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よく分かる中医学vol.4-「肝」の働きと養生(1)-

SPECIAL特集

よく分かる中医学vol.4
-「肝」の働きと養生(1)-

2017.11.21 UPDATE

前々回の「よく分かる中医学vol.2-「腎」の働き-」で、中医学の「五行学説」という考え方についてご紹介しました。

今回のテーマは、五臓の中から「肝(かん)」です。
肝の機能とその養生を2回にわたり、詳しくご紹介します。

過剰なストレスは肝の大敵!

中医学において、「肝」は西洋医学で考える肝臓の働きだけでなく、身体全体の活動と関わるさまざまな役割を担っていると考えます。
肝の機能が低下すると身体全体に影響が現れ、イライラや憂鬱といった精神の不安定、血圧の上昇、頭痛、胃腸の不調、月経障害、めまい、手足のしびれ、視力の低下などさまざまな不調につながります。

肝は、“のびのびとした状態”を好む臓器。過度なストレスを受けると機能が低下してしまうため、季節や環境の変化でストレスが溜まりがちな時期は、特に積極的な養生を心がけましょう。
また、月経のある女性は肝に影響を受けやすいので、日頃の養生を心がけることも大切です。

肝の機能の中でも重要なのは、「疏泄(そせつ)」と「蔵血(ぞうけつ)」です。今回は「疏泄」について取り上げます。

新陳代謝を促す「疏泄(そせつ)」

【気・血・水の流れをスムーズに保ち、全身の健康をサポート】
 

「疏泄」は“通じさせて発散・排泄する”という意味で、新陳代謝のような役割のこと。
全身を巡る「気・血・津液」の流れをスムーズにし、消化や排泄を促進させる機能で、精神の安定や胃腸の働き(消化吸収・排泄)などをサポートしています。

「気・血・津液」がスムーズに流れていれば、エネルギーや栄養分が身体のすみずみに行き渡り、身体全体が健やかな状態に。余分な汚れやストレスが溜まることもなく、心も身体も健康な状態が保たれます。

反対に気の流れが滞ると、ストレスがうまく発散できず情緒が不安定になったり、胃腸の機能が低下して食欲不振や下痢、便秘といった不調が現れたりします。
また、血行不良や水分の停滞を招いて月経障害、下痢やむくみといった症状が現れることも。

肝を元気にする基本は、心も身体も“のびのびとした状態”を保つこと。
ストレスは気を停滞させる大きな原因となるので、ストレスを上手にコントロールしながら気・血・津液の流れをスムーズにするよう心がけましょう。

●気になる症状
・情緒の不安定:憂鬱、イライラ、胸苦しい、怒りっぽい、興奮、頭痛、目痛、血圧の上昇
・胃腸の不調:食欲不振、お腹や胃の張り・痛み、ムカつき、げっぷ、しゃっくり、下痢や便秘
・血行不良による不調:脇痛、胸痛、胃痛、生理痛、生理不順
・水分の停滞による不調:痰、下痢、むくみ

●摂り入れたい食材
・肝の機能を高める:
そば、みかんの皮、香草類、ねむの花、梅の花、ハマナスの花、ジャスミン茶、グリーンピース、カツオ、カレイ、イシモチ、わかめ など
 
・辛味のあるもので溜まったうつを発散:
ミント、菊花、新たまねぎ、みょうが、うこん、三つ葉、大葉、春菊 など
 
・苦みのあるもので肝を静める:
竹の子、クレソン、うど、たらの芽、ふき、ごぼう、わらび など


次回の「よく分かる中医学vol.5」では、肝のもう一つの機能「蔵血(ぞうけつ)」と、暮らしの中に摂り入れやすい肝の養生についてご紹介します。

PROFILE

中医学講師菅沼 栄 先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)など。

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