒユ、バラ茶、緑茶 など
痰熱タイプ
過食気味な人に多く、頭重、めまい、むくみ、胸が重苦しい、吐き気、痰が多いなどの症状が現れます。
[おすすめ食材]
はと麦、いんげん、山芋、冬瓜、海藻類、緑豆、山査子、陳皮(みかんの皮)、どくだみ茶 など

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 紅娜

楊紅娜(よう こうな)中医学講師。 登録販売者。鍼灸師。 2006年遼寧中医薬大学修士号取得。 2006年~2016年、大連市にて精神科臨床医として10年間勤務。 「中国摂食障害の防治指南」の編集委員担当。 2016年来日。日本にて登録販売者、鍼灸師取得。