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女性の元気は「血」が基本

SPECIAL特集

女性の元気は「血」が基本

2016.09.27 UPDATE

女性は「血」を消耗しやすい体質

中医学には「婦人は血(けつ)をもって本となす」という言葉があります。これは、女性の健康や美しさの基本は「血」にあるということ。月経や出産などを経験する女性の身体は、血を消耗しやすく不調も起こりやすくなります。「血」は、主に西洋医学で考える血液のこと。中医学では、生命活動の基本となる重要な物質とされ、血が充実して体内をスムーズに流れていることが健やかな状態と考えます。

 

身体の中からいきいきとキレイな女性に

血の主な働きは、全身を巡って身体のあらゆる組織や細胞に栄養を運ぶこと。この作用によって臓器や目、筋肉などに栄養が行き渡り、それぞれが十分に機能して健康な状態が保たれます。また、血は潤いを多く含み、“静”の特徴を持つことから、身体に潤いを与える、精神を安定させる、といった働きも担っています。

体内の血が不足してこうした機能が低下すると、疲労感、冷え、月経不順、目の乾燥、情緒不安定、睡眠障害といった、心身のさまざまな不調を引き起こす原因に。また、美容の大敵となる肌の乾燥や髪のパサつきなども、血の潤い不足によって現れます。

血の働きと基本の養生

中医学では、冷えや乾燥、不眠などの自覚症状があれば、「血不足」と捉えて改善することを大切にします。養生の基本は、体内の血を十分に養って「栄養作用」を高めること。また、身体の潤い不足や精神的な症状がある場合は、血を養いながら、同時に「潤い作用」や「精神安定作用」を高めていきましょう。
 
血の基本的な働きは、全身を巡り、五臓六腑をはじめとする身体のあらゆる組織・細胞に栄養素を運ぶことにあります。血が充実していれば、この「栄養作用」がしっかり働き、臓器や目、筋肉などに栄養が行き渡ります。その結果、身体の力が強くなり、健康な状態が保たれるのです。
反対に、月経や出産、過度なダイエットなどで体内の血が不足していると、臓器や組織が栄養不足になり、疲労感や冷え、月経不順といった不調を引き起こす原因に。血の養生は、まず体内に血をしっかり養い、栄養機能を高めることが基本。血は主に「胃腸」が消化吸収する栄養素から生み出されるため、胃腸の調子を整え、毎日の食事をバランス良くしっかり摂ることを心がけましょう。また、胃腸が蓄える栄養素は、体内のエネルギーとなる「気」を生み出す源にもなります。血の栄養機能が低下して身体の元気が足りないときは、脾胃を元気にしながら、血と気を一緒に養うことも大切です。
 
<こんな症状に注意>
顔色が白っぽい、めまい、動悸、記憶力の低下、疲労感、冷え、月経不順、白髪、抜け毛
 
<食の養生>
甘みのあるもの、黒いもので血を養う
棗、クコの実、落花生、にんじん、ほうれん草、黒ごま、黒砂糖、きな粉、レバー、鮭、鶏肉、豚肉、魚の血合い など

トラブル1:心の不調の対策

中医学では、血は「静」の特徴を持ち、精神を安定させる働きがあると考えます。そのため、体内に血が十分あれば、心の不調は起こりにくくなるのです。
反対に、血が不足して精神安定の作用が低下すると、情緒の不安定や不安感、不眠といった心のトラブルが起こりやすくなることも。精神的な不調を感じたら、血の不調が起きているサインと考え、積極的なケアを心がけましょう。
養生のポイントは、血を養いながら(「基本の養生」参照)、早めにストレスを取り除くこと。過剰なストレスは血流の悪化にもつながるので、香りの良いお茶などを利用して、気持ちをリラックスさせましょう。
 
 
<こんな症状に注意>
情緒不安定、ストレスに弱い、落ち込みやすい、睡眠障害(寝付きが悪い、眠りが浅い、目覚めが早い など)、月経前後の不安感、動揺しやすい
 
<食の養生>
ストレスを発散して、精神を安定させる食材を
小豆、百合根、小麦、ぶどう、竜眼肉、菊花茶、ジャスミン茶、ハマナスの花茶、キンモクセイの花茶、ミント、みかんの皮、せり、三つ葉、コリアンダー など
 
 
 

トラブル2:肌や髪の乾燥の対策

血の養生は、美しさを保つ上でも大切なこと。血は潤いを多く含んでいるため、体内に血が充実していれば、身体のすみずみまで潤いが行き届きます。すると、肌の潤いやハリが生まれ、髪も美しく艶やかに。身体の中に潤いが満ちているため、顔色もいきいきと健康的になります。反対に、血が不足して潤い作用が低下していると、皮膚が乾燥し、髪もパサつきがちに。また、体内の潤い不足は、目の乾燥や便秘、関節が動きにくいといった、さまざまな身体の不調にもつながります。乾燥の症状を感じたら、血を養いながら(「基本の養生」参照)、身体の潤いをしっかり補うことが大切。食生活に気を配り、潤いの多い食材を積極的に摂るよう心がけましょう。

 

<こんな症状に注意>

皮膚の乾燥、髪のパサつき、顔色に艶がない、目の乾燥、関節が動きにくい、便秘気味
 

<食の養生>

身体に潤いを与える食材を

白きくらげ、バナナ、りんご、桃、いちじく、キウイ、すいか、いちご、海草類、豆腐、卵、オリーブ油、ごま油、豚足、鶏の手羽先、はちみつ など

 

暮らしの養生で血を元気に

◎胃腸をいたわる

・胃腸は冷えに弱い臓器。温かい食べ物、飲み物を心がけて

・食事のバランスに気を配り、栄養をしっかり摂取

・濃いお茶やコーヒーは、脾胃の負担になるので控えめに

 

◎血の流れをスムーズに

・友人とのおしゃべりや趣味の時間で、ストレスは早めに解消を

・ウォーキングやストレッチなど、有酸素運動を積極的に

・毎日の入浴を心がけ、心と身体をリフレッシュ

 

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PROFILE

中医学講師菅沼 栄 先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)など。

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