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めざせ手元美人!潤いケアで指先までキレイに

2020.03.03 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.47

見落としがちだけれど、意外と人目につくのが「手」。指先まできちんと手入れの行き届いた手は、年齢を問わず素敵なものです。とはいえ、日常生活の中では家事や仕事に追われてつい手が荒れてしまうことも。乾燥や年齢の影響が出やすいパーツだからこそ、丁寧なハンドケアで“手元美人”をキープしましょう。

手指が乾燥・老化しやすい5つの理由

ふと手元を見ると、なんだかくすんで血色が悪く、指先もガサガサ……。そんな自分の手にがっかりすることはありませんか?
実は、手や指は体の中でも特に乾燥や老化のダメージが目立ちやすいパーツ。顔と比べてついお手入れを怠りがちですが、皮膚の構造はもちろん顔と同じなので、セラミドやアミノ酸などの天然保湿因子、コラーゲンなどの保湿成分でしっかりケアすることが大切です。
【手指が乾燥・老化しやすいワケ】
(1)皮脂腺が少ない
手の甲は顔などと比べると皮脂腺が少なく、手のひらには皮脂腺がありません。そのため、潤いを守る皮脂膜が薄く、肌が乾燥しやすいのです。
(2)角質層が厚い
手や指は、潤いを守る皮脂膜が薄いかわりに、角質層が厚くなって皮膚を保護しています。乾燥や摩擦などの刺激を受けると角質層の弾力が失われ、ひび割れやゴワつきなどが起こります。
(3)水や洗剤に触れる機会が多い
家事や手洗いなどで、手は日に何度も水や石鹸、洗剤などに触れています。その都度、手指から皮脂や保湿成分が失われるため、ケアをしないと乾燥やささくれ、手荒れが進んでしまうのです。
(4)紫外線にさらされている
手指は衣服に覆われることがほとんどないため、常に外気にさらされています。その分、乾燥しやすく、紫外線のダメージも受けやすいのです。
(5)日常的に刺激を受けている
文字を書いたり、家事をしたり、指輪を付けたりと、指先は日常生活の中で常に刺激を受けています。そのため、きちんとケアをしないと乾燥やタコ、肥厚(ひこう)、皮膚が厚くなり手のしわが深くなる苔癬化(たいせんか)が起こりやすくなります。
また、アルコール消毒は、手の皮脂を溶かし手荒れを引き起こします。アルコール消毒の後はすぐに保湿することを心がけるといいでしょう。

中医学で考える手指と臓腑の関係

中医学では「皮膚は内臓の鏡」と言われ、手指の状態も体と密接に関わっていると考えます。五臓の中で特に関係が深いのは、体内の「気」(エネルギー)や「血(けつ)」と関わる「脾胃(ひい)」(胃腸)、「肺」、「心(しん)」の3つの臓器。皮膚は気のエネルギーや血が運ぶ栄養によって養われているため、気血を生む脾胃と肺、血を巡らせる心が元気であれば、潤いのある健やかな手指を保つことにつながります。
反対に、脾胃や肺の不調で体内の気血が不足したり、心の働きが低下して血の巡りが悪くなったりすると、指先まで十分な潤いや栄養が行き届かず、乾燥したカサカサの手指になってしまうのです。
【指と臓器の関係】
5本の指には、それぞれに経絡(気血の通り道)が通っています。
・親指:肺経(肺や気管支などに関連)
・人差し指:大腸経(大腸の働きに関連)
・中指:心包経(心臓や循環器のコントロール)
・薬指:三焦経(肝、心、胃、肺、腎のコントロール)
・小指:心経(心臓、血液循環器に関連)/小腸経(小腸の働きをコントロール)

指先までふっくら潤う「中医式ハンドケア」

ハンドケアの基本は、十分な「保湿」と「血流アップ」。毎日の習慣にして、キレイな手指をキープしましょう。
【基本のケア】
手洗いや水仕事の後は、その都度ハンドクリームで保湿を。また、手元にハンドクリームを常備して、乾燥を感じたらこまめに潤いを補給しましょう。乾燥する冬は、クリームの後にオイルやワセリンなどをプラスして潤いを逃さないことも大切です。
・セラミドや天然保湿因子、尿素、リン脂質(リポソーム)など、潤い成分配合のハンドクリームを選んで。
・薬用人参、当帰(とうき)、薏苡仁(ヨクイニン)、地黄(じおう)、沙棘油(サージ)など、生薬配合の化粧品もおすすめです。
・水仕事をするときは、ゴム手袋でしっかり保護しましょう。
・外出時は日焼け止めを塗って紫外線対策を。
【潤いを閉じ込める「ODTパック」】
指先にささくれができるなど、乾燥が強いときはODTパック(密封療法)で潤いを浸透させて。
(1)ハンドクリームをたっぷり塗る
(2)ラップで包む
(3)濡れタオルを電子レンジで1分程度温めたホットタオルで20〜30分ほど温める
【血流アップの指マッサージ】
クリームやオイルをたっぷり塗って、指先から付け根に向かって1本ずつマッサージ。
1日3〜5回を目安に続けて、手指の血流を促しましょう。

手指の荒れを繰り返さない!体質改善でキレイな手指をキープ

手指の皮膚は、「気」のエネルギーや「血」の栄養によって養われています。そのため、キレイな手指をキープするためには、バランスの良い食事でしっかり栄養を取り、体内の気血を充実させることが大切。もちろん、過度なダイエットは栄養不足につながるので禁物です。また、生活のリズムを整えて、十分な睡眠を取ることも心がけましょう。
【気血不足のサイン】
指先が白くカサカサ、しもやけができやすい、月経不順、冷え症、かぜを引きやすい、めまい、立ちくらみ、動悸 など
【気血を補うおすすめ食材】
米、大豆、黒豆、にんじん、かぼちゃ、山芋、きのこ、玉ねぎ、りんご、鶏肉、牛肉、豚肉、レバー、小松菜、プルーン、黒きくらげ、レーズン など
皮がむける、指の間に水泡ができて痒みがある、指先のレイノー現象(皮膚が蒼白、紫色などに変色)、チアノーゼ(皮膚が青紫に変色)などの症状がある場合は、病気が原因の可能性もあります。気になる症状がある人は、早めに病院を受診しましょう。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など