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「冷え」は美肌の大敵!温活で冬肌をキレイに

2019.11.05 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.43

初冬を迎え、空気がすっかり冷たくなる季節。これから寒さが本格的になると、つらい「冷え」に悩まされる人も多いのではないでしょうか。冷えは”万病の元”とも言われますが、実は“美肌の大敵”でもあります。元気な肌で毎日を過ごすためにも、今からしっかり冷え対策をして冬の寒さを乗り切りましょう。

「冷え」って体温が低いこと?

多くの女性を悩ませる体の「冷え」。冷たく感じる手足に“自分は体温が低い”と思う人も多いようですが、実際にはそうとは限りません。
平熱は、健康な人で36.5〜37.1度くらい。36度以下になると「低体温※」とされています。一方、冷えは自覚症状によるもので、「手足や腰が冷たくてつらい」「ぞくぞく寒気がする」といった症状を感じる場合は冷え症と考えます。
いずれにしても、体が冷えていると不眠や肩こり、関節痛、便秘などさまざまな不調が起こりやすくなります。元気を保つためには冷えの改善が大切なのです。
※医学的な症状である「低体温症(35度以下)」とは区別されます。

「冷え」は肌トラブルを引き起こす

冷えは、体を温める「血」が毛細血管まで十分に行き届かず、手足などが冷えてしまう症状。体内の血不足や血行不良が主な要因となります。
一方、血は体を巡って全身に潤いや栄養を運び、いらなくなった老廃物を回収する働きも担っています。そのため、血が体のすみずみまでしっかり届かないと、肌の栄養や潤いが不足し、老廃物も溜まって、乾燥やシミ、くすみ、たるみといったトラブルが起こりやすくなるのです。
中医美容で考えると、まず美肌の条件は「う(潤い)・つ(ツヤ)・な(滑らかさ)・は(張り)・だ(弾力)・け(血色)」がポイント。こうした状態を保つためには、肌のエネルギーとなる「気」、肌を養う「血」、潤いを与える「津液(水分)」を充実させ、スムーズに巡らせることが大切です。
中でも、気と血は冷えとの関わりが深い要素。気は“血の生成”や“血の巡り”を促すエネルギーとなるため、冷えを改善して肌を整えるためには、気血の状態を健やかに保つことが大切なのです。

早めの「温活」で冬肌美人に!

季節のケアは“早めのスタート”がカギ。冬本番に備えて今から温活をして、冷え知らずの健やか美肌をめざしましょう。
【美肌におすすめの温活】
(1)“足元保温”は温活の基本
寒さは足元から入り込みます。足首が出ないよう、ブーツや保温性の高い靴下、レッグウォーマーなどで足元を温かく保ちましょう。冷えが強い人は足湯も習慣に。
・ぽかぽか足湯
刻んだしょうが(10〜30g)をお茶パックに入れ、2〜3分煮出す。水で適温に調整して桶やバケツに入れ、10〜20分足を温めて。
(2)肌ケアは2ステップで保温効果を
洗顔後のケアは「補水(ローション)+ 保湿(乳液やクリーム)」の2ステップを基本に。最後にオイルの入ったクリームでふたをすると、肌の水分が逃げにくく保湿・保温につながります。
・おすすめオイル
沙棘(サージ)オイル、ローズマリーオイル、ラベンターオイル、茴香(ウイキョウ)オイルなど
(3)筋肉アップで熱をつくる
筋肉は体の熱を生み出しているため、筋肉量を増やすことは冷え予防につながります。特に下半身を意識したトレーニングで、筋力アップをめざしましょう。ホットヨガなどで体を動かすのもおすすめです。
(4)衣・食・住の心がけ
日頃の生活習慣が冷えの原因になっていることも。この機会に見直してみて。
・衣:ミニスカートや薄着など、体を冷やす服装に気をつけて。
・食:冷たい飲食は冷えの要因。“温かいもの”を取る心がけを。
・住:エアコンの使い過ぎに注意。室温が高すぎると汗で体が冷えてしまいます。

あなたのタイプは?“冷え体質”を改善する

体の冷えは、「血」が毛細血管まで十分に巡らないことで起こる症状。“冷え体質”を改善するためには、その要因となっている不調を取り除くことが大切です。
(1)基礎代謝が低い「気陽虚(きようきょ)」タイプ
体内の「陽気」は体を温めるエネルギー。そのため、陽気が不足していると体が冷えやすく、肌のエネルギーも不足して、たるみやシワ、くすみなどが現れやすくなります。このタイプは基礎代謝が低く熱を生み出しにくいため、積極的に体を動かして陽気を充実させましょう。
・気になる症状
肌の弾力低下、たるみ、シワ、くすみ、ターンオーバーが遅い、疲れやすい、四肢の冷え、無汗
おすすめ食材・生薬
羊肉、牛肉、鹿肉、しょうが、にんにく、唐辛子、黄耆(おうぎ)、薬用人参 など
(2)血が足りない「血虚(けっきょ)」タイプ
体内の「血」が不足していると、十分な血流を保つことができず冷えの要因に。また、血の生成と関わる「気」の不足にも注意が必要です。日頃から気血を養う食材を積極的に取り、睡眠を十分に取って血の消耗を防ぐよう心がけましょう。
・気になる症状
血色が悪い、乾燥肌、立ちくらみ、足のけいれん、経血量が少なく色が薄い
・おすすめ食材
卵、レバー、魚、にんじん、りんご、なつめ、クコの実、プルーン、ひじき、ほうれん草 など
(3)ストレスが多い「気滞血瘀(きたいけつお)」タイプ
過剰なストレスで「気」の巡りが停滞すると、血流も悪化して冷えを招いてしまいます。このタイプは、まずストレスを軽減して気持ちを穏やかに保つことが大切。ホットヨガ、散歩、アロマ、十分な睡眠などを心がけ、なるべく気持ちをリラックスさせましょう。
・気になる症状
色素沈着、シミ、そばかすが濃い、かゆみ、上半身ののぼせ、足の冷え、プレッシャーを受けやすい、思い悩む、イライラ、焦燥感
・おすすめ食材
セロリ、みかんなどの香りのある食材や、血の巡りを促す桃、にんにく、玉ねぎ、紅花、サフラン、適量の赤ワイン など当てはまる症状が多い方は、自分に合った温活を心がけるようにしましょう。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など