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夏にできやすい口内炎の3つのタイプ別対策と予防法

STUDY中医学の基礎

夏にできやすい口内炎の3つのタイプ別対策と予防法

2021.08.17 UPDATE

口内や舌に、水疱、びらん、潰瘍ができて痛みを伴う「口内炎」。一度できるとなかなか治らず、飲食のたびに痛みを感じて食事もろくに摂れない…なんてつらい経験をされた方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな口内炎のタイプ別対策・予防法をお伝えします。

胃腸の状態は口内や唇に現れる

口内炎は、暴飲暴食、便秘、寝不足、ストレス、過労によって引き起こされることが多く、中医学ではおもに「脾胃(ひい)」(胃腸)と「心(しん)」の異常に着目して考えます
舌は“心の苗”、口(唇)は“脾胃の華”と言われ、心や脾胃の状態は舌や口(唇)に現れやすいです。
 
特に五行説において脾は“長夏”、心は“夏”に属し、胃腸の調子が悪いと、夏に口角炎や口内炎ができやすく、悪化させてしまう人も少なくありません。
今回は、患部の状態や全身の症状から3つのタイプに分けてご紹介。自分がどのタイプに当てはまるのかチェックし、日々の養生に活用してくださいね。

(1)心火(しんか)・胃熱タイプ

【よくみられる症状】
患部が紅く腫れて化膿、びらんがひどく痛みが強い、顔の紅潮、イライラ、眠れない、よく夢をみる、口臭がある、便秘、尿色が濃い黄色、口が渇き冷たい水を飲みたがる、舌が紅い、苔が厚くて黄色い
 
【考えられる原因】
(1) 食べ過ぎ、飲み過ぎ、酒、タバコ、辛いものの摂りすぎによって胃熱が生じている状態。
(2)精神的なストレスによって、心に熱が発生する「心火」が起きている状態。

【予防・改善方法】
●清熱・利尿・消腫の食材を摂り、胃熱・心熱を取り除く
苦瓜、きゅうり、ヘチマ、トマト、セロリ、青梗菜、空心菜、アロエ、海藻、もずく、西瓜、緑豆、春雨、緑豆もやし、緑茶、ドクダミ茶、ハブ茶、熊笹(クマザサ)茶 など

※ハブ茶のハブ(決明子):清熱や通便、利尿や明目(目を鮮明にする)作用がある。便秘ぎみの方におすすめ。
※熊笹茶の熊笹:殺菌や利尿、胃熱を取り除く作用がある。口内炎のびらんや潰瘍、口臭の改善におすすめ。

※おすすめレシピ
苦瓜と卵の炒めもの

●肉類など高カロリーのものを控える

●清心安神のツボを押す
神門(しんもん):手首のしわの小指側端、手首をそらすとくぼむところ。不安感やイライラを緩和します。

(2)陰虚内熱タイプ

【よくみられる症状】
腫れは少なく患部が紅い、びらんや化膿は少ないが痛みは強くて慢性化しやすい、のぼせ・ほてりを起こしやすい、耳鳴り、口は渇くが水を多く飲まない、寝付きが悪い、寝汗をかく、足腰が弱い、舌が紅く裂紋がある、苔が少ないもしくは全くない
 
【考えられる原因】
(1)過労、慢性的な寝不足、過度な性生活。
(2)慢性疾患により陰液の消耗(陰虚)によって内熱が生じた「虚熱上炎(きょねつじょうえん)」の状態。
 
【予防・改善方法】
●養陰・清熱の食材を摂り、陰を補って虚熱を取り除く
きゅうり、トマト、れんこん、百合根、えび、はまぐり、牡蠣、ピータン、豆腐、豆乳、牛乳、ヨーグルト、ごま、松の実、スイカ、メロン、ぶどう、はちみつ、緑茶、枸杞茶、菊花茶 など
 
※おすすめレシピ
・豆腐とピータンの和え物
・蜂蜜とヨーグルト
 
●滋陰・清熱のツボを押す
廉泉(れんせん):顎の真下の少しへこんだ部分。

(3)脾気虚タイプ

【よくみられる症状】
患部は白っぽい、びらんと化膿はあまりない、痛みは軽いが治りにくく慢性化しやすい、倦怠感、立ちくらみ、食が細い、お腹が冷えて痛む、軟便・下痢を起こしやすい、かぜを引きやすい、舌質が淡い、舌苔が白くて薄い
 
【考えられる原因】
(1)過労、脂っぽいもの・冷たいもの・甘いものを摂り過ぎている。
(2)慢性疾患により「脾気」が消耗し、免疫機能の要である粘膜が弱っている。
 
【予防・改善方法】
●健脾・益気の食材を摂り、粘膜のバリアを強化する
長芋、大和芋、自然薯、かぼちゃ、にんじん、キャベツ、鶏肉、鶏卵、うなぎ、はも、大豆、納豆、きのこ類、りんご、緑茶、紅茶、朝鮮人参茶 など
 
※おすすめレシピ
・とろろを使った料理
・かぼちゃと鶏肉の煮物
 
●健脾・益気・強壮のツボ
足三里(あしさんり):膝頭の外側の下にできるくぼみから指4本下。

生活習慣を見直し胃腸を健やかに!

どんなタイプの口内炎でも食べ過ぎや飲み過ぎ、大酒や喫煙、辛いものは悪化させる要因になるので控えましょう。
また、過労に注意し、十分に睡眠をとり、遅くても夜の12時前には寝るようにして、適度な運動でストレスを発散することも大切です。

ぜひ中医学の考え方を取り入れ、普段の生活から体質を改善し、口内炎ができにくい体作りを目指しましょう。

PROFILE

中医学講師楊 敏 先生

楊 敏(よう びん)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。同大学中医診断学研究室常勤講師・同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳を経て、現在、上海中医薬大学附属日本校教授。日本中医薬研究会や漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
主な著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著)『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』、『(実用)舌診マップシート』(東洋学術出版社)など。

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