中医式デトックスで年末年始の冬太りをリセット! - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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中医式デトックスで年末年始の冬太りをリセット!

2019.01.08 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.33

何かとイベントが多い年末年始。この時期は食べ過ぎ飲み過ぎが続き、気づくと“顔が丸くなった!?”なんていうことも多いものです。過剰な飲食は、ぽっちゃり体型だけでなく、肌や体の不調にもつながるので要注意。中医式デトックスで食べ過ぎ飲み過ぎをリセットして、スッキリ体型をキープしましょう。

暴飲暴食は肌荒れや病気の要因に

おいしい食事にお酒、場の雰囲気も手伝って、つい食べ過ぎたり、飲み過ぎたり……。たまのことなら問題ありませんが、こうした過剰な飲食の機会が増えると、体質によっては短期間で数キロ体重が増えてしまうことも少なくありません。
肥満は飽食の時代ならではの症状と思われがちですが、中医学では古くからその対処法があり、二千年前の医学書「黄帝内経」(素問・奇病論)にも次のような記載がありました。
「数食甘多而肥也、肥者令人内熱、甘者令人中満」(油っこいものや甘いものを好む人は、体内に熱が溜まりやすく、消化機能が落ちてお腹の張りを引き起こす)
余分な熱のことを中医学では「熱毒(ねつどく)」といい、炎症性の肌トラブルを引き起こします。ニキビ、赤ら顔、オイリー肌、口臭や皮膚病の悪化にも繋がります。
「膏粱之変、足生大丁、受如持虚」(味の濃いもの、油っこいものを食べ過ぎると、体が弱くなり大きな病気にかかりやすい)
過剰な飲食や肥満の状態は、現代でいうと、胃腸トラブルや高血圧、脳血管疾患、痛風、皮膚病といったさまざまな病気の要因になるということ。健康美人を目指すためには、食生活をきちんとコントロールして、適切な体重をキープすることが大切です。

年末年始こそ「脾胃」と「肝」のケアを心がけて

食べ過ぎ・飲み過ぎの状態は、「脾胃(ひい)」(胃腸)や「肝(かん)」(肝臓)の大きな負担に。特に油っこい料理や甘いものなどを食べ過ぎると、脾胃の消化機能が弱くなり、水分代謝も低下してしまいます。その結果、皮下脂肪が溜まりやすくなり、ぽっちゃりとした水太り体型を招いてしまいます。
また、「肝」は解毒の器官で、新陳代謝と深く関わる臓器です。そのため、過剰な飲酒で肝の働きが弱くなると、代謝が落ちて太りやすい体質になってしまうのです。
脾胃と肝に何かと負担がかかりやすいこの時期は、日頃の養生を心がけることが大切。食べ過ぎ・飲み過ぎをこまめにリセットして、脾胃と肝のダメージを和らげましょう。

食べ過ぎリセット術〜「脾胃」のケア〜

【中医美容式のデトックス「消導理論」による緊急ケア】

過剰な飲食は体にとっては「毒」と捉え、中医学では「消導(しょうどう)」という方法を用いて、毒を押し出すように腸を掃除します。思いっきり食べて、飲んで…。そんな食事の後は、リセット期間を設けて摂取カロリーを抑え、脾胃をいたわる食事を心がけて。

・「デトックス消導」の食材、生薬、漢方などを多く取り入れる
食材:こんにゃく、ごぼう、フキ、フキの葉、大根の葉、白菜、寒天、海藻、豆腐、甘酒、砂肝 など
生薬:サンザシ、五行草、麦芽、穀芽 など

・リセット食のポイント
朝食:温野菜スープor温かいコーンスープor温かい甘酒など。卵などのタンパク質も必要です。軽めの食事をこころがけましょう。冷たい飲食は禁物!
昼食:普段より量を少なく。炭水化物(ごはん、パンなど)はいつもの半分程度、肉や魚は脂の少ないものを。
夕食:野菜たっぷりの温かいスープや味噌汁に野菜を多くいれる。お豆腐、納豆、脂の少ない肉類も摂り入れ、炭水化物は減らしましょう。おでんが一番おすすめです。

ちょっと食べ過ぎたなと感じた日の翌日、また、暴飲暴食が続いている時は2〜3日程度、リセット食を心がけてみてください。

※宴会の時の気をつけたい食べる順番
(1)食事の最初もしくは食事前に、まず温かいお湯や味噌汁、スープを。
脾胃を温めて働きを整え、塩味や辛味、油などの刺激を和らげます。脾胃は冷えに弱い臓器なので、冷たいものはなるべく控え、“温かい飲食”を心がけて。冷えたサラダ、刺身なども食べ過ぎには注意しましょう。
おすすめドリンク:ホットレモネード、はちみつ入りのしょうが湯、りんご酢のお湯割り など

(2)野菜や豆類、肉や魚を交互にバランスよく食べましょう。
油っこい料理、味の濃いもの、辛いもの、甘いものなどは、脾胃の負担になるのでほどほどに。意識して“野菜たっぷり”の食事を心がけましょう。

(3)ごはん、パン、麺類などの炭水化物は遅めのタイミングで。
量も抑えられ、血糖値の上昇も穏やかになります。

飲み過ぎリセット術〜「肝」のケア〜

【二日酔い対策】
中医学ではお酒を薬として使用する例もありますが、過剰な飲酒は体調を崩す要因に。「酒毒」となって、解毒の器官の肝臓に一番大きい負担をかけてしまいます。肝臓の働きを高め、素早く排出ができるように中医美容デトックス方法を取り入れましょう。なるべく酒毒が溜まらないよう心がけ、溜まってしまった酒毒は早めに排出することが大切です。
・症状別、お酒の選び方
肝機能低下、目の病気、高尿酸、赤い皮膚病などが気になる方、過度な飲酒によって体に不調が現れる方は、種類にかかわらず飲酒を控えましょう。お酒の種類にも向き不向きがあります。以下の症状がみられる方は該当するお酒を控えたほうがいいでしょう。
冷え症、瀕尿の方、慢性鼻炎:ビール
むくみやすい、喉に痰が溜まりやすい、肥満傾向:冷酒
冷え症、むくみ、舌が大きく歯の痕がつく:水割り
赤い顔、ニキビ、のぼせ:お湯割り
動悸、痔、目の充血、出血傾向:ウイスキー、白酒(パイチュウ)
動悸、糖尿、皮膚のかゆみ:ワイン
・二日酔い予防法
飲む前に、お湯や温かいお茶を1杯飲む(特に麦茶、プーアール茶)。飲んでいる時は、酒毒の排出を早める食材を一緒に摂るのがおすすめです。
酒毒の排出を早める食材:苦瓜、白菜、大根、緑豆 野菜の煮物 など
・二日酔い回復法
酒毒を排出する“解毒食材”を積極的に摂り、早めに体調を回復させましょう。
解毒食材:しょうが、大根おろし、しそ、梨、柿 など
おすすめ生薬:葛湯、五行草、田七人参(でんしちにんじん)、雲芝(れいし)、シベリア霊芝、鬱金(ウコン)、黄連 など
※日本で、鬱金は「姜黄(きょうおう)」のことを指す場合がありますが、ここでの鬱金は姜黄ではありません。

二日酔い解消のツボマッサージ

・吐き気、不眠、めまい、胃痛 などに

 

内関(ないかん):手首から肘に向かって指3本分置いたところ。指をツボに当て押す。

・嘔吐、胃痛、お腹の張り などに
中脘(ちゅうかん):へそから指5本分上

・むくみ、嘔吐、胃腸の症状 などに

 

足三里(あしさんり):膝頭の外側の下にできるくぼみから指4本下

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など