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低気圧の体調不良を中医学的ケアで改善!

STUDY中医学の基礎

低気圧の体調不良を中医学的ケアで改善!

2020.04.21 UPDATE

雨天時や台風、雨が降る直前など気圧が下がるタイミングで体調不良を訴える人がいます。一般的に「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれるもので、なかなか理解されず、つらい思いをしている人も多いのではないでしょうか。

気候のせいだからと諦めず、中医学的ケアで低気圧の不調を改善する方法をご紹介します。

低気圧によくあらわれる症状

低気圧でも普段と変わらない人もいれば、体調不良を感じる人もいます。
頭痛、頭重、めまい、肩こり、だるい、むくみ、ひどい眠気、気分の落ち込みなど、その症状は多岐にわたります。自覚がある人はもちろんですが、「天気が悪いとなんとなく具合悪い気がする」といった感覚で感じる人も。
 
人によっても違いますが、低気圧のたびにこのような症状に悩まされると、仕事効率も低下し、日常生活にも支障がでてきますよね。

中医学的に考える低気圧に体調を崩しやすい体質

なぜ、低気圧によって体調不調が出る人と出ない人がいるのでしょうか。中医学的に考えると、「脾」(胃腸)の働きに必要な「気」(エネルギー)が不足している「脾気虚(ひききょ)」と深く関係しています。
 
体調不良を感じやすい人は、もともと「脾気虚」の体質を持ち、そして低気圧の影響で、「脾不昇清」、「脾虚挟湿」の2つの状態を引き起こしていると考えます。

(1)脾不昇清(ひふしょうせい)
五臓の一つである「脾」は、飲食物を吸収して気血を生み出し、全身に運ぶ働きがあります。これを「運化機能」といい、飲食物の栄養素を上焦の肺・心に持ち上げること(昇清)で、気・血を作り出し、全身へ送っています。
しかし、低気圧の影響をうけると、脾の機能が低下し、十分な栄養素を持ち上げることができなくなるので、気血を作る量も減り、頭や全身を滋養できずに頭痛、めまい、だるい、眠たいといった症状があらわれやすくなります。
 
(2)脾虚挟湿(ひきょきょうしつ)
脾は湿に弱く、低気圧から湿気の影響を受けると、さらに脾の運化機能が低下し、正常に働くことができなくなります。すると、水分代謝が悪くなってむくみがあらわれやすくなります。水の巡りが悪くなり、気血も滞ることで頭が重い、肩こりといった症状も出てきてしまいます。

低気圧による体調不良は日頃のケアで対策

(1)「脾気虚」体質の改善
脾気虚を改善するためには、低気圧のときだけ端的にケアするのではなく、普段からこまめな改善を心掛けることが大切です。
食事には健脾・補気作用のある食材をとりましょう。長いも、きのこ、鶏肉、スペアリブなどがおすすめです。手軽で無理なく続けられる方法は、これらの食材をスープでいただくこと。自分へのご褒美に、特に補気作用が高い高麗人参を入れてサムゲタンスープにするのもおすすめです。
また、簡単に作れる料理として、元気を補うニラ玉がおすすめです。ニラは、中国では別名「起陽草(きようそう)」とも呼ばれ、温める作用が強く、陽気が上がることからも積極的に取りたい食材です。
 
(2)気血の巡りを促すツボを押す
風池(ふうち)…後頭部下、頭を支える太い2本の筋肉のはえぎわ。
肩井(けんせい)…乳頭から真上に手をすり上げ、肩の一番高いところ。
押すと滞りが改善します。頭痛、頭重、肩こり対策としておすすめです。
 
(3)お風呂で簡単マッサージ
お風呂に入ったときに陰陵泉を揉んだり、足を上に向けて足首からももまで擦るように10回ぐらいマッサージをするとむくみ改善に繋がります。
陰陵泉(いんりょうせん)…膝下にある内側の骨で、細くなってくぼんでいるところ。

普段から気をつけたい4つのNG習慣

(1)夜ふかしなど過労は禁物
遅寝、徹夜などの過労を避け、できるだけ早めに休むようにしましょう。動いていなくても、テレビやインターネットを見つづけることも過労の原因になります。
めまいやだるさ、頭痛があっても仕事を休めないという方は、脾にやさしい食事を摂り、少しでも休息をとれる時間を作るように心がけると良いでしょう。
 
(2)飲み過ぎ、食べ過ぎ、偏食は避ける
脾の働きを良くするには栄養バランスのとれた食事が大切です。
 
(3)運動不足に気をつける
元気の源である「気」を増やすためには、肺から入る清らかな「気」を上手に吸収することも大切です。適度な運動で多くの気を取り入れられます。晴れた日には外で散歩やジョギングをすると良いでしょう。
 
(4)ストレスの溜め込み注意
ストレスが溜まり、眠れなくなると気血の流れが滞り、頭痛やめまいがあらわれやすくなります。極力、ストレスは溜め込まないようにし、うまく発散することを心がけましょう。
 
天気や気候による体調不良は「気のせい」だけではありません。自身のちょっとした変化に目を向け、日常生活や食養生で改善していきましょうね。

PROFILE

中医学講師楊 敏 先生

楊 敏(よう びん)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。同大学中医診断学研究室常勤講師・同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳を経て、現在、上海中医薬大学附属日本校教授。日本中医薬研究会や漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
主な著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著)『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』、『(実用)舌診マップシート』(東洋学術出版社)など。

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