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サイズだけじゃない!漢方ケアで「健やか美バスト」

2018.06.05 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.26

「胸が小さい」「なんだか垂れてきた」……。バストの形やサイズについて悩みを抱えている女性が多いですよね。バストアップのために、サプリメントやマッサージなどで試行錯誤している人も少なくないのでは?
とはいえ、バストは単に大きければOKというものではなく、“健康美”であることがとても大切。サイズだけにとらわれず、体質を整えながら“健やか美バスト”を目指しましょう。

バスト(乳房)のこと、きちんと知っていますか?

バストの外見は気にしていても、その構造や働きはあまり知らないという人も多いと思います。女性として健康を守り、健やかなバストを目指すためにも、まずは乳房の基本をきちんと理解しておきましょう。
【 乳房の基本 】
女性の乳房は主に脂肪からできていて、その中には乳汁(母乳)をつくる「乳腺」が広がっています。乳腺は、乳汁を運ぶ「乳管」と、乳管の末端で乳汁を分泌する「乳腺小葉」(妊娠から出産後の授乳期にのみ現れる組織)で成り立っていて、女性ホルモンの影響を強く受けることが特徴。そのため、月経周期や妊娠、出産などで乳腺の状態は大きく変わり、乳房が大きくなったり、張りや痛みを感じたり、といった変化が起こるのです。
【なぜ?月経前のバストアップ】
月経前に、胸が大きくなったと感じることがあります。これは、排卵後に分泌される黄体ホルモンの影響によるもの。
女性ホルモンの一種である黄体ホルモンには、妊娠に備えて体内に水分を貯め込もうとする性質があります。このホルモンが乳腺に作用すると、乳房に水分を貯め込んだ状態になり、妊娠に向けて乳管も発達。これが月経前のバストアップの正体で、乳房に張りや痛みを感じる原因にもなります。

乳房のトラブルや病気

しこりや痛み、分泌物などの異常がある場合は、病気の可能性も。気になる症状があれば、早めに乳腺科を受診しましょう。
・乳腺症
30~50代の女性に多く見られる良性疾患。乳腺全体がしこりのようになり、痛みや張りを感じます。また、乳頭から透明な分泌物が出ることもあります。
・乳腺炎
母乳の詰まりや細菌感染によって起こる乳腺の炎症。乳房が腫れて赤くなり、痛みやしこり、発熱などの症状が現れます。
・乳腺線維腺腫
乳腺の繊維組織が増えることでできる良性の腫瘍。20〜30代の女性に多く、丸くコリコリと動くしこりが現れます。
・高プロラクチン血症
乳汁(母乳)を出すホルモン「プロラクチン」が分泌され、出産していないのに母乳が出る病気。プロラクチンには排卵を抑える働きもあり、不妊や無月経を招くこともあります。
その他、かたくて動かないしこり、乳房のへこみやひきつり、血の混ざった分泌物、といった症状は乳がんの可能性も。気づいたらすぐに診察を受けることが大切です。

美バストは「肝」「胃」「腎」がカギ

中医学では、乳房の状態は次の5つの経絡(気・血・津液の見えない通り道)と深く関係していると考えます。
①血や月経と関係の深い「肝(かん)」(肝臓)の経絡
②栄養物質を取り込む「胃」の経絡
③ホルモン分泌や遺伝要因と関わる「腎」の経絡
④月経血と密接に関わる「衝脈(しょうみゃく)」
⑤子宮の周りを通る「任脈(にんみゃく)」
体内の「気」(エネルギー)、「血」、「津液」(体を潤す体液)が充実し、これらの経絡をスムーズに流れていれば、乳房にも十分な栄養やエネルギーが行き届き、健やかで美しいバストを保つことができます。
反対に、経絡を流れる気・血が滞ると、乳房の張りや痛み、しこりなどが起こりやすくなります。

今日から実践!経絡マッサージで美バストに

乳房の周辺は、経絡が集中する場所。マッサージをして、気・血・津液の巡りを促しましょう。乳房周りの刺激は女性ホルモンの分泌を促すため、バストアップにもつながります。
また、日頃から乳房に触れることで、しこりなどの異常を見つけやすくなるメリットも。病気の早期発見につながるので、セルフマッサージを習慣にしましょう。【美バストおすすめのツボ】

・天谿(てんけい):乳首の高さでバストの輪郭部分にあるツボ。女性ホルモンの働きを促します。
・膻中(だんちゅう):左右の乳首の間でちょうど中央にあるツボ。乳腺の発達を促します。
・乳根(にゅうこん):乳首から指2本分下にあるツボ。女性ホルモンの分泌を促します。
【マッサージのポイント】
・回数は、バスト片方につき20〜30回程度。
・強すぎず、弱すぎず、“痛気持ちいい”くらいの力でマッサージを。
・マッサージをする時は、オイルやクリームを使ってスムーズに。
・乳房が張る月経前は、マッサージを避けること。
・乳頭部は刺激しないよう気をつけて。
※誤ったマッサージは病気を招くことも
乳房や乳頭に過剰な刺激を与えると、ホルモンバランスが乱れて病気を招く心配も。高プロラクチン血症、不妊といった不調につながることもあるので、上記のポイントを参考に適切に行うことが大切です。

肝・胃・腎の働きを整える中医学流バストケア

乳房と関わりの深い臓器「肝」「胃」「腎」を整えて、健やか美バストをキープしましょう

①「肝」のケア

肝の大敵は過剰なストレス。読書や映画鑑賞、音楽など、悩みごとから頭を切り離す時間を持つよう心がけ、ストレスを上手に解消しましょう。
・肝の不調サイン
バストの張りや痛み、イライラ、憂うつ、食欲不振 など
②「胃」のケア
冷たいものや過剰な水分は胃の負担になるので、なるべく温かい飲食を心がけて。また、辛いものや肉類の取り過ぎで胃に熱がこもると、乳房トラブルを起こしやすくなるので注意が必要です。
・胃腸の不調サイン
疲労感、胃のむかつき、膨満感、げっぷ、軟便 など
③「腎」のケア
腎は冷えに弱い臓器。入浴や服装の工夫で、日頃から身体をしっかり温めましょう。夏の薄着やクーラーも、冷えにつながるので気をつけて。また、睡眠をしっかり摂ることも大切です。
・胃腸の不調サイン
不眠、髪にツヤがない、耳鳴り、めまい、冷え症 など
【 暮らしのポイント】
・病気は早期発見が大切。年1回は乳がん検診を受けましょう。
・入浴で身体を温め、気・血の流れをスムーズに。巡りが良くなると全身のコリが解消され、乳房のしこりもできにくくなります。入浴剤は、植物エキスで肌をみずみずしく整える「瑞花露ボディケア入浴液」などがオススメ。
・過剰な女性ホルモンは不調の要因に。ホルモン補充のサプリメントなどは、摂り過ぎないよう注意して。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など