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中医美容で「くすみ」を解消! 〜透明感あふれるツヤ肌に〜

2017.11.07 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.20

気持ちまで暗くさせる「くすみ」

顔色がどんよりと沈み、疲れて見えたり、老けた印象になってしまったり……。気持ちまで暗く沈みがちな「くすみ肌」は、まさに女性の大敵。放っておくとシミやしわの要因にもなるので、油断は禁物です。
鏡をのぞいて「顔色が暗いな」と感じる人は、中医美容のケアで根本からくすみを解消し、肌本来の明るさを取り戻しましょう。

「くすみ」のタイプはさまざま。原因を知って適切な対処を!

年齢を重ねると、自然とくすみがちになる肌の色。「もう年だから……」とあきらめている人も多いのでは?
ところが、実際にはくすみを起こす原因もさまざま。自分のくすみの原因を知り、きちんと対処をすれば、暗く沈んだ肌も健やかな明るさを取り戻せます。
適切なケアをするためにも、まずは自分の“くすみタイプ”をチェック!

くすみタイプのセルフチェック

当てはまる項目の多さで、あなたのくすみタイプをチェック。複数のタイプに当てはまる症状がある場合は、原因が重なっていると考えて対処を。

【紫外線くすみタイプ】

□赤ら顔、肌の赤み
□肌のほてり、熱感
□肌の炎症(痛み、かゆみを伴う)
□外に出ることが多い(スポーツや仕事など)
□日焼けをしている
【疲労肌くすみタイプ】
□肌の透明感がない
□肌に潤いがなく、ハリが落ちている
□肌が弱く汗などでヒリヒリする(敏感肌)
□体の疲労感、倦怠感を感じやすい
□息切れしやすい
【乾燥肌くすみタイプ】
□乾燥肌でシワができやすい
□肌の透明感がない
□のどや口の乾燥
□目の乾燥(ドライアイ)
□髪のパサつき
【ストレスくすみタイプ】
□日頃からストレスが多い
□緊張しやすい
□日常的に長時間仕事をしている
□睡眠の質が悪い、不眠
□集中力がない
【血行不良くすみタイプ】
□顔色がどんよりと暗い
□目の下に青いクマができやすい
□唇のまわりの黒ずみ
□肩こり、頭痛
□手足の冷え症

タイプ別ケアで、肌の「くすみ」を根本から解消!

適切なケアでくすみの原因を根本から改善し、肌本来の健やかな明るさを取り戻しましょう。
【 紫外線くすみタイプ 】
春から夏、紫外線が強くなる時期に起こりやすいタイプ。
紫外線を受けると、肌はダメージから守ろうと褐色のメラニンを生成します。その後、ケアを怠るなどの要因で肌のターンオーバー(新陳代謝)がスムーズに行われなくなると、メラニンが蓄積されて色素沈着を起こすことに。これが、くすみやシミの原因となります。
●ケアのポイントは「清熱解毒(せいねつげどく)」
中医学では紫外線のダメージを「光毒(こうどく)」といい、体や肌の毒となる余分な熱を冷ますことで対処します(清熱解毒)。

・肌の熱を冷ます。1日1回、緑茶や五行草でパックをするのもおすすめです。

・外出時は日焼け止めを忘れずに。汗をかいたらこまめに塗り直しましょう。
●余分な熱を冷ます食養生
トマト、きゅうり、レタス、苦瓜、大根、蓮根、緑豆(もやし、春雨など)、緑茶、はと麦茶、菊花茶、金銀花茶(きんぎんかちゃ)、どくだみ茶 など
●清熱解毒の生薬
黄柏(おうばく)、カミツレ、クララ、弟切草(おとぎりそう) など
【疲労肌くすみタイプ】
秋に起こりやすいのは、疲労肌によるくすみ。その主な要因は、夏の発汗にあります。
中医学では、汗をかくと体内の潤いと一緒に「気」(エネルギー)を消耗すると考えます。気のエネルギーは、肌の元気を保ち、ターンオーバー(新陳代謝)を促す大切な要素。
そのため、肌に気が十分行き届かないと疲労肌でくすみが起こりやすく、透明感やハリも失われてしまいます。
●ケアのポイントは「補気排毒(ほきはいどく)」
不足しがちな「気」を養い、疲れた肌を元気に。気が充実すればターンオーバーが整い、透明感やハリもアップします。
・胃腸の働きを整えて、気の源となる栄養をしっかり取りましょう。
・睡眠や休息を十分にとって、疲れの回復を。
●気を養う食養生
卵、チーズ、鴨肉、牛肉、米、じゃがいも、きのこ類、にんじん、かぼちゃ、栗、バナナ など
●補気排毒の生薬
黄耆(おうぎ)、西洋人参、霊芝(れいし)、薏苡仁(よくいにん) など

●参考マガジン
夏の「お疲れ肌」をリセット!〜残暑を乗り切る肌ケア〜

【乾燥肌くすみタイプ】
秋から冬にくすみがちな、乾燥肌タイプ。空気が乾く秋冬の時期は、「燥邪(そうじゃ)」の影響で「津液(しんえき)」(潤い)を消耗しがちになります。
また、夏のダメージが影響して、「気」(エネルギー)、「血(けつ)」、「津液」がともに不足してしまうことも。
すると、肌に十分な潤いや栄養が行き渡らず、ターンオーバーの乱れや乾燥を招くことに。その結果、肌の透明感が失われ、くすみを起こしやすくなります。
●ケアのポイントは「滋陰潤燥(じいんじゅんそう)」
血・津液をしっかり養い、“体の中から潤いをアップ”を心がけて。また、毎日のスキンケアで保湿することも忘れずに。

・潤いの多い食材を積極的に取り、体の乾燥を防ぎましょう。

・こまめなパックで、乾いた肌にたっぷり潤い補給を。
・保湿ケアは“全身くまなく”が基本! 肌は全身つながっています。顔だけケアをしても、乾燥しているところから潤いが逃げてしうので気をつけて。
●潤いを養う食養生
梨、マンゴー、納豆、オクラ、白きくらげ、にんじん、クコの実、手羽先、豚足、すっぽん、ふかひれ、つばめの巣 など

●滋陰潤燥の生薬

沙棘(サージ)、当帰(とうき)、霊芝(れいし)、黄精(おうせい)、西洋人参 など

●参考マガジン
秋の「乾燥肌」対策~「潤いアップ」は体の中と外からのダブルケアが基本~

【ストレスくすみタイプ】
ストレスを受けると、副腎皮質(ふくじんひしつ)からコルチゾールというホルモンが分泌されます。
血圧を上昇させて体を元気にするコルチゾールは、生体リズムに合わせて起床時に増え、就寝時に減っていく大切なホルモン。決して悪者ではないのですが、ストレスの多い生活、長時間の仕事などを続けていると、その分泌が過剰に。
すると、コルチゾールを分泌する副腎が疲れ、これが肌にも影響してくすみを招いてしまいます。
●ケアのポイントは「補腎安神(ほじんあんしん)」
副腎の働きは五臓の「腎」にあたるので、疲れがちな腎のケアを心がけて。また、日頃から気持ちを穏やかに保つことも大切です。

・小さなことはあまり気にせず、日常のストレスを減らす心がけを。

・腎を休めるためにも、睡眠はしっかり。就寝は23時が理想です。
・栄養をしっかり取って、体のエネルギーとなる「気」を養うことも大切。
●腎と気を補う食養生
くるみ、栗、山芋、にら、いんげん、かぼちゃ、えび、うなぎ、さんま、黒糖、黒豆 など
●補腎安神の生薬
田七人参(でんしちにんじん)、シベリア人参、黄耆(おうぎ)、白朮(びゃくじゅつ)、霊芝(れいし)、鹿茸(ろくじょう)、鼈甲(べっこう)、亀板(きばん)、海馬(かいば)、なまこ など
【血行不良くすみタイプ】
冬に起こりやすいのは、血行不良によるくすみ。
体が冷えて血行が悪くなると、毛細血管まで血がスムーズに巡らなくなります。すると、血色が悪くなり、肌の色も暗くくすんだ印象に。
また、毛細血管まで十分な血が行き届かないと、肌の栄養や潤いが不足して、ハリやツヤも失われがちになります。
●ケアのポイントは「活血化瘀(かっけつかお)」
滞った「血(けつ)」の巡りをスムーズに。肌にしっかり血が行き渡ると、血色が良くなり健康的な肌色に。肌のハリ・ツヤもアップします。
・温パックで肌を冷えから守る。パックの上から蒸しタオルで温めるのがおすすめです。
・冷えは血行不良のもと。暖かい飲食や服装、毎日の入浴を心がけて
・軽い運動や家事で体を動かして、血行の促進を
●血行を良くする食養生
玉ねぎ、にんにく、らっきょう、にら、しょうが、いわし、さんま、シナモン、サフラン など
※紅茶やプーアール茶に、ハマナス、紅花(べにばな)、ハイビスカスなどをブレンドして、香りの良いオリジナルティーを楽しむのもおすすめです。
●活血化瘀の生薬
紅花、丹参(たんじん)、田七人参(でんしちにんじん)、鶏冠花(けいかんか) など

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など