子どものデリケート肌を健やかに【乳児編】〈二十四節気の中医美容学:立春・雨水〉 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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子どものデリケート肌を健やかに【乳児編】
〈二十四節気の中医美容学:立春・雨水〉

2021.02.02 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン Vol.58

季節の変化を24に分けて表した「二十四節気」のうち、2月の節気は「立春」と「雨水」。梅の花がほころび始め、降る雪は大地を潤す雨へと変わり、ようやく春の兆しが見え始める季節です。とはいえ、厳しい寒さや乾燥は相変わらず。大人はもちろん、子どものデリケートな肌は、これから春にかけてトラブルを起こしやすい時期が続きます。

そこで、今回から2回にわたってお届けするのは中医美容学を活かした「子どもの肌ケア」。初回は生後6カ月頃までの「乳児」についてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「子ども肌」の基礎知識

赤ちゃんや子どもの肌はぷるぷるとしていますが、実際には未熟な状態。外部刺激から肌を守る「角質層」が薄く、潤いを守る「皮脂膜」も不十分です。そのため、赤ちゃんや子どもの肌はバリア機能が低く、かゆみや湿疹、感染症などのトラブルが起こりやすいのです。
ただし、生後0〜6カ月くらいまでは、母親由来の黄体ホルモンの影響で皮脂が多く分泌されます。赤ちゃんは汗っかき(大人の2〜3倍の発汗)で雑菌も増えやすいので、この時期は炎症などのトラブルが起こりやすくなることも。このように、子どもの肌は年齢によって変化があるので、成長に応じた適切なケアを心がけることが大切です。
【子ども肌の特徴】
・角質層が薄く、バリア機能が弱い。外部の刺激にも敏感。
・生後0〜6カ月くらいは脂の量が多く、雑菌が増えやすい。
・生後3〜6カ月以降は皮脂の分泌量が少なくなり、乾燥しやすい。
【起こりやすいトラブル】
脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎(かぶれ)、風疹、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)、猩紅熱(しょうこうねつ)紅色の小さな発疹が全身にでる など バリア機能が弱い赤ちゃんや子どもはウイルス感染症にかかりやすいため、ワクチン接種などで予防を心がけて。また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、幼少期からの適切な対処で軽減、または発症を抑えることも期待できるので、幼い時期からきちんと肌をケアすることが大切です。

参考:最新皮膚科学体系特別巻1

未発達な「胃腸」がデリケート肌の要因に

中医美容学では“皮膚は内臓の鏡”と言われ、赤ちゃんや子どものデリケートな肌の状態にも、未発達な臓器が影響していると考えます。

中でも大きく影響しているのは「脾胃(ひい)」(胃腸)です。脾胃は、食事から摂取する栄養や潤いで肌を養い、「衛気(えき)」(肌や体のバリア機能となるエネルギーを生み出しています)。そのため、脾胃が未発達で消化・吸収の力が弱い赤ちゃんや子どもは、衛気を十分に養うことがでず、肌の栄養や潤いも不十分で、バリア機能が弱くなってしまうのです。

また、赤ちゃんや子どもは“純粋な「陽」の体質”とされ、エネルギーが強く新陳代謝が活発なことも特徴。そのため、炎症など熱性の肌トラブルが起こりやすくなります。

このように、赤ちゃんや子どもの肌を健やかに保つためには、栄養をしっかり取ることも大切。忙しい現代では子どもの食生活も乱れがちですが、脾胃を元気に保ち、日々の食事でバランス良く栄養が取れるよう心がけましょう。

乳児(生後0〜6カ月)の肌ケアは「デトックス」が基本

生後0〜6カ月くらいは、皮脂量が多く雑菌やウイルスが繁殖しやすい時期。かゆみや湿疹、炎症などのトラブルを起こしがちなので、「デトックス」を基本に肌を清潔に保つことが大切です。
【乳児のデトックス・スキンケア】
①肌を清潔に保ち、常在菌バランスを整える
基本は1日1回、汗をかきやすい夏は1日2回を目安に入浴(沐浴)し、汗や汚れをきれいに洗い流しましょう。
<入浴ポイント>
・石けんはアルカリ性を避け、肌と同じ弱酸性のものを。
・赤ちゃんの肌はデリケート。こすり過ぎず、柔らかいガーゼなどでやさしく洗って。
・お湯は少しぬるめの38度くらいが適温です。
・赤ちゃんは体温が高くのぼせやすいので、長湯は禁物。入浴は10分程度に。
・関節や首の下などのシワの間もきれいに洗い、水分の拭き取りも丁寧に。
②適度な保湿で肌を乾燥から守る
入浴後は全身の保湿ケアを忘れずに。生後0〜6カ月くらい(皮脂分泌の多い時期)は、ローションや乳液など軽めの保湿でOKです。
[雑菌から肌を守る中医美容成分]
五行草、たんぽぽ、緑茶、金銀花、山椒、山梔子(さんしし)、よもぎ、紫根、沙棘

気になる乳児の「乳痂」(かさぶた)対策

皮脂分泌の多い乳児期に起こりやすい肌トラブルの一つに「乳児性脂漏性皮膚炎」があります。頭皮や顔など皮脂腺の多い場所に起こる炎症で、頭皮にできるかさぶた状の「乳痂(にゅうか)」(皮脂が固まったもの)、顔の赤いブツブツといった症状が現れます。
突然の症状にとまどうお母さんも多いようですが、乳児期の炎症は自然に治ることが多いので、適切なケアで肌を整えながら症状を落ち着かせてあげましょう。
【中国のおばあちゃんの知恵袋】
[紫根オイルの炎症ケア]
抗炎症作用のある生薬「紫根」のオイルを使って。乳痂は無理にはがすと炎症が悪化してしまうので、紫根オイルを塗り、柔らかくなったらガーゼなどでそっと取り除きましょう。紫根オイルの作用は穏やかなので、お尻など炎症を起こしやすい部分や炎症を起こした肌の日常ケアにも取り入れてみてください。
※紫根オイルがない場合は、オリーブオイル、沙棘オイルなどでもOK。
●紫根オイルの作り方:
オリーブオイルなどに紫根(オイルの10%程度の重さ)を入れ、2週間から1カ月程度つける。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など